統合失調症は早期診断、早期治療を行うことで予後改善が期待できる。Benson氏らは統合失調症の高感度スクリーニング検査として眼球運動を測定することが有用であることを報告した。Biol Psychiatry 2012年5月22日オンライン版に掲載の報告。
統合失調症患者88例とコントロール群88例の眼球運動の範囲を記録し、9ヵ月の再試験症例とコントロール群の34例、および新規統合失調症患者36例とコントロール群52例から得られた眼球運動データにより試験の予測的妥当性を評価した。眼球運動は円滑追跡などを測定し、単変量分析と多変量分析にて解析を行った。
主な結果は以下のとおり。
・統合失調症患者ではほとんどすべての眼球運動試験でコントロール群と異なった。中でも、free viewingの固定分散は最も独立した因子であった。
・性別、薬物、喫煙の有無とは独立していた。
・統合失調症患者とコントロール群は完全に識別された。再試験症例とコントロール群における予測的妥当性は87.8%であった。
・全298データにおける識別率は98.3%とほぼ完全に近い精度で識別可能であった。
(ケアネット 鷹野 敦夫)