『トイレが近いのは寒いから?』 ~女性の過活動膀胱(OAB)に関する実態調査~

提供元:ケアネット

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公開日:2009/12/01

 



2009年11月27日、大手町ファーストスクエアにて開催されたOAB(過活動膀胱)プレスセミナー(主催:アステラス製薬株式会社)で、日本大学医学部泌尿器科学系主任教授の高橋悟氏は「過活動膀胱に悩む女性の実態」について講演を行った。

OABとは、『尿意切迫感を有し、通常は頻尿および夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある』とされ、推定患者数は、男女合わせておよそ810万人とも言われている。今回は、40歳以上の女性3,092名を対象に、排尿トラブルに関する認識、実態を把握するため、インターネットによる調査を実施した。
 
OABの疑いがあるにも関わらず、冬、トイレが近いのは「身体が冷えるので当然」とする人は78.1%であった。また、排尿トラブルがあったとしても、47.5%の人が「年齢による老化現象である」と回答しており、過活動膀胱に対しての認知度が低いことがわかった。

さらに、OABの疑いがあるほど、排尿トラブルを心配するため、長時間の移動や外出が非常に憂鬱であると考える人が多く、QOLが低下することがわかった。

OABの治療は行動療法と薬物療法が中心であり、薬物治療の基本は抗コリン薬である。適切な治療を受けることにより、患者さんのQOL向上が期待できる。

高橋氏は、講演後の記者の質問に対し、「OABに関する患者さんの認識は低く、老化によるものだから治療はできない、とあきらめている人が多い。40歳以上の女性の場合、10人に1人はOABの疑いがあるといわれています。女性のOAB患者さんは、悩みを打ち明けられず症状を我慢されている人もいらっしゃいます。潜在患者の多い疾患でもあるので、実地医家の先生方にもOAB治療にご協力をいただければ心強く思います」と語った。


(ケアネット 吉田 直子)