日本語でわかる最新の海外医学論文|page:995

テリパラチド+デノスマブ、骨折リスクの高い患者に有用である可能性/Lancet

 骨粗鬆症治療薬のテリパラチド(商品名:テリボン、フォルテオ)とデノスマブ(同:プラリア)について、併用して用いると、それぞれを単独かつ承認最大用量で用いた場合よりも骨密度が有意に増大することが示された。米国・マサチューセッツ総合病院のJoy N Tsai氏らによる、閉経後骨粗鬆症患者を対象としたオープンラベル無作為化試験の結果で、「併用療法は骨折リスクの高い患者に対する治療として有用である可能性がある」と報告した。ここ数十年で骨粗鬆症の治療薬は選択肢が拡大したが、骨粗鬆症が進行した患者の骨を完全に正常に回復することは困難で、また重症患者の治療オプションはなお課題とされている。これまでの併用療法による治療改善の検討は、大半が不成功に終わっていた。テリパラチドについてもビスホスホネートとの併用による治療の改善は示されなかった。Lancet誌オンライン版2013年5月15日号掲載の報告より。

精神疾患患者は、何を知りたがっているのか

 最近の精神疾患患者は、自身の疾患に関して情報過多の状況にある。しかしながら、精神疾患患者が知りたいと思う内容に関する系統的研究はほとんど行われていなかった。英国・ロンドン大学のClaudia Hallett氏らは、統合失調症および気分障害患者が自身の疾患に関して知りたいと思っている内容、情報収集の手段に関するインタビュー調査を行った。その結果、知りたい内容の第1位は「疾患の原因」であり、精神科医と1対1の対話の中で情報を得たいと思っている実態を明らかにした。Psychiatric Services誌オンライン版2013年5月15日号の掲載報告。

ピロリ除菌療法とABC検診への見解に対し、日本胃がん予知・診断・治療研究機構がコメント

 NPO法人日本胃がん予知・診断・治療研究機構は18日、日本消化器がん検診学会が平成25年4月に出した「ヘリコバクターピロリ除菌療法に関する理事会声明」の中で示したヘリコバクターピロリ除菌療法、ABC検診への見解について、同機構の理事会が考えを発表した。

日本語版・産後うつ病予測尺度「PDPI-R-J」を開発

 産後うつ病(PPD)は世界中でみられ、日本においては出産後1ヵ月間で約20%の母親が経験している。そこで、一次予防のために、妊娠中および出産後早期にリスクを特定するスクリーニング法が必要とされていた。東京大学の池田 真理氏らは、日本語版・産後うつ病予測尺度「Japanese version of the Postpartum Depression Predictors Inventory-Revised(PDPI-R-J)」を開発し、その予測妥当性を検証した。BMC Pregnancy and Childbirth誌オンライン版2013年5月14日号の掲載報告。

n-3脂肪酸、複数の心血管疾患リスクを有する患者において有益な効果なし/NEJM

 複数の心血管疾患リスクを有するプライマリ・ケア患者について、魚由来のn-3系多価不飽和脂肪酸の連日服用は、心血管死および罹患の低下に結びつかないことが、Maria Carla Roncaglioni氏ら860人の医師が参加したイタリア全国開業医ネットワークのリスク・予防研究共同研究グループによる二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果、報告された。先行研究においてn-3脂肪酸は、アテローム性動脈硬化 、炎症に対する有益な効果により、心血管疾患リスクを低減する可能性が示唆され、心筋梗塞や心不全既往患者において有益であると明文化されていた。NEJM誌2013年5月9日号掲載の報告より。

H.pylori有病率と関連する遺伝的要因が明らかに/JAMA

 白人集団におけるゲノムワイド関連研究(GWAS)の結果、遺伝子座Toll様受容体(TLR)1と、ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)の血清疫学的有病率との関連が明らかになった。ドイツ・グライフスヴァルト大学のJulia Mayerle氏らが、2つの独立した集団コホートからなる計1万例について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2013年5月8日号で発表した。発展途上国では、H.pyloriの有病率が90%と高率だが、高頻度の曝露にもかかわらず残り10%の人には同感染が認められないことが明らかとなっていた。そのため、H.pyloriに対する感受性には遺伝的要因が関連しているとの仮説があり、研究グループは、GWASによってその特定を試みた。

ヘパリン橋渡し療法・・・それは正しい経験則だったのか?(コメンテーター:山下 武志 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(101)より-

 経口抗凝固療法を服用している脳卒中ハイリスク患者では、侵襲的治療に伴う出血と抗凝固療法中断に伴う脳梗塞のリスクを考えることがいつも難しい。抜歯や白内障の手術では抗凝固療法継続のまま行うことが常識となっているが、それ以外の侵襲的治療ではワルファリンの中断とヘパリンによる橋渡し治療が行うことが多いだろう。

統合失調症に「サッカー療法」その効果は?

