向精神薬「リタリン」、うつ病の適応を取り下げる方針

提供元:ケアネット

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公開日:2007/10/01

 

 9月18日に東京都が不適正処方の疑いで新宿区のクリニックを医療法に基づき、立ち入り検査をしてマスコミ報道で話題となった向精神薬「リタリン」(一般名:塩酸メチルフェニデート)について、製造販売元のノバルティスファーマ社(東京都港区)は、適応症から難治性・遷延性うつ病を除外する方針を固めた。リタリンは1958年にうつ病治療薬として販売され、現在は「難治性うつ病」「遷延性うつ病」、日中突然眠くなる睡眠障害「ナルコレプシー」の効能が承認されている。

リタリンは保険適用外となるが医師の判断で保険外での処方は可能

 90年代頃、依存性が高い半面、興奮や覚せい効果をもたらすという評判から、薬物依存の患者がリタリンを求めて病医院を渡り歩くなどの問題が急増してきた。特に某書籍で紹介されるや、リタリンの名が広がった。

 ノバルティスファーマ社では、医師へ厳密な診断や処方を求める文書を配布するなど注意を促してきたが、ネットでの薬の売買、あるいはリタリンを簡単に処方してくれる病医院の情報交換など、若者を中心にリタリンの乱用は広がっている。

 こうした社会背景から、今回の適応の取り下げ申請の方針となった。これで一定の歯止めができる。

 ただ、うつ病の適応を外すことでリタリンは保険適用外となるが、医師の判断で保険外での処方は可能。また、安易な処方は減るかもしれないが、逆にリタリンが入手しにくくなることで、ネットでの売買が広がる危険性も高い。

 薬物乱用の問題はリタリンにとどまらない。行政と医療界、さらに教育が一体となった取り組みが重要なのは言うまでもない。

(ケアネット 孫秀煥)