日本人2型糖尿病患者を対象に、メトホルミン+アログリプチン併用療法とメトホルミン単剤療法の有効性と安全性を比較した国内試験結果が発表された。関西電力病院の清野氏らによる研究で、Diabetes Obes Metab誌オンライン版に2012年5月14日掲載された。
対象は食事療法、運動療法に加えてメトホルミン(500 mg /日または750 mg /日)を追加しても血糖コントロールが不十分な日本人2型糖尿病患者288名。無作為二重盲検並行群間比較法により、メトホルミン投与に加え、アログリプチン(12.5 mg/日または25mg/日)またはプラセボを1日1回12週間投与した。
その後、276名は40週にわたりオープンラベルの延長試験を行った。
主要評価項目は治療12週後のベースラインからのHbA 1c値変化量と52週後の有害事象発現率。
この結果、メトホルミン単独でコントロールが不十分な2型糖尿病日本人患者に対し、アログリプチン(12.5 mg/日または25 mg/日)の追加投与が安全かつ有効であることが証明された。
主な結果は以下のとおり。
・12週後のHbA1c値のベースラインからの変化量について、アログリプチン追加投与群で有意な低下がみられた。(アログリプチン12.5 mg/日 追加投与群:-0.55%、アログリプチン25 mg/日 追加投与群:-0.64%、プラセボ群:0.22%、P <0.0001)。
・両群において低血糖の有意な増加はみられなかった。
・52週間の結果からもアログリプチン追加投与群における安全性や忍容性の懸念は認められなかった。
■「メトホルミン」関連記事
eGFRが30未満は禁忌-メトホルミンの適正使用に関する Recommendation
(ケアネット 佐藤 寿美)