疼痛性障害に対し、学際的な通所疼痛リハビリテーションプログラムが有効 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/05/01 米国・ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部シカゴリハビリテーション研究所のChristine M. Gagnon氏らは学際的疼痛リハビリテーションプログラムの効果について検討し、多くの患者で精神的苦痛と疼痛が減少するとともに、就労が可能となったことを示した。Pain Practice誌2013年4月号(オンライン版2012年8月3日)の掲載報告。 本研究の目的は、労災補償請求患者のための学際的な通所疼痛リハビリテーションプログラムの有効性を評価することであった。 対象は101例で、主に慢性腰痛を有していた(75%)。 1日8時間、4週間(月曜から金曜)にわたり、個人およびグループによる段階的なプログラムを進めた。プログラムには、疼痛心理学、理学療法、作業療法、弛緩訓練/バイオフィードバック、有酸素運動、プール療法、職業カウンセリング、患者教育および内科的治療が含まれた。 評価項目は、プログラム完了状況、就労状況、復職状況、ベックうつ病評価尺度(BDI)、状態・特性不安尺度(STAI)、疼痛破局的思考尺度(PCS)、マクギル疼痛質問票視覚的ア評価尺度(MPQ VAS)とした。 主な結果は以下のとおり。 ・プログラム完了者のほとんど(91%)が就労できる状態になり(80%はフルタイム、11%は徐々に)、約半数(49%)は復職した。 ・プログラム完了者において、うつ病(p=0.000)、疼痛破局的思考(p=0.033)および疼痛(p=0.000)は有意に減少したが、不安については有意差はなかった(p=0.098)。 ・プログラム未完了者(早期退所または中止した患者)では、統計学的有意差はないものの、疼痛スコア(MPQ VAS)がプログラム開始前(61.20)に比べ、最終観察時(70.33)のほうが高かった。 ・退所時または退所後早期の痛みの増加は、オペラント因子が原因である可能性が示唆された。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? 治療経過を解説 ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる (ケアネット) 原著論文はこちら Gagnon CM et al. Pain Pract. 2013 Apr;13(4):282-8. Epub 2012 Aug 3. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] HER2陽性胃がん2次治療、T-DXd vs.ラムシルマブ+PTX(DESTINY-Gastric04)/NEJM(2025/06/12) プラチナ抵抗性卵巣がん、relacorilant+nab-PTXでPFS・OS改善(ROSELLA)/Lancet(2025/06/12) 非小細胞肺がん、術後アテゾリズマブの5年成績(IMpower010)/JCO(2025/06/12) 日本人高齢者の脳Aβ沈着に対するDHAの保護効果(2025/06/12) 早期TN乳がんの術前療法、SG+ペムブロリズマブでpCRが32%(NeoSTAR)/ASCO2025(2025/06/12) H. pylori検査と除菌後胃がん、知っておくべき7つのQ&A(2025/06/12) 帯状疱疹ワクチンは心臓の健康も守る(2025/06/12) GLP-1RAで飲酒量が3分の1に減る(2025/06/12)