日本語でわかる最新の海外医学論文|page:438

FDA、ペムブロリズマブの食道がん1次治療を承認/Merck

 メルク社は、2021年3月23日、米国食品医薬品局(FDA)が、局所進行または転移のある食道または胃食道接合部(GEJ)がん治療に抗PD-1抗体ペムブロリズマブを承認したと発表。この承認は組織学的またはPD-L1発現状態に関係なくOSおよびPFSを改善した第III相KEYNOTE-590試験の結果に基づくもの。  KEYNOTE-590試験では、FU+シスプラチン群に比べ、ペムブロリズマブとFU+シスプラチン併用群では、OSリスクが27%(HR:0.73、95%CI:0.62〜0.86、p<0.0001)、PFSリスクが35%(HR:0.65 、95%CI:0.55〜0.76、p<0.0001)減少した。また、奏効率も、ペムブロリズマブとFU+シスプラチン併用群は45%、FU+シスプラチン群は29%とペムブロリズマブとFU+シスプラチン併用群で良好であった(p<0.0001)。

国内の新型コロナ変異株、9割超が英国株/厚労省

 厚生労働省は、3月23日時点で確認された国内の新型コロナウイルスの変異株の累計感染者数は549例で、空港検疫で報告された100例を合わせて649例に上ると発表した。前週から164例の増加となる。緊急事態宣言が全都道府県で解除され、日々の新型コロナ感染者数および重症者数は早くも増加傾向を示している。来月から新年度がスタートし、さらに人の動きが活発化することは必至で、感染動向を注視する必要がある。  厚労省によると、国内で確認された変異株549例は、26都道府県から報告されたもの。このうち最も確認数が多かったのは兵庫県161例(前週比で+67)で、大阪府105例(+33)、埼玉県58例(+1)、新潟県32例(±0)、神奈川県30例(+2)などが続く。

レンバチニブ、胸腺がんに国内承認/エーザイ・MSD

 エーザイとMSDは、2021年3月23日、エーザイ創製のマルチキナーゼ阻害薬レンバチニブ(商品名:レンビマ)について、「切除不能な胸腺癌」の効能効果追加の承認を取得した。同剤は、日本における「切除不能な胸腺癌」に対する初めての承認薬剤となる。  この承認は、国立がん研究センター中央病院を含む国内8施設で実施された非盲検単群多施設共同の医師主導治験(臨床第II相試験、REMORA試験)の結果に基づくもの。本試験では、少なくとも1レジメン以上のプラチナ製剤による前治療歴のある胸腺がん患者42例が登録され、レンバチニブ単剤の有効性・安全性が評価された。

ベネトクラクス、急性骨髄性白血病の追加承認を取得/アッヴィ

 アッヴィは、再発/難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)治療薬であるベネトクラクス(商品名:ベネクレクスタ)について、急性骨髄性白血病(AML)の適応追加承認を取得したことを発表した。この承認は、ベネトクラクスとアザシチジンの併用効果を見た試験(VIALE-A試験)※1とベネトクラクスとシタラビンの併用効果を見た試験(VIALE-C試験)※2の結果を受けたものとなる。  一部の血液がんでは、BCL-2タンパク質がアポトーシスと呼ばれるがん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止するが、ベネトクラクスはこのBCL-2を標的とし、がん細胞により失われたアポトーシスの過程を回復させる作用がある。ベネトクラクス単剤では十分な効果が得られなかったが、2つの試験による併用療法によって有効性が認められた。

早期乳がんアジュバントでCDK4/6阻害薬は有用か/ESMO Open

 HR+/HER2-の進行乳がんにおいてはCDK4/6阻害薬と内分泌療法の併用は標準治療だが、アジュバントにおけるCDK4/6阻害薬の評価は一定していない。イタリア・Hunimed UniversityのElisa Agostinetto氏らは、系統的レビューとメタ解析により、HR+/HER2-早期乳がんのアジュバントにおける内分泌療法へのCDK4/6阻害薬追加による生存および安全性アウトカムへの影響を評価した。その結果、無浸潤疾患生存(IDFS)におけるベネフィットの傾向と、毒性(全Grade)および投与中止リスクの増加がみられた。ESMO Open誌2021年3月17日号に掲載。

抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症の治療に関するガイダンス

 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症のマネジメントオプションおよび治療における有効性、忍容性、薬物相互作用、禁忌、投与計画などの考慮すべきポイントについて、米国・ミズーリ大学のMatthew M. Rusgis氏らが評価を行った。American Journal of Health-System Pharmacy誌オンライン版2021年2月26日号の報告。  主な内容は以下のとおり。 ・高プロラクチン血症は、抗精神病薬の使用により発現する副作用の1つである。 ・高プロラクチン血症のマネジメントにおいて、まずは以下の手段を検討する。

