100歳以上を理由に、股関節骨折手術の対象から除外すべきではない

提供元:ケアネット

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公開日:2013/03/27

 

 大腿骨近位部は骨粗鬆症により骨折しやすい部位である。米国では100歳以上の超高齢者における股関節骨折が増加しているが、こうした症例の機能的予後と死亡率に関する報告は少ない。米国・トーマス ジェファーソン大学病院のT. David Tarity氏らは、レトロスペクティブな調査を行い、100歳以上で手術した高齢者の死亡率は容認できるものであり、年齢を理由に股関節骨折手術の対象から除外すべきではないとの考えを示した。Orthopedics誌2013年3月1日号の掲載報告。

 本研究の目的は、100歳以上の股関節骨折患者の死亡率を評価し、手術介入が安全で適切であるかどうかを検討することであった。

 2003年~2010年に股関節骨折の治療を受けた100歳以上の高齢者23例(女性22例、男性1例)について調査した。死亡日の確認は、患者のカルテや社会保障死亡指数を使用した。

 主な結果は以下のとおり。

・23例中21例は手術治療を、2例は保存的治療を受けていた。
・Charlson併存疾患指数平均値は2(範囲0~5)であった。
・股関節骨折時の平均年齢は101.9歳、死亡時の平均年齢は102.8歳であった。
・手術治療群において、累積入院日数が30日未満、30日~、90日~、6ヵ月~、12ヵ月~、2年~、3年~および6年~である患者の死亡率はそれぞれ15%、20%、30%、45%、60%、70%、90%、95%であった。
・保存的治療群は2例全例が90日以内に死亡した。
・手術治療群のうち1例は、術後6年が経過してもなお生存している。
・術後合併症は9例(43%)にみられた。

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(ケアネット)