中等度~重症小児湿疹にナローバンド紫外線療法は有用

提供元:ケアネット

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公開日:2013/09/03

 

 中等度~重症の小児湿疹に対するナローバンド紫外線(NBUVB)療法は、臨床的効果がありQOLを改善することを、英国・Royal Victoria InfirmaryのS. Darne氏らが前向きコホート研究の結果、報告した。効果は治療後6ヵ月時点でも持続していた。これまで小児湿疹に対するNBUVB療法の効果についてのエビデンスは、後ろ向きなものに限られていた。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年8月12日号の掲載報告。

 研究グループは、NBUVB治療コホートと未治療コホートにおいて、治療完了時点、3ヵ月後、6ヵ月後に測定した、(1)客観的スコア(SASSAD、病変部のパーセンテージ表面積)と(2)QOLスコアの違いを評価した。

 NBUVB治療が必要とされたのは3~16歳の29例で、ベースライン、12週(治療完了時点)、NBUVB治療後3、6ヵ月時点でのSASSAD、病変部のパーセンテージ表面積を用いて前向きに測定を行った。そのスコアを、NBUVB治療が行われなかった(提示したが同治療法を選択しなかった)26例の患児のスコアと比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・NBUVB治療群(29例)のSASSAD平均スコアは61%低下した。一方、未治療群(26例)では6%上昇した。
・治療完了時点の治療群vs.未治療群のSASSAD平均スコアは、11.6vs. 24.8であった(平均差:-13.2、95%CI:-18.7~-7.7、p<0.0001)。
・また、治療完了時点の治療群vs.未治療群の病変部の平均パーセンテージ表面積は、11%vs. 36%であった(同:-25%、-34~16%、p<0.0001)。
・主観的およびQOLスコアは、治療完了時点でコホート間に有意な差が認められた(p<0.05)。
・客観的スコアは、治療後3、6ヵ月時点においても治療群は未治療群よりも有意に低いままであった。

(ケアネット)