NSCLCにおけるAZD9291の新たなエビデンス―世界肺がん学会

アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、9月8日、2015年世界肺がん学会議において、上皮成長因子受容体変異陽性(EGFRm)進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療ならびに過去に治療歴を有する患者を対象とした、AZD9291の最新データを発表した。本データは、AURA第I相1次治療群と2本のAURA第II相試験によって得られたもの。
1次治療薬としてAZD9291を1日1回投与された60例の患者のうち、72% (95%CI : 58%~82%)は12ヵ月の時点においても増悪が認められなかった。全奏効率(ORR)は75%(95%CI:62%~85%)であった。また、現時点での最長奏効期間(DoR)は18ヵ月だが、さらに延長していることが示された。
さらに、治療歴を有するEGFRm T790M変異陽性患者を対象とした2つのAURA第II相試験(AURA延長試験とAURA2試験)のデータも発表された。これらの試験データは途中経過であるものの、過去に報告されたAZD9291の有効性および忍容性と一致するプロファイルが示されている。AURA延長試験(201例)においてORRは61%(95% CI: 54%~68%)、DoR中央値およびPFS中央値は算出不能(NC)。210例を対象としたAURA2試験においても一致した結果が得られ、ORRは71%(95% CI: 64%~77%)、DoR中央値は7.8ヵ月(95% CI: 7.1カ月~NC)、PFS中央値は8.6ヵ月(95% CI: 8.3カ月~9.7カ月) であった。
これら試験におけるAZD9291の安全性プロファイルは、既に報告されたプロファイルと合致していた。AURA1次治療を受けたすべての用量群における、主な有害事象 (AE) は発疹 (全グレード:77%、グレード3以上:2%) および下痢(全グレード:73%、グレード3以上:3%)であった。これらのAEは2つのAURA第II相試験においても同様に報告された (AURA延長試験:発疹[全グレード:40%、グレード3以上:1%]、下痢[全グレード:45%、グレード3以上:1%] AURA2試験:発疹[全グレード:42%、グレード3以上:1%]、下痢[全グレード:39%、グレード3以上:1%]) 。
AZD9291は、選択性の高い不可逆的阻害剤で、野生型EGFRには作用せず、EGFR活性化変異 と耐性遺伝子変異であるT790Mの双方を阻害する。
アストラゼネカのプレスリリースはこちら。
(ケアネット 細田 雅之)
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