睡眠薬使用は自動車事故を増加させているのか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/07/06 催眠鎮静薬の使用と自動車衝突事故リスクとの関連性について、米国・シアトル大学のRyan N Hansen氏らは検証を行った。American journal of public health誌オンライン版2015年6月11日号の報告。 研究グループは、統合ヘルスケアシステムより抽出した、成人40万9,171人の新規使用者のコホート研究を行った。ヘルスプランデータは、運転免許証と衝突記録にリンクさせた。対象者は、ワシントン州の運転免許を取得(2003~2008年の間に少なくとも1年以上保持)した21歳以上の成人。死亡、保険の解約、または試験終了まで調査した。鎮静薬3剤に関連する事故リスクを推定するため、比例ハザード回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・5.8%の患者が、新規に鎮静薬を処方されていた(1万1,197人/年)。 ・鎮静薬の新規使用者では、不使用者と比べて、衝突事故リスクの増加と関連していた。 temazepam(国内未承認):HR 1.27(95%CI:0.85~1.91) トラゾドン:HR 1.91(95%CI:1.62~2.25) ゾルピデム:HR 2.20(95%CI:1.64~2.95) ・これらのリスクは、血中アルコール濃度レベルが0.06~0.11%の場合と同等と推算された。 著者らは「催眠鎮静薬の新規使用は、自動車衝突事故リスクの増加との関連が認められたことから、催眠鎮静薬の処方を開始する臨床医は、治療期間や運転リスクに関するカウンセリングを考慮する必要がある」とまとめている。 担当者へのご意見箱はこちら 関連医療ニュース てんかんドライバーの事故率は本当に高いのか 精神疾患ドライバー、疾患による特徴の違い 認知症ドライバーの運転能力、どう判断すべきか (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Hansen RN, et al. Am J Public Health. 2015 Jun 11:e1-e6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] スピロノラクトン、維持透析患者の心不全・心血管死を減少させるか/Lancet(2025/08/28) 抗IL-4Rαモノクローナル抗体薬stapokibart、鼻茸を伴う重症慢性副鼻腔炎に有効/JAMA(2025/08/28) 富裕層の医師はどれくらい?/医師1,000人アンケート(2025/08/28) cN0乳がんのセンチネルリンパ節生検省略、リアルワールドで見逃されるpN+の割合は?(2025/08/28) ブレクスピプラゾールによるアジテーション治療は認知症患者だけでなく介護者にとっても有効(2025/08/28) 退職は健康改善と関連、とくに女性で顕著――35ヵ国・10万人規模の国際縦断研究/慶大など(2025/08/28) 白血病治療薬が高リスク骨髄異形成症候群にも効果を発揮(2025/08/28) [ あわせて読みたい ] 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24)