内臓脂肪に及ぼす影響は、ARB間で差があるのか?-メタボリックシンドロームを合併した高血圧-

提供元:ケアネット

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公開日:2012/05/10

 

 メタボリックシンドロームと診断された本態性高血圧症患者における内臓脂肪組織の減少に関してARB間で差がある可能性がDiab Vasc Dis Res誌オンライン速報版に5月4日、掲載された。これは岡山大学の村上和敏氏らによる無作為化比較試験Abdominal fat Depot Intervention Program of Okayama (ADIPO)の結果によるもの。

テルミサルタンとバルサルタンの内臓脂肪面積に及ぼす影響を比較

 本試験ではメタボリックシンドロームと診断された本態性高血圧症患者(n=19)が、テルミサルタン40mg/日またはバルサルタン80mg/日が投与される治療群のいずれかに無作為に割り付けられ、それぞれのARBが24週間投与された。

 主な結果は下記のとおり。

1. CTで測定した内臓脂肪面積はテルミサルタン群で150.4±15.5cm2から127.7±16.7cm2に有意に縮小した(P=0.049)。

2. バルサルタン群では内臓脂肪面積が169.8±14.8cm2から155.3±14.8cm2に縮小したが、有意ではなかった(P=0.173)。

3. 体重、BMI、腹囲径、空腹時血糖値、HOMA-IRは両群とも、ベースラインから有意な変化を認めなかった。

(ケアネット 藤原 健次)