爪真菌症にアルバコナゾールが奏効

提供元:ケアネット

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公開日:2013/09/26

 

 新たなトリアゾール系経口抗真菌薬アルバコナゾール(国内未承認)について、足親指の遠位爪甲下型爪真菌症に対する高い有効性と安全性が確認されたことが報告された。アイスランド大学のBarour Sigurgeirsson氏らによる4つの用量レジメンについて検討した第2相無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験の結果、示された。爪真菌症に対する有効な治療としては、テルビナフィン(商品名:ラミシールほか)、イトラコナゾール(同:イトリゾールほか)があるが、頻繁な反復投与を必要とする頻度が高く、肝・心臓の有害事象を引き起こす可能性がある。今回の試験ではアルバコナゾールの4レジメンともに肝・心臓の重大有害事象はみられなかったという。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年9月号(オンライン版2013年5月22日号)の掲載報告。

 研究グループは、足親指の遠位爪甲下型爪真菌症に対するアルバコナゾール週1回投与の有効性と安全性について検討した。試験は、584例の患者を、アルバコナゾール100~400mg、またはプラセボをそれぞれ週1回投与する二つの群に割り付け行われた。治療期間は24週間または36週間であった。

 有効性の指標は、52週時点での菌学的治癒および爪が透明またはほぼ透明であることとした。

 主な結果は以下のとおり。

・52週時点の有効率は、4つの用量レジメンすべての治療群(21~54%)がすべてプラセボ(1%)よりも有意に高かった(すべての群のp<0.001)。
・ほとんどの群で患者の5%以上が、治療奏効を24週時点で達成していた。
・有害事象の大部分は軽度~中程度であった。
・治療関連の有害事象は3%以内であった。また、治療関連の肝・心臓の重大有害事象はみられなかった。
・今回の試験は、追跡調査期間が短く有効性の最大値を評価することができなかったこと(治癒率が試験終了時点で増大していた)、アルバコナゾールの有効性と忍容性についてほかの治療薬との比較は行われなかったこと、目標病変の足指の爪の変化は主観的評価であったという点について限界があった。
・以上を踏まえて著者は、「アルバコナゾールは爪真菌症に対して、いずれの用量でも忍容性は良好で高い治癒率を示した」と結論している。

(ケアネット)