ひとり親家庭の子供は喘息になりやすい

提供元:ケアネット

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公開日:2013/12/19

 

 母子家庭・父子家庭(以下、ひとり親家庭)の子供は両親のいる子供と比べて、喘息による救急外来や病院の再受診が多いことが、シンシナティ小児病院医療センターのTerri Moncrief氏らによって報告された。さらに、この主な要因として世帯所得の違いが根本にあることにも言及している。The Journal of asthma誌オンライン版2013年12月10日の掲載報告。

 本研究の目的は、ひとり親家庭の子供と小児喘息による健康管理施設の再受診状況との関係を明らかにし、この関係を説明する家族レベルでの心理社会的変数を検討することである。

 喘息または気管支拡張薬に反応を示す喘鳴により、健康管理施設を利用した1~16歳の526例の子供と、その子供の介護者の結婚状況を前向きコホートにより分析した。本分析によると、ひとり親であることは1つのリスクカテゴリーとなることがわかった。

 本研究のアウトカムは小児喘息による施設の再受診とした(救急外来または病院の再入院)。評価は4つの心理社会的変数(世帯所得、介護者が有する心理的苦痛のリスク、親に対する子供の比率、保育園の登園率やセカンドハウスの利用状況)で行った。

 主な結果は以下のとおり。

・コホートに登録された子どもの40%が12ヵ月以内に喘息で救急外来や病院を再受診した。

・全介護者のうち59%はひとり親であった。

・ひとり親であることと、それぞれの心理社会的変数との間には有意な関連が認められた。

・低所得世帯や子供比率が高い世帯の子供は、高所得世帯や子供比率が低い世帯の子供と比べて、喘息による救急外来や病院の再受診が多かった(それぞれ、p<0.005)。

・ひとり親の子供は両親のいる子供と比べて、喘息による救急外来や病院の再受診が多かったが(オッズ比:1.44、95%信頼区間[CI]:1.00~2.07、p<0.05)、所得により調整を行うと有意差は認められなかった。

(ケアネット 鎌滝 真次)