メニエール病へのベタヒスチン、めまい発作予防効果は認められず/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2016/02/10

 

 メニエール病の患者に対しベタヒスチンを投与しても、プラセボと比べて、メニエール病発作の予防効果は認められなかった。一方で、プラセボ群を含めすべての投与群で、治療開始7~9ヵ月の発作回数は約4分の3に減少した。ドイツ・ミュンヘン大学病院のChristine Adrion氏らが、221例を対象に行った第III相のプラセボ対照無作為化二重盲検試験(BEMED試験)の結果、明らかにした。JAMA誌2016年1月21日号掲載の報告。

ベタヒスチン9ヵ月投与し、7~9ヵ月の発作回数を比較
 Adrion氏らは2008年3月~12年11月にかけて、21~80歳の片側性・両側性メニエール病の患者221例を対象に、無作為化試験を行った。

 被験者を無作為に3群に分け、低用量ベタヒスチン(1日2回、1回24mg、73例)、高用量ベタヒスチン(1日3回、1回48mg、74例)、およびプラセボを、それぞれ9ヵ月間投与した。

 主要評価項目は、30日間ごとの発作回数で、治療開始後7~9ヵ月間の患者の日誌に基づき評価した。副次評価項目は、発作の持続時間や重症度、QOLスコアの変化などだった。

ベタヒスチン群の発作回数はプラセボ群と同等
 結果、メニエール病発作の回数は、3群で同等だった(p=0.759)。被験者全体の月間発作回数減少率は、0.758(95%信頼区間:0.705~0.816、p<0.001)だった。発作率比は、プラセボ群に比べ低用量群は1.036(同:0.942~1.140)、高用量群は1.012(同:0.919~1.114)だった。

 評価期間中の全集団平均月間発作回数は、プラセボ群が2.722回(同:1.304~6.309)、低用量群が3.204(同:1.345~7.929)回、高用量群が3.258回(同:1.685~7.266)だった。

 副次評価項目についても、3群間で有意な差は認められなかった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)