国際疼痛学会が神経障害性疼痛に対する侵襲的治療について新しい勧告を発表

提供元:ケアネット

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公開日:2013/11/29

 

 神経障害性疼痛は、薬物療法あるいは非侵襲的治療に不応性のことが多い。国際疼痛学会の神経障害性疼痛部会は、神経障害性疼痛の侵襲的治療に関するシステマティックレビュー、臨床試験および既存のガイドラインを評価し、勧告を発表した。同部会を代表し米国・ロチェスター大学のRobert H. Dworkin氏らは、今後の研究の優先事項としてはさまざまな侵襲的および非侵襲的治療の無作為臨床試験、長期研究および直接比較試験が挙げられる、とまとめている。PAIN誌2013年11月(オンライン版2013年6月7日)。

 以下の末梢性および中枢性神経障害性疼痛患者における神経ブロック、脊髄電気刺激(SCS)、髄腔内薬物投与および脳神経外科的治療に関するエビデンスがまとめられた。

・帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛(PHN)
・有痛性糖尿病性およびほかの末梢神経障害
・脊髄損傷後神経障害性疼痛、脳卒中後の中枢性疼痛
・神経根障害および腰椎術後疼痛症候群(FBSS)
・複合性局所疼痛症候群(CRPS)
・三叉神経痛と末梢神経障害

 主な勧告内容は以下のとおり。

・質の高い臨床試験が不足しているため、強い推奨を行うことはできない。
・有効性と安全性の程度を含むエビデンスの量および一貫性に基づき、以下の4治療を「弱い推奨」とする。

 1)帯状疱疹に対する硬膜外注射
 2)神経根障害に対するステロイド注射
 3)FBSSに対するSCS
 4)CRPSタイプ1に対するSCS

・PHNに対する交感神経ブロック、神経根障害に対する高周波療法の使用は推奨しない。
・これらの侵襲的治療は、可能な限り無作為化臨床試験の一部として行うか、
または登録研究に記録するかのどちらかでなければならない。

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(ケアネット)