アテゾリズマブ、既治療の尿路上皮がんでOS延長せず/Lancet 最終更新:2018/01/09 ジャーナル四天王 PD-L1高発現のプラチナ製剤抵抗性の局所進行/転移性尿路上皮がん患者において、化学療法と比較し、PD-L1阻害薬アテゾリズマブによる全生存期間(OS)の有意な延長は認められなかった。英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のThomas Powles氏らが、多施設共同無作為化非盲検第III相試験「IMvigor211試験」の結果を報告した。プラチナ製剤併用化学療法後に増悪した、局所進行/転移性尿路上皮がんに対する治療の選択肢はほとんどないが、近年、免疫チェックポイント阻害薬の登場により転移性尿路上皮がんの治療は変化してきていた。Lancet誌オンライン版2017年12月18日号掲載の報告。
ジェネリックとブランド、中枢神経系用薬における自殺や自殺念慮の比較 最終更新:2018/01/09 医療一般 これまで、中枢神経系(CNS)に作用するそれぞれの異なるタイプの薬剤は、自殺や自殺念慮のリスク増加と関連しているといわれていた。しかし、CNS用薬のブランド医薬品とジェネリック医薬品との間に、自殺リスクの差異があるかは報告されていない。米国・オーバーン大学のNing Cheng氏らは複数のデータソースを用いて、CNS用薬のブランド医薬品とジェネリック医薬品における自殺の有害事象を比較した。Drug safety誌オンライン版2017年12月2日号の報告。
letermovirは造血幹細胞移植での有力なサイトメガロウイルス感染症発症予防薬となるか(解説:吉田 敦 氏)-792 最終更新:2018/01/08 CLEAR!ジャーナル四天王 造血幹細胞移植患者において、サイトメガロウイルス(CMV)は高率に活性化し、肺炎やGVHDを引き起こす。このためガンシクロビルやバルガンシクロビルが予防薬として用いられてきたが、効果が限定的であるうえ、骨髄抑制・回復抑制が問題であった。しかしながらこの2剤に頼らざるをえない状況は10年以上変わっていない。
統合失調症の再発リスク評価のための新規自己報告スクリーニングツール 最終更新:2018/01/08 医療一般 統合失調症患者の再発評価(RASP:Relapse Assessment for Schizophrenia Patient)は、患者の安定性を評価し、切迫した再発を予測するために、不安と社会的隔離の指標を測定する6つの自己報告スクリーナーとして開発された。米国・UT HealthのDawn Velligan氏らは、RASPの開発と心理測定の特徴について報告した。Clinical schizophrenia & related psychoses誌オンライン版2017年11月22日号の報告。
抗血小板薬3剤併用、脳梗塞急性期への有効性は/Lancet 最終更新:2018/01/05 ジャーナル四天王 虚血性脳卒中(脳梗塞)や一過性脳虚血発作(TIA)の急性期患者における抗血小板薬3剤併用療法は、再発とその重症度を減少させることはなく、大出血リスクは有意に増大することを、英国・ノッティンガム大学のPhilip M Bath氏らが、無作為化非盲検第III相優越性試験「TARDIS試験」の結果、報告した。これまでの検討で、脳梗塞急性期の2次予防として抗血小板薬2剤併用療法は単剤療法より優れていることが示唆されている。3剤併用療法はそれらガイドラインで推奨されている抗血小板療法より有効である可能性があったが、結果を踏まえて著者は、「抗血小板薬3剤併用療法は、日常診療で使用されるべきではない」とまとめている。Lancetオンライン版2017年12月20日号掲載の報告。
PTSD心臓外科医のこだわりと肩すかし(解説:今中和人氏)-791 最終更新:2018/01/05 CLEAR!ジャーナル四天王 医療に必要不可欠な輸血療法の歴史は、肝炎やGVHDに代表される輸血後合併症との戦いの歴史でもある。多くの先人・関係者の研究とご尽力により、昨今、上記合併症は激減し、日本赤十字社の公式発表によれば、たとえば肝炎は2012年B型6例・C型ゼロ、2013年B型7例・C型1例、2014年B型2例・C型ゼロである。何よりも私たちは、このことに感謝しなければならない(もちろん、表面化していない症例はあるであろうが)。ただ、まれながら経験あるいは見聞した劇症肝炎やGVHDのすさまじさで、医療者、とくに輸血を頻用してきた心臓外科医はPTSDになっている。上記2つ以外の合併症も、遅発性溶血は1/2,500、急性肺障害1/5,000~10,000、アナフィラキシー8/100,000(いずれも対1単位)と学んでもなお恐れ、無輸血にこだわっている。
