手術を受けた慢性副鼻腔炎患者では喘息の診断が不十分:日本人における検討

提供元:ケアネット

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公開日:2013/12/12

 

 副鼻腔の手術を受けた慢性副鼻腔炎患者では、喘息の診断が不十分であり、とくに高齢者でその傾向が強いことが、理化学研究所統合生命医科学研究センター 呼吸器・アレルギー疾患研究チームの田中 翔太氏らにより報告された。Allergology International誌オンライン版2013年11月25日の掲載報告。

 慢性副鼻腔炎は臨床的に鼻ポリープの有無により二分される。慢性副鼻腔炎は地理的要因による差異が大きく、多様性のある疾患である。鼻ポリープのある好酸球性の慢性副鼻腔炎は症状が重症化しやすく、喘息合併の頻度も高い。異なる民族集団における疫学的研究の進展により、慢性副鼻腔炎の病理生理学についての理解が深まってきた。そこで、内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)を受けた難治性の慢性副鼻腔炎患者の臨床的な特徴を報告する。

 慢性副鼻腔炎の患者210例を集め、内視鏡検査、CTによるLund Mackayスコア、末梢血の好酸球増加、喫煙状況を調べた。ほかにも、喘息の合併や年齢、肺機能の影響について調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・末梢血好酸球が増加していた患者において、鼻ポリープのない慢性副鼻腔炎患者の13%、鼻ポリープのある慢性副鼻腔炎患者の20%では、喘息と診断されていないにもかかわらず、閉塞性の肺機能障害(FEV1/FVC(一秒率)< 70%)が認められた。

・過去に喘息と診断されたことがない60歳以上の非喫煙患者で、かつ末梢血の好酸球が増加していた鼻ポリープのある慢性副鼻腔炎患者の50%において、FEV1/FVCが 70%未満であった。

 慢性副鼻腔炎と喘息の関連が明らかになったとはいえ、難治性の慢性副鼻腔炎の管理にあたり、今後もなお喘息のような閉塞性気道疾患の合併に十分注意していく必要がある。

(ケアネット 鎌滝 真次)