新型コロナ学級内クラスターの発生はわずか、スイス/BMJ

 2020年8月から再開されたスイスの初等~中等学校では、いくつかの予防措置が講じられたことで、地域社会の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の伝播が中等度~高度で全体的な血清有病率が上昇した時期にあっても、血清陽性の子供の小規模感染者集団が発生した学級はごくわずかであったことが、同国・チューリヒ大学のAgne Ulyte氏らの調査で明らかとなった。研究の詳細は、BMJ誌2021年3月17日号に掲載された。SARS-CoV-2感染症の伝播における児童生徒の役割には議論の余地があるが、現に学校での感染爆発は起きており、子供の血清有病率は成人と同程度の可能性がある。児童生徒におけるSARS-CoV-2感染の伝播とその影響を理解することは、適切な緩和策の実施のために重要とされる。

乳がんリスクの高い9遺伝子を同定(解説:下村昭彦氏)-1369

1月20日のNEJM誌に乳がんリスク遺伝子を網羅的に解析した大規模試験が2本掲載された。そのうちの1つは英国からの報告であり、11万3,000例以上のBreast Cancer Association Consortiumに参加した乳がん患者と対象者において34遺伝子を搭載したパネルで5つ(ATM、BRCA1、BRCA2、CHEK2、PALB2)の乳がんリスク遺伝子を同定した。また4つの遺伝子(BARD1、RAD51C、RAD51D、TP53)におけるタンパク切断型変異も乳がんリスクと関連した。もう1つは米国からの同様の研究であり、こちらは6万5,000例以上を解析し、BRCA1、BRCA2、PALB2、BARD1、RAD51C、RAD51D、ATM、CDH1、CHEK2の9遺伝子がリスクを増加させる遺伝子として報告され、またそれぞれの遺伝子ごとにリスクの高い乳がんのサブタイプが示された。

自閉スペクトラム症における統合失調症や気分障害の合併率

 自閉スペクトラム症(ASD)患者は、他の疾患を合併しているケースが少なくない。多くの研究において、ASD患者を対象に精神医学的合併症の有病率が報告されているものの、合併症の発生率は明らかになっていない。台湾・国立台湾大学医学院附設病院のYi-Ling Chien氏らは、台湾レセプトデータベースを用いて、ASD患者における主な精神医学的合併症の発生率および性別、ASDサブタイプ、自閉症関連の神経発達状態と発生率との関連について調査を行った。Autism Research誌2021年3月号の報告。

『敗血症診療ガイドライン2020年』の完成版が発刊

 昨年、ダイジェスト版が先行発表されていた日本集中治療医学会・日本救急医学会の合同作成による「日本版敗血症診療ガイドライン2020」の正式版が、3月に発刊された。本ガイドラインは、小児から成人まで敗血症・敗血症性ショック患者およびその疑いのある患者の診療において、医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことを目的に作成されている。また、敗血症診療に従事または関与する専門医、一般臨床医、看護師、薬剤師、理学療法士、臨床工学技士、管理栄養士などのすべての医療従事者への利用を促している。

TRK阻害薬ラロトレクチニブ、NTRK陽性固形がんに国内承認/バイエル

 バイエル薬品は、2021年3月23日、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん治療薬として、ラロトレクチニブ(商品名:ヴァイトラックビ)の製造販売承認を取得した。  ラロトレクチニブは、NTRK遺伝子融合陽性の進行・再発の固形がんの治療に特化した経口トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬として開発され、TRK融合を有する成人および小児固形がん患者に対し、高い奏効割合と持続的な奏効を示し、TRK融合を有する中枢神経系原発腫瘍に対して高い病勢コントロール率を示している。

新型コロナのPCR、鼻咽頭スワブ陰性も結膜で陽性

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)はさまざまな体液などを介して感染するが、人間の涙液内のウイルスの存在に関する情報は不十分である。イタリア・インサブリア大学のClaudio Azzolini氏らが横断研究を行った結果、結膜スワブで陽性を示し鼻咽頭スワブで陰性を示す可能性があることから、結膜スワブの使用は診断・検査の補足になることを明らかにした。ただし、研究者らは「感染力までは決定づけられなかった」としている。JAMA Ophthalmolmology誌オンライン版2021年3月4日号掲載の報告。

ワクチン接種完了率の高い高齢者、重症者が大幅減/CDC

 新型コロナワクチン接種を世界でいち早く進めたイスラエルにおいて、ワクチン2回接種の完了者が多い70歳以上で、人工呼吸器を必要とする重症者数がワクチン接種開始前と比べて大幅に減ったことがわかった。米国疾病対策センター(CDC)が発行するMorbidity and Mortality Weekly Report3月5日号掲載の報告。  イスラエルではファイザー社製ワクチンを使用し、60歳以上、医療従事者、基礎疾患を持つ人を優先して接種するキャンペーンを展開。2021年2月9日までに計360万6,858人が初回接種を受け、そのうち222万3,176人(62%)が2回目の接種を完了した。年代別に見た2回目接種完了率は70歳以上、60〜69歳、50〜59歳、50歳未満で、それぞれ84.3%、69.0%、50.2%、9.9%だった。