急性期統合失調症に対するパリペリドンの6週間オープン試験 最終更新:2018/01/05 医療一般 スペイン・バルセロナ大学のEduard Parellada氏らは、月1回パリペリドンパルミチン酸エステルで治療を行った急性期統合失調症入院患者の再発について、臨床経過を評価した。International journal of psychiatry in clinical practice誌オンライン版2017年11月21日号の報告。
1型糖尿病発症予防は見果てぬ夢か?(解説:住谷哲氏)-790 最終更新:2018/01/04 CLEAR!ジャーナル四天王 1922年に初めてインスリンが臨床応用されるまで、1型糖尿病は不治の病であった。その後、1型糖尿病のnatural historyが明らかとなり、現在では1型糖尿病発症に至る3つのstageが提唱されている1)。1型糖尿病発症の高リスクグループの同定が可能となったことで、1型糖尿病発症予防の試験がこれまでにいくつか実施されてきた。大規模試験としては、インスリン投与による1型糖尿病発症予防を検討したDiabetes Prevention Trial-Type 1 Diabetes(DPT-1)2,3)と、ニコチンアミドの有効性を検討したEuropean Nicotinamide Diabetes Intervention Trial(ENDIT)4)があるが、残念ながら両試験において結果はnegativeであった。
ADHDの小児および青年における意図しない怪我のリスクとADHD薬の影響 最終更新:2018/01/04 医療一般 小児、青年におけるADHDと意図しない身体的な怪我のリスクとの関連を定量化するリスク分析およびこのリスクに対するADHD薬の効果を評価するため薬剤分析について、スペイン・Servicio Navarro de Salud-OsasunbideaのMaite Ruiz-Goikoetxea氏らは、メタ解析を用いたシステマティックレビューを行った。Neuroscience and biobehavioral reviews誌オンライン版2017年11月21日号の報告。
餅による窒息での院外心停止、三が日に集中 最終更新:2018/01/04 医療一般 餅は日本における食品窒息事故の主な原因であるが、餅が原因の窒息による院外心停止(OHCA)の疫学はよくわかっていない。今回、大阪府心肺蘇生効果検証委員会のウツタイン大阪プロジェクトにおける集団ベースの観察研究で、窒息によるOHCAの約10%が餅による窒息が原因であり、その25%が正月三が日に発生していたことが報告された。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年10月28日号に掲載。
小児の急性上気道感染症への抗菌薬、広域 vs.狭域/JAMA 最終更新:2017/12/28 ジャーナル四天王 小児の急性気道感染症において、広域抗菌薬(アモキシシリン-クラブラン酸、セファロスポリン系、マクロライド系薬)の投与と狭域抗菌薬(アモキシシリン、ペニシリン)の投与は、臨床的アウトカムや大部分の患者中心アウトカムについて同等であることが示された。一方で有害事象の発生頻度は、広域抗菌薬群が狭域抗菌薬群よりも高率だった。米国・フィラデルフィア小児病院のJeffrey S. Gerber氏らが、3万例超の小児を対象にした後ろ向きコホート試験と、約2,500例の小児を対象とした前向きコホート試験を行って明らかにしたもので、著者は「今回の結果は、大部分の小児の急性気道感染症に対しては、狭域抗菌薬を使用することを支持するものだ」とまとめている。JAMA誌2017年12月19日号掲載の報告。
重炭酸Naとアセチルシステインに造影剤腎症の予防効果なし/NEJM 最終更新:2017/12/28 ジャーナル四天王 血管造影を受ける腎合併症発症リスクが高い患者において、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)や塩化ナトリウムの静脈投与単独、または経口アセチルシステインの投与は、いずれも死亡や透析、血管造影に関連した急性腎障害の予防に寄与しないことが示された。米国・ピッツバーグ大学のSteven D.Weisbord氏らが、5,177例を対象に行った2×2要因デザインの無作為化試験「PRESERVE」の結果で、NEJM誌オンライン版2017年11月12日号で発表された。現状では、これらを投与する効果に関してエビデンスが乏しいまま、血管造影後の急性腎障害や有害アウトカム予防を目的とした、炭酸水素ナトリウム静注や経口アセチルシステイン投与が広く行われているという。
fremanezumabとerenumabは片頭痛の予防治療に有効(中川原譲二氏)-789 最終更新:2017/12/28 CLEAR!ジャーナル四天王 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(calcitonin gene-related peptide:CGRP)受容体を阻害するヒトモノクローナル抗体であるfremanezumabとerenumabは、ともに片頭痛の予防治療薬として研究されているが、両薬剤の第III相試験でその有効性が相次いで報告された。
