境界性パーソナリティ障害と睡眠障害は密接に関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/06/17 Edward A. Selby氏は、境界性パーソナリティ障害(BPD)と睡眠障害の関連について、レトロスペクティブに検討を行った。その結果、BPDと睡眠障害との間に関連が認められ、両者が相互に悪影響を及ぼし合っている可能性が示唆された。これまで、BPDにおける慢性睡眠障害の状況を検討した研究は少なかった。Journal of Consulting and Clinical Psychology誌オンライン版2013年6月3日号の掲載報告。 睡眠と感情の制御およびストレス管理との関連を明らかにしてこれらの関係を立証することは、現在の治療の向上につながりうる。本研究で著者は、パーソナリティ障害と睡眠障害について評価しているNational Comorbidity Survey-Replication(NCS-R)Part IIの母集団(Kessler & Merikangas、2004のデータ[5,692例])を解析し、慢性睡眠障害の程度(入眠困難、睡眠維持困難、早期覚醒)と、その結果としての浅眠について検討した。 慢性的な健康の問題、Axis Iの合併症、過去1年間の自殺企図および社会人口統計学的な項目を踏まえたうえで、BPDの診断項目と症状を用いてロジスティックおよび線形回帰解析を行い、睡眠と関連する問題の予測を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・BPDは、慢性の睡眠に関連する3つの問題すべてと有意に関連しており、その結果として不眠症とも関連していた。 ・BPDと睡眠の問題との関連の程度は、従来より示されているAxis I障害と睡眠の問題との関連の程度に匹敵するものであった。 ・BPDの症状は慢性の睡眠の問題と相互に作用し、社会的/感情障害、認知障害、自己管理障害に関連していることが予測された。 ・以上より著者は、「睡眠障害とBPD症状との間には一貫した関連がみられ、日中の浅眠につながっている。そして浅眠によりBPD症状が悪化するという悪循環が、高レベルの機能障害につながっている」とまとめ、「BPD患者の睡眠状況を日常的に評価すべきであり、慢性の睡眠問題の解決は、感情コントロールの改善、治療スキルの実施を通して治療の向上につながる可能性がある」と考察している。 関連医療ニュース 境界性パーソナリティ障害患者の自殺行為を減少させるには 双極性障害の自殺予防に求められるのは・・・ 検証!統合失調症患者の睡眠状態とは (ケアネット) 原著論文はこちら Selby EA. et al. J Consult Clin Psychol. 2013 Jun 3. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] PIK3CA変異の内分泌療法抵抗性HR+/HER2-乳がん、inavolisib追加でPFS・OS改善(INAVO120)/NEJM(2025/06/11) 高リスク頭頸部がん、CRT+ニボルマブの術後補助療法が20年振りの新たな標準治療に(NIVOPOSTOP)/ASCO2025(2025/06/11) HRR関連遺伝子に病的バリアントを有するmCSPCへのニラパリブ+AAP、rPFS改善(AMPLITUDE)/ASCO2025(2025/06/11) COPD初の生物学的製剤デュピルマブへの期待/サノフィ(2025/06/11) うつ病合併片頭痛に対するフレマネズマブの有効性〜UNITE試験(2025/06/11) HER2+乳がん術前療法、THP vs.TCHP(neoCARHP)/ASCO2025(2025/06/11) 眠気の正体とは?昼間の眠気は異常?/日本抗加齢医学会(2025/06/11) スポーツを現地観戦する高齢者は幸福感が高い/千葉大(2025/06/11)