視神経脊髄炎スペクトラム障害の治療薬/田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬株式会社は、「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を適応症とした治療薬イネビリズマブ(商品名:ユプリズナ 点滴静注 100mg)の製造販売承認を2021年3月23日に取得した。  視神経脊髄炎スペクトラム障害(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder:NMOSD)は、わが国での有病率が10万人あたり2~4人と少ない疾患で、重度の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患であり、指定難病となっている。

末梢性T細胞リンパ腫および皮膚T細胞性リンパ腫に、デニロイキン ジフチトクス国内承認/エーザイ

 エーザイは、2021年3月23日、デニロイキン ジフチトクス(商品名:レミトロ)について、「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」、「再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫」の効能効果で日本における製造販売承認を取得したと発表。  この承認申請は、再発または難治性の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)および皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)の患者を対象に国内で実施された多施設共同非盲検単群II相205試験などの結果に基づいて行われた。

donanemab、早期アルツハイマー病の認知機能/日常生活動作を改善/NEJM

 早期の症候性アルツハイマー病(AD)患者の治療において、donanemabはプラセボと比較して、76週時の認知機能と日常生活動作を組み合わせた複合評価尺度(iADRS)が有意に良好であることが、米国・Eli LillyのMark A. Mintun氏らが実施したTRAILBLAZER-ALZ試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年3月13日号に掲載された。donanemabは、N末端がピログルタミン酸化されたアミロイドベータ(Aβ)のエピトープを標的とするヒト化IgG1抗体。第Ib相試験では、アミロイド陽性の軽度認知障害または軽症~中等症のアルツハイマー型認知症患者において、1回の投与でアミロイドプラーク量を減少させることが確認されている。

新型コロナ、4ヵ月後も7割に胸部CT異常/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による長期的な後遺症の詳細は知られていない。フランス・パリ・サクレー大学のLuc Morin氏らCOMEBAC試験の研究グループは、COVID-19で入院した患者の、退院4ヵ月後の健康状態を調査した。その結果、約半数が少なくとも1つの、COVID-19罹患前にはなかった新たな症状(疲労、認知症状、呼吸困難など)を訴え、勧奨を受けて外来を受診した患者の約6割に胸部CTで肺の異常所見(多くはわずかなすりガラス状陰影)が、約2割に線維化病変が認められるなどの実態が明らかとなった。JAMA誌オンライン版2021年3月17日号掲載の報告。

これまでの研究の盲点を突くかたちで投げ込まれた一石(解説:野間重孝氏)-1368

虚血性心疾患を発症しやすくする要素を危険因子と呼ぶことは、現在では一般の方でもよく知るところではないかと思う。その中でも本論文に取り上げられている危険因子は、可変的危険因子と呼ばれるものに当たる。危険因子には年齢・性別・家族歴なども入るが、これらは治療や本人の努力によって変えることができないためである。ところが、ここで危険因子に関する誤解がある。それが本論文の指摘の主旨でもあるのだが、危険因子というのは発生リスクの予想ができたり、それらをコントロールすることによって1次予防、2次予防に資することができる因子を指している。しかし、それら因子は一旦起こってしまった虚血性心疾患の予後を規定する因子ではない。この点について、多くの人たちが無意識的に誤解している。さらに、危険因子をまったく持っていなくても、虚血性心疾患を発症する人は常にある一定数いるという事実である。著者らは、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)に関しては全発症数の10~20%強に上ることを、経験および疫学調査から示している。

AZ製コロナワクチン、米国第III相試験の主要解析で安全性・有効性を確認

 アストラゼネカ英国本社は3月25日発信のプレスリリースで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンAZD1222の米国における第III相試験の主要解析において、安全性と有効性が確認されたと発表した。事前に規定された統計解析計画では、中間解析で少なくとも75例、主要解析で少なくとも150例の判定症例が必要であったが、両解析におけるワクチンの有効性は一致しており、結果に齟齬はなかった。  AZD1222を巡っては、日本を含む各国で臨床試験が進行中。このうち米国第III相試験(D8110C00001)は、健康な、もしくは医学的に安定した慢性疾患を有し、SARS-CoV-2やCOVID-19曝露のリスクが高い18歳以上の成人3万2,449 例の被験者を対象に、米国、ペルー、チリの88の治験施設で実施。本主要解析には、全被験者のうち190例の症候性COVID-19症例が含まれており、中間解析から49例増加していた。被験者はワクチン群とプラセボ群に2:1で無作為に割り付けられた。本試験の主要評価項目である症候性COVID-19 発症予防に対するワクチンの有効性は、4週間隔で2回接種後、15日以降において76%(信頼区間[CI]:68%~82%)だった。

高齢者のせん妄と認知症リスク~メタ解析

 せん妄と新規認知症発症との関連は、観察研究によって調査されているが、利用可能なエビデンスを定量的および定性的に評価したレビューは、最近行われていなかった。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のJarett Vanz-Brian Pereira氏らは、せん妄と認知症に関連するエビデンスをシステマティックにレビュー、これを厳密に評価したうえで、せん妄発症後の新規認知症発症率を算出するため、検討を行った。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2021年2月9日号の報告。