脳内出血の原因診断、DSA実施で精度アップ/BMJ 最終更新:2015/12/04 ジャーナル四天王 非外傷性脳内出血の診断率および精度について、早期CT血管造影は大血管出血原因を検出する最初の診断法として適してはいるが、診断精度は低く、追加でMRI/MRAを行うことで海綿状血管腫の発見や代替診断法を明らかにすることが可能であり、その場合にデジタルサブトラクション血管造影(DSA)の診断が必要になるとの見解を、オランダ・ユトレヒト大学医療センターのCharlotte J J van Asch氏らが多施設前向きコホート研究の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2015年11月9日号掲載の報告。
SPRINT試験:絶対リスクにより降圧目標を変えるべきか?(解説:有馬 久富 氏)-456 最終更新:2015/12/04 CLEAR!ジャーナル四天王 SPRINT試験の結果が、国内外に衝撃を与えている。SPRINT試験は、高リスク高血圧患者を対象とした無作為化比較試験である。心血管病既往、慢性腎臓病、フラミンガムリスクスコアの高リスク、あるいは75歳以上のいずれかを認める高血圧(収縮期血圧130~180mmHg)患者9,361例が、収縮期血圧120mmHg未満を目標とする積極的降圧療法群と、140mmHg未満を目標とする通常治療群に無作為に割り付けられた。
非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か 最終更新:2015/12/04 医療一般 先行研究で、小胞体の4つのタンパク質複合体(ステロール調節配列結合タンパク[SREBP]、SREBP-cleavage-activating protein[SCAP]、インスリン誘導遺伝子[INSIG]、プロゲステロン受容体膜成分-1[PGRMC1])が、非定型抗精神病薬による脂質異常の重要な調節因子であることが示唆されている。今回、中国・中南大学湘雅二医院のHua-Lin Cai氏らは、ラットの肝臓を用い、定型および非定型抗精神病薬ならびにグルココルチコイド受容体拮抗薬mifepristoneの、PGRMC1/INSIG/SCAP/SREBP経路に対する作用および脂質への影響を調べた。その結果、非定型抗精神病薬による脂質異常は、体重増加が出現する前の初期段階で生じる可能性があることが示唆されたという。結果を踏まえ、著者らは「非定型抗精神病薬による脂質異常は、PGRMC1経路を増強するmifepristoneの追加投与により改善できる可能性があることを示すもので、PGRMC1/INSIG-2シグナル伝達が非定型抗精神病薬による体重増加治療のターゲットになりうる」と報告している。Translational Psychiatry誌2015年10月20日号の掲載報告。
扁平上皮NSCLCの1次治療に新たなプラチナ・ダブレット 最終更新:2015/12/04 医療一般 扁平上皮がんは肺がんの20~30%にみられる。しかし、進化著しい非扁平上皮がんの治療に比べて、扁平上皮がん治療の進歩は遅れている。こうした中、2015年11月26日から開催された第56回日本肺癌学会プレナリーセッションにおいて、名古屋医療センターの坂 英雄氏が、扁平上皮NSCLC1次治療の新たな選択肢としてネダプラチン併用レジメンの有用性を検討したWJOG5208L試験の結果を報告した。
日本糖尿病学会:「女性糖尿病専門医実態調査アンケート」の結果を公開 最終更新:2015/12/04 医療一般 日本糖尿病学会「第二次 女性糖尿病医をpromoteする委員会」は、「女性糖尿病専門医実態調査アンケート」の結果を学会ホームページ内「女性糖尿病医サポートの取り組み」で公開した。
医師・患者双方への成功報酬で、LDL値が有意に改善/JAMA 最終更新:2015/12/03 ジャーナル四天王 プライマリケア診療でのLDLコレステロール(LDL-C)値コントロールに関して、目標値を達成した場合にプライマリケア医と患者の双方に対して金銭的成功報酬を与えると効果があることが示された。米国・ペンシルベニア大学のDavid A. Asch氏らが、医師340人と患者1,503人を対象に行った4群クラスター無作為化試験の結果で、医師のみ、または患者のみへの成功報酬では、成功報酬がない場合と比べて有意な差は示されなかったという。JAMA誌2015年11月10日号掲載の報告より。