 身体活動は誰にとっても健康のために重要であるが、とりわけ生活習慣が不健全となりがちな精神疾患を有する患者にとって重要である。イタリア・パレルモ大学のGiuseppe Battaglia氏らは、重度の精神疾患患者の健康面を改善する手段として近年注目されるサッカーによる介入療法に関して検討を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2013年5月号(オンライン版2013年5月3日号)の掲載報告。

神経障害性疼痛は過少治療もしくは未治療である可能性が高い

 神経障害性疼痛の有病率は、痛みの特徴から神経障害性疼痛の可能性を判断するスクリーニングツールを用いた研究によって推定されているが、激しいあるいは長期にわたる神経障害性疼痛を経験している患者の割合や標準治療に抵抗性の難治性疼痛患者の割合は知られていない。

ICDのVT検出インターバル、長期vs.標準設定/JAMA

 植込み型除細動器(ICD)について、心室不整脈(VT)検出インターバルを30~40に設定すると、標準設定の18~24と比べ、ATPやショック発生リスク、不適切なショック発生リスクのいずれもが、有意に減少することが明らかになった。一方で、死亡率については両者で有意差はなかった。イタリア・Humanitas Clinical and Research CenterのMaurizio Gasparini氏らによる無作為化単盲検試験「ADVANCE III」の結果で、著者は、「標準設定よりも長期インターバルの設定とする戦略は、適正な選択肢となりうる可能性がある」と結論している。JAMA誌2013年5月8日号掲載の報告より。

造血器腫瘍患者への予防的血小板輸血戦略は出血の減少に結びつく/NEJM

 造血器腫瘍患者に対して、出血予防を目的とした血小板輸血戦略は、予防的血小板輸血を行わない場合と比較して出血の減少に結びつき、有用であることが、英国・オックスフォード大学のSimon J. Stanworth氏らによる無作為化試験の結果、明らかにされた。これまで、造血器腫瘍患者における予防的血小板輸血のベネフィットは明らかになっていなかった。一方で、最近の予防的血小板輸血に関する試験では、以前のように輸血量ではなく、臨床アウトカムとしての出血に重点を置くようになっており、研究グループは、造血器腫瘍患者のための時代に即した治療戦略を検討するため、予防的輸血を行わないとする指針が、行うとする指針に対して出血の頻度に関して非劣性であるのか試験を行った。NEJM誌2013年5月9日号掲載の報告より。

チオトロピウム投与がコントロール不十分な喘息患者の重度喘息増悪までの期間を延長

 吸入ステロイド薬(ICS)と長時間作用性β刺激薬(LABA)による併用療法にもかかわらず、コントロール不十分な喘息患者において、チオトロピウム投与(レスピマットソフトミスト吸入器使用)は、初回の重度喘息増悪および喘息悪化までの期間を延長させることが、米国フィラデルフィアで開催されている2013年5月21日ATS(米国胸部疾患学会年次総会)で発表された。

高齢の遅発統合失調症患者に対する漢方薬の効果は?

 統合失調症の発症年齢には個人差があるが、遅発性および超遅発性の統合失調症に関する研究は不十分であり、治療のさまざまな問題点は未解決のままである。島根大学の宮岡 剛氏らは、認知機能障害のない超遅発性統合失調症様精神障害の高齢患者に対する抑肝散(TJ-54)単独療法の有効性と安全性を評価した。Phytomedicine : international journal of phytotherapy and phytopharmacology誌2013年5月15日号の報告。

ICD手術時、ワルファリン継続でも安全であることを確認/NEJM

 経口抗凝固療法を受けている患者へのペースメーカーや植込み型除細動器(ICD)の手術時に、ヘパリンに変更する橋渡し療法(bridging therapy)と比較して、ワルファリン療法を継続する戦略は、臨床的に有意なデバイスポケット血腫(device-pocket hematoma)の発生を顕著に減少することが、カナダ・オタワ大学心臓研究所のDavid H. Birnie氏らによる多施設共同単盲検無作為化試験の結果、報告された。ペースメーカーやICDの手術を要する患者では、14~35%と多くの患者が長期の経口抗凝固療法を受けている。現行ガイドラインでは、これら患者について、血栓塞栓症イベントのため高リスク患者についてはヘパリンに変更する橋渡し療法が推奨されているが、デバイスポケット血腫のリスクがかなりあること(17~31%)が問題視されていた。NEJM誌オンライン版2013年5月9日号掲載の報告より。

プライマリ・ケアでの肺炎診断、症状と徴候による診断がベスト/BMJ

 プライマリ・ケアにおいて、急性の咳症状から肺炎を予測するには、軽度あるいは重度の患者では症状と徴候に基づくクリニカルルールが最も適していることが、オランダ・ユトレヒト大学医療センターのSaskia F van Vugt氏らによる検討の結果、示された。また、CRP>30mg/Lの至適カットオフ値の情報は診断情報を改善するが、プロカルシトニン(PCT)値は診断には役立たないことも示された。BMJ誌オンライン版2013年4月30日号掲載の報告。肺炎の診断については症状と徴候の精度を検討した試験はあるが、プライマリ・ケアでの適用のエビデンスは乏しかった。一方で、CRPやPCTの検査値を加味した場合の診断精度は不明であった。

シタグリプチンの安全性評価-入院および死亡のリスクを検討(コメンテーター:吉岡 成人 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(100)より-

 2型糖尿病は、膵β細胞からのインスリン分泌の低下と、末梢組織におけるインスリン抵抗性の増大の双方の病態によってもたらされる疾患である。日本人の2型糖尿病にあっては、食事や運動などの生活習慣の改善によってインスリン抵抗性は改善するものの、インスリン分泌は改善しないことが知られている。そのため、糖尿病の薬物治療においては、病態の進展とともにタイミングよくインスリン分泌促進系の薬剤を併用する必要があることが少なくない。

人工股関節全置換術後の脚長差を防ぐ新しい方法

 人工股関節全置換術において、脚長差などの合併症は機能障害と患者の不満の重大な原因となる。術中の下肢長測定にはいくつかの方法があるが、多くは侵襲的であり、そうでないものはあまり正確ではない。米国・ミシガン大学のJoseph D. Maratt氏らは、非侵襲的で術中に迅速かつ正確に下肢長を測定し術後の脚長差を防ぐことができる、新しいツールを開発した。