日本人と胃がん―ピロリ菌と気を付けるべき3つの習慣 最終更新:2017/12/28 医療一般 世界的に見れば、罹患率・死亡率共に減少傾向にあるとはいえ、依然、最も診断されているがんであり、死因としては第3位の胃がん。今月、都内で開かれたプレスセミナー(ブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社主催)では、津金 昌一郎氏(国立がん研究センター 社会と健康研究センター長)が、ピロリ菌をはじめとする胃がんのリスク因子と予防について講演した。
ディープラーニング活用の完全自動OCT、精度は専門家並み 最終更新:2017/12/28 医療一般 オーストリア・ウィーン医科大学のThomas Schlegl氏らは、従来の光干渉断層法(OCT)による網膜画像で黄斑液を検出し定量化する自動測定法を開発した。検証の結果、OCTデバイスを問わず、最も一般的な滲出性黄斑疾患における網膜内嚢胞液(IRC)および網膜下液(SRF)の識別・検出の精度は優れており、定量化についても専門家による手動評価とほぼ一致することが認められたという。著者は、「網膜OCT画像の完全自動分析は、眼科学の研究・臨床における網膜診断の正確性および信頼性の改善に有用と考えられる」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2017年12月8日号掲載の報告。
婚姻と認知症リスクに関するシステマティックレビュー 最終更新:2017/12/28 医療一般 既婚であることは、健康的な生活習慣と関連し、死亡率を低下させる。そして、ライフコースの因子によって認知症のリスクを低下させる可能性がある。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAndrew Sommerlad氏らは、婚姻状況と認知症の発症リスクとの関連性について、システマティックレビューとメタ解析を行った。Journal of neurology, neurosurgery, and psychiatry誌オンライン版2017年11月28日号の報告。
糖尿病性網膜症に新たなスクリーニング法/JAMA 最終更新:2017/12/27 ジャーナル四天王 シンガポール・国立眼科センターのDaniel Shu Wei Ting氏らは、ディープラーニングシステム(DLS)を活用した、糖尿病性網膜症および関連する眼疾患を検出するスクリーニング法を開発し検証試験を行った。検証試験は、多民族から成る糖尿病患者集団の網膜像評価で行われ、DLSは糖尿病性網膜症および関連する眼疾患の検出について、高い感度および特異度を示したという。著者は、「さらなる研究を行い、健常者でのスクリーニングにDLSが応用可能かについて、また視機能の改善に果たすDLSの有用性を検討する必要がある」とまとめている。JAMA誌2017年12月12日号掲載の報告。
新しいDESはXienceを超えられるか?(解説:上田恭敬氏)-787 最終更新:2017/12/27 CLEAR!ジャーナル四天王 完全吸収型のポリマーで被覆されたシロリムス溶出性DES(MiStent; Micell Technologies, Durham, NC, USA)と非吸収性ポリマーで被覆されたエベロリムス溶出性DES(Xience; Abbott Vascular, Santa Clara, CA, USA)を直接比較した、non-inferiorityを示すためのall-comer無作為化比較試験であるDESSOLVE III試験の結果が報告された。
ALK陽性肺がんでのアレクチニブ1次治療、日米欧の3極で承認 最終更新:2017/12/27 医療一般 中外製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役会長 CEO:永山 治)は2017年12月21日、F. ホフマン・ラ・ロシュ社(本社:スイスバーゼル市、CEO:セヴリン・シュヴァン)がアレクチニブ(商品名:アレセンサ)に関して、欧州委員会より「成人のALK陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)へのアレクチニブ単剤での一次治療」について承認を取得したことを発表。
アルツハイマー病に対する新規ベンゾジアゼピン使用に関連する死亡リスクのコホート研究 最終更新:2017/12/27 医療一般 フィンランド・東フィンランド大学のLaura Saarelainen氏らは、アルツハイマー病の全国コホートにおいて、新たなベンゾジアゼピンおよび関連薬剤(BZDR)の使用に伴う死亡リスクを調査した。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2017年11月15日号の報告。