LVEF低下の慢性心不全への新規sGC刺激薬の可能性/JAMA 最終更新:2015/12/03 ジャーナル四天王 左室駆出率(LVEF)45%未満で慢性心不全の悪化が認められる患者に対し、新規開発中の可溶型グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬vericiguatの投与は、プラセボに比べ、NT-proBNP値を有意に低下しなかった。忍容性は認められ、またvericiguatの用量増加に伴うNT-proBNP値は有意に低下した。米国・ノースウェスタン大学のMihai Gheorghiade氏らが、456例を対象に行った第II相無作為化臨床試験の結果、明らかにした。JAMA誌オンライン版2015年11月8日号掲載の報告。
MDI Liraglutide 試験:強化インスリン療法にGLP-1受容体作動薬を追加する意義(解説:小川 大輔 氏)-455 最終更新:2015/12/03 CLEAR!ジャーナル四天王 2型糖尿病は、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性増大により、インスリン作用不足を来し高血糖が持続する疾患である。薬物療法は通常、経口血糖降下薬で開始し併用することが多いが、進行するとGLP-1受容体作動薬や持効型インスリンを併用したり、強化インスリン療法に変更したりする。2型糖尿病の症例に強化インスリン療法を長期間続け、インスリン投与量を徐々に増やしていくと、しばしば体重の増加と低血糖症の出現が問題となる。
アルツハイマー病へのBZD、使用頻度の追跡調査 最終更新:2015/12/03 医療一般 ベンゾジアゼピンおよび関連する薬剤(BZDR)は、アルツハイマー病(AD)の特定の症状を治療するために用いられることがある。しかし、高齢者ではBZDR使用に関連するリスクが高くなる。ADに対するBZDR使用についての報告はしばしばあるが、先行研究は、ADに対するBZDR使用の頻度に焦点を当てたものではなかった。東フィンランド大学のLaura Saarelainen氏らは、ADの有無別にBZDRの使用頻度について、5年間の追跡調査を行った。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2015年10月17日号の報告。
海外旅行で肺炎、請求は数千万円! 最終更新:2015/12/03 医療一般 MSD株式会社は、「シニアの海外旅行と肺炎~日頃の肺炎予防の重要性」をテーマに、11月19日、都内でプレスセミナーを開催した。シニア世代の海外旅行が増える中で、現地で肺炎を発症し、医療機関にかかるケースを紹介。どのようなリスクと対策があるのかを保険と医療のエキスパートが語った。
新薬情報:新発売(スピオルトレスピマット28吸入) 最終更新:2015/12/03 新薬情報 2015年12月3日発売 スピオルトレスピマット28吸入(日本ベーリンガーインゲルハイム) チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩製剤
新薬情報:新発売(ミティキュアダニ舌下錠3,300JAU・10,000JAU) 最終更新:2015/12/03 新薬情報 2015年12月3日発売 ミティキュアダニ舌下錠3,300JAU・10,000JAU(鳥居薬品) ダニアレルゲンエキス
長い冠動脈病変へのDES、血管内超音波ガイド下で予後改善/JAMA 最終更新:2015/12/02 ジャーナル四天王 病変長が長い冠動脈病変に対する薬剤溶出ステント(DES)留置術では、血管内超音波(IVUS)ガイド下留置が冠動脈造影ガイド下留置よりも、予後は良好であることが、韓国・仁済大学上渓白病院のSung-Jin Hong氏らが行ったIVUS-XPL試験で示された。DESによる経皮的冠動脈インターベンション(PCI)では、びまん性の病変長の長い冠動脈病変は短い病変に比べ、ステント内再狭窄やステント血栓症の発症率が高い。IVUSは、複雑な冠動脈病変へのPCI施行前後の有益な情報の収集に有用であるが、合併症の可能性があり、DESでの使用のデータは少ないという。JAMA誌2015年11月24日号掲載の報告。
