青年期うつ病を予測する小児期の特徴

カナダ・オタワ大学のMurray Weeks氏らは、16~17歳の抑うつ症状を有する青少年における4~5歳から14~15歳にかけての内在化問題、外在化問題、学力の3つのドメインについて縦断的に調査した。Journal of adolescence誌オンライン版2016年6月8日号の報告。
対象は、小児と青少年の全国縦断研究の一環として年2回フォローされたカナダの小児6,425人。
主な結果は以下のとおり。
・内的ドメイン(すなわち、安定性)の影響は中程度であった。
・小児期早期の内在化問題と外在化問題の間(正の相関)、および小児期後期、青年期の学力と外在化問題との間(負の相関)で、1時点(すなわち、one-lag cascades)での縦断的クロスドメインの影響を見出した。
・また、4~5歳の低い学力と6~7歳の内在化問題の大きさが12~13歳以上の外在化問題を予測し、6~7歳以上の外在化問題が16~17歳以上のうつ病を予測することについて、複数時点(すなわち、multi-lag cascades)でのカスケード効果を見出した。
・青年期うつ病への重要な経路は、小児期および青年期の内在化問題を通じた経路の安定性、ならびに適応のすべてのドメインを含む可能性のある複数の経路を含んでおり、これは青年期うつ病の多因子の性質を浮き彫りにするものである。
関連医療ニュース
青年期うつは自助予防可能か
成人期まで持続するADHD、その予測因子は
生徒のうつ病に対する教師サポートの影響は
(鷹野 敦夫)
[ 最新ニュース ]

慢性C型肝炎、ソホスブビル/ダクラタスビルvs.ソホスブビル/ベルパタスビル/Lancet(2025/05/16)

obicetrapib/エゼチミブ配合剤、LDL-コレステロール低下に有効/Lancet(2025/05/16)

死亡リスクの高いPAH患者に対するアクチビンシグナル伝達阻害剤sotatercept上乗せの有効性が証明された(解説:原田和昌氏)(2025/05/16)

アトピー性皮膚炎への新規外用薬、既存薬と比較~メタ解析(2025/05/16)

CT検査による将来のがんリスク、飲酒や過体重と同程度?(2025/05/16)

アリピプラゾール持続性注射剤の治療継続に影響する要因(2025/05/16)

“スマートシャツ”で心臓病を予測(2025/05/16)

子宮頸がんワクチンの接種率は近隣の社会経済状況や地理に関連か(2025/05/16)