アボット、生体吸収性スキャフォールド(BVS)に関するABSORB試験について良好な成績を発表

提供元:ケアネット

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公開日:2010/03/29

 



米国アボット社は15日(米国現地時間)、ABSORB試験の第二相試験に登録された101名に関する経過観察30日時点の成績を報告した。日本法人が翻訳し、19日に発表した。

ABSORB試験は前向き、非無作為(オープンラベル)二相試験であり、オーストラリア、ベルギー、デンマーク、フランス、オランダ、ニュージーランド、ポーランド、スイスより131名の患者が登録された。この試験の主要エンドポイントは安全性を評価することで、MACE発生率、治療部における血栓症発生率をそれぞれ30日、6、9、12、18、24ヵ月経過観察時点で評価し、別途年1回のフォローアップが5年間実施された。また、ステント留置術など一過性の事例を含んだ生体吸収性スキャフォールドのパフォーマンスも評価されるとのこと。

その他の主要エンドポイントは、血管造影法による画像評価や血管内超音波法(IVUS)、光コヒーレンス トモグラフィー(OCT)やその他の最先端技術による侵襲・非侵襲的な画像診断方法などが含まれ、それぞれ6、12、18、24ヵ月経過観察時点で評価した。

欧州においてアボットの生体吸収性スキャフォールド(BVS)により治療を受けた患者は30日経過観察時点において、血栓症および血行再建術(虚血性疾患に伴う標的病変再血行建術)の発生は認められず、主要心血管イベント発生率も非常に低い(MACE 発生率は2.0%)という結果であった。この結果は、アボットが現在までにBVS技術評価のために実施したABSORB試験の第一相試験で30名の患者の3年経過観察時点の長期的な優れたデータに次ぐものとなるとのこと。なお、第二相試験から得られたデータは、米国ジョージア州アトランタにて開催された第59回米国心臓病学会(ACC)で発表されている。

詳細はプレスリリースへ
http://www.abbott.co.jp/press/2010/100319.asp