高齢者に対する1次予防のICDは予後を改善するか。観察研究のバイアスとの戦い(解説:矢崎 義直 氏)-454 最終更新:2015/12/02 CLEAR!ジャーナル四天王 本試験は、心不全を呈する65歳以上の高齢者を対象とし、ICD植込みによる1次予防の予後改善効果を検討した観察研究である。これまでの多くのICDに関する大規模臨床試験の対象は55歳前後であるが、実臨床では高齢者がICDの適応となることがより多い。また、通常のICDの1次予防に関する試験は、病態が安定した外来通院中に植込みの適応を決めているが、本試験では心不全増悪や非心臓疾患による入院中の症例がターゲットとなっており、よりリアルワールドを反映した観察研究といえる。
うつ病へのECT、ケタミン併用の検討が進行 最終更新:2015/12/02 医療一般 英国・ニューカッスル大学のLiam Trevithick氏らは、うつ病に対する電気ショック療法(ECT)時にケタミンを併用することで、ECT後に認められる認知機能への影響を軽減しうるか否かを明らかにする多施設無作為化プラセボ対照二重盲検試験「ケタミン-ECT試験」を計画している。今回、その試験概要を報告した。試験について著者らは、「本研究は、補助的ケタミンをNHS臨床診療におけるうつ病に実施するECTにルーチンで適用すべきかどうかに関する、重要なエビデンスを提供するものになると思われる」と述べている。BMC Psychiatry誌2015年10月21日号の掲載報告。
線維柱帯切除は緑内障に対し有用 最終更新:2015/12/02 医療一般 日本緑内障学会により濾過胞感染に関する前向き多施設研究が行われている。広島大学の杉本 洋輔氏らは、その1つである「濾過胞感染発生率と治療に関する多施設共同研究(CBIITS)」において、線維柱帯切除術の有効性および安全性について解析。マイトマイシンC併用線維柱帯切除術後5年にわたり眼圧低下が得られ、線維柱帯切除術は有用な治療法であることを示した。手術成功率は、過去の緑内障手術回数、術前硝子体状態および術前眼圧などにより影響されることもわかった。Ophthalmology誌2015年11月号(オンライン版2015年9月26日号)の掲載報告。
米国の非急性PCIの不適切施行、5年で大幅減/JAMA 最終更新:2015/12/01 ジャーナル四天王 米国における2009~14年の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の施行動向を調べた結果、非急性PCIの不適切施行は26.2%から13.3%に有意に減少していたことが、イェール大学医学部のNihar R. Desai氏らによる調査の結果、明らかにされた。一方で、非急性PCIの不適切施行率の病院間のばらつきは、2014年時点でも5.9%~22.9%にわたっており解消されていなかった。本検討は、2009年にリリースされたAppropriate Use Criteria for Coronary Revascularizationを踏まえて、PCI施行の動向を初めて調査した結果だという。JAMA誌2015年11月17日号掲載の報告。
統合失調症患者の不安症状はしばしば軽視されている 最終更新:2015/12/01 医療一般 統合失調症患者において不安症状の有症率は65%にも上り、併存するさまざまな不安障害(強迫性障害や心的外傷後ストレス障害を含む)の診断は転換期を迎えている。南アフリカ・ケープタウン大学のHenk Temmingh氏らは、統合失調症患者における不安症の臨床所見、診断、神経生物学および薬物治療についてレビューした。著者らは、「統合失調症患者の不安症状や不安障害の診断および治療はしばしば軽視されている」と警鐘を鳴らしている。CNS Drugs誌オンライン版2015年10月19日号の掲載報告。