非喫煙女性の肺がんに飲酒が関連か

生涯非喫煙者における肺がんの病因はほとんどわかっていない。スペイン・コルーニャ大学病院のJose A. Garcia Lavandeira氏らが、ケースコントロール研究のプール解析で、生涯非喫煙者における肺がんリスクにおける飲酒の影響を検討したところ、ワインと蒸留酒の摂取が、とくに女性で、肺がんリスクを増加させる可能性が示唆された。ただし、本研究の限界を考慮すると本結果を慎重にとらえるべき、と著者らは述べている。European journal of public health誌オンライン版2017年11月13日号に掲載。
本研究は、スペイン北西部で行われた6件の多施設ケースコントロール研究を統合した。ケース群、コントロール群とも、生涯非喫煙者であった。解剖病理学的に肺がんを確認した症例を選択し、参加者すべてに個別にインタビューした。2つの統計モデルグループについて、一般化加法モデルを用いた無条件ロジスティック回帰を適用した。1つはアルコール飲料の種類の影響を検討し、もう1つは各アルコール飲料の摂取量を検討した。
主な結果は以下のとおり。
・ケース群が438人、コントロール群が863人であり、年齢中央値はそれぞれ71歳と66歳であった。組織型は腺がんが多く、全症例の66%を占めていた。
・アルコール飲料の種類別のオッズ比(OR)は、ワインが2.20(95%CI:1.12~4.35)、蒸留酒が1.90(同:1.13~3.23)、ビールが1.33(95%CI 0.82~2.14)であった。
・女性では上記の結果と同様であったが、男性ではどのアルコール飲料でも明らかなリスクは認められなかった。
・アルコール飲料別の用量反応分析では、明確なパターンが示されなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)
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