腰椎椎間板切除術、日帰り手術により短期合併症が減少

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2013/02/27

 

 腰椎椎間板切除術は最も頻度の高い脊椎手術で、外来でも実施可能である。同外来手術は、低コストでより大きな患者満足度が得られ安全性に問題はないことがこれまで報告されていたが、今回、米国・アイオワ大学病院のAndrew J. Pugely氏らによる前向きコホート研究において、入院手術に比べ術後短期合併症が少ないことが確認された。腰椎椎間板切除術を行う場合、適切な症例には外来手術を考慮すべきであるとまとめている。Spine誌2月1日号の掲載報告。

 本研究の目的は、単一レベル腰椎椎間板切除術後30日以内の合併症発生率を入院手術および外来手術で比較するとともに、合併症の独立した危険因子を同定することであった。

 2005~2010年に、米国外科学会の外科手術質改善プログラム(NSQIP)データベースを用い医師診療行為用語(CPT)コードに基づいて初回単一レベル腰椎椎間板切除術を受ける患者4,310例を選出した。

 術後30日以内の合併症発生率ならびに術前患者特性について検討した。統計解析は、傾向スコアマッチング法および多変量ロジスティック回帰分析を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・4,310例中、2,658例(61.7%)が入院手術、1,652例(38.3%)が外来手術であった。
・合併症発生率は、未調整時ならびに傾向スコアマッチング後のいずれも入院手術群が外来手術群より高率であった(未調整時6.5% vs 3.5%、p<0.0001/マッチング後5.4% vs 3.5%、p=0.0068)。
・多変量ロジスティック回帰分析でも、入院手術で合併症発生率が有意に高率となることが示された(調整済みオッズ比:1.521、95%CI:1.048~2.206)。
・年齢、糖尿病、術前創傷感染、輸血、手術時間および入院手術が術後短期合併症の独立した危険因子であった。

~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!
「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる
「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケースレポート
「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケース解説

(ケアネット)