日本語でわかる最新の海外医学論文|page:357

中等症~重症アトピー性皮膚炎へのウパダシチニブ、長期有効性を確認

 中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者(青少年および成人)に対するJAK阻害薬ウパダシチニブの有効性と安全性について、2つのプラセボ対照試験結果の長期52週時のフォローアップデータ解析の結果を、米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが発表した。ベネフィット・リスクのプロファイルは良好であり、16週時点で認められた有効性は52週時点でも確認されたという。JAMA Dermatology誌オンライン版2022年3月9日号掲載の報告。  研究グループが、アトピー性皮膚炎患者に対するウパダシチニブの長期(52週)の有効性と安全性を評価するため解析した2つの試験は、いずれも現在進行中の第III相二重盲検プラセボ対照反復無作為化試験「Measure Up 1試験」と「Measure Up 2試験」。それぞれ、151施設および154施設で中等症~重症アトピー性皮膚炎の青少年および成人患者が参加している。今回の解析のためのデータカットオフ日は、それぞれ2020年12月21日と2021年1月15日であった。

バリシチニブ、円形脱毛症の毛髪再生に有効か/NEJM

 円形脱毛症は、頭髪、眉毛、睫毛の急速な脱毛を特徴とする自己免疫疾患であるが、治療法は限定的である。米国・イェール大学医学大学院のBrett King氏らは、重症円形脱毛症の治療におけるヤヌスキナーゼ(JAK)1とJAK2の阻害薬バリシチニブの有用性を検討し、本薬はプラセボと比較して、36週時に臨床的に意義のある毛髪再生を達成した患者の割合が高く、安全性も劣らないことを「BRAVE-AA試験」で示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年3月26日号で報告された。  本研究は、日本を含む10ヵ国169施設が参加した2つの二重盲検プラセボ対照無作為化試験(BRAVE-AA1試験、BRAVE-AA2試験)である(Incyteのライセンスの下でEli Lillyの助成を受けた)。  この試験では、BRAVE-AA1試験の第III相部分(参加者登録期間:2019年3月~2020年6月)とBRAVE-AA2試験(同:2019年7月~2020年5月)のデータが用いられた。  対象は、年齢18~60歳の男性と18~70歳の女性で、Severity of Alopecia Tool(SALT)のスコア(0[頭髪の脱毛なし]~100[頭髪の完全脱毛]点)が50点以上の患者であった。

こういうランダム化比較試験は仕方ない?(解説:後藤信哉氏)

 日本ではランダム化比較試験の多くが薬剤の臨床開発の一環としての治験として行われている。治験でないランダム化比較試験には薬を売るためのseeding trial(種まき試験)が多い。企業の利益と臨床試験が直結するため、規制当局による厳格な規制がなければ資本は何をするかわからない。  経済利益と直結する臨床試験と異なり、本研究は新型コロナウイルスという脅威にさらされた人類の治療法探索の一環として施行された研究である。新型コロナウイルス感染は血栓症のリスクを増やす。血栓イベント予防効果のある抗血小板薬は感染症の予後を改善するかもしれないとの仮説が検証された。

Apple Watchで不整脈を早期発見するAIモデル開発~慶大/日本循環器学会

 Apple Watchなどのスマートウォッチは、無意識のうちに心拍数や活動量などのさまざまなヘルスケアデータを計測し、蓄積し続けることができる。2020年にはApple Watchの2つのアプリケーション「不規則な心拍の通知」と「心電図アプリケーション」が家庭用医療機器として厚生労働省の承認を受け、医療分野での活用が期待されている。  慶應義塾大学病院・慶應義塾大学医学部は、Apple Watchで心電図を記録する最適なタイミングを予測するための機械学習アルゴリズム構築を目的として、研究用iPhoneアプリケーションを構築し、Apple Watchが記録したヘルスケアデータを収集した。

子宮頸がん撲滅に向けて:HPVワクチン接種の意義とは

 2022年3月29日、MSD株式会社は子宮頸がん予防に関するメディアセミナーを開催した。  今回のセミナーでは、「子宮頸がん予防の重要性ついて」を近藤 一成氏が、「ワクチン接種を検討する方へ伝えるべきポイント」について勝田 友博氏が説明した。  主要先進7ヵ国、G7の中で日本は子宮頸がん罹患率が最も高く、年間約1万人が子宮頸がんに罹患し、約3,000人が死亡している。2019年の1年間であれば、死亡者のうち571人が25~49歳と若年の女性であった。つまり、子宮頸がん予防の遅れが課題となっている。

リブレ(血糖測定器)の保険適用拡大で糖尿病学会が見解/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、2017年に発表した「間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM):FreeStyle リブレに関する見解」の内容を改訂し、4月1日に第4版を公表した。  今回の改訂は、「2022年4月より、リブレの使用に関する保険請求上の「C150-7」の対象者が『入院中の患者以外の患者であって、インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っているもの』に拡大されたことを踏まえ、現在の医療環境に合わせた」と趣旨を示している。同時に「リブレは、糖尿病の日常の自己管理に有用であるが、必要時には血糖自己測定(SMBG)を行って血糖値を確認する必要がある。本品が有効かつ安全に用いられるよう、適正な使用方法について示す」としている。

抗精神病薬使用中の患者に対する心電図モニタリングの実践

 急性期および慢性期の精神症状の管理における抗精神病薬の使用は、不整脈による死亡率の増加と関連しているとされるが、心電図(ECG)モニタリングのタイミングや頻度に関するコンセンサスは十分に得られていない。米国・Zucker School of MedicineのLiron Sinvani氏らは、抗精神病薬を使用している成人患者(とくに入院患者)に対するECGモニタリングの現在の実施状況に関して調査を行った。Journal of Psychiatric Practice誌2022年3月3日号の報告。  2010~15年に8施設の医療機関で、入院中に抗精神病薬で治療された成人患者を対象に、マルチサイト・レトロスペクティブ・チャートレビューを実施した。主要アウトカムは、抗精神病薬使用後のECG実施とした。

MET exon14スキッピング肺がんにおけるsavolitinibの有望な結果/ELCC2022

 MET阻害薬savolitinibの非盲検第II相試験の結果が、欧州肺癌学会議(ELCC2022)で発表された。savolitinibは中国のMET exon14スキッピング変異を有する肺肉腫様がん(PSC)と非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対し有望な成績を示した。  PSC(25例)とNSCLC(45例)全体の全生存期間(OS)中央値は12.5ヵ月という成績であった(追跡期間中央値28.4)。18ヵ月OS率は42%、24ヵ月OS率は31%である。

回復期患者血漿、ワクチン未接種のコロナ外来患者に有効か?/NEJM

 多くがワクチン未接種の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の外来患者において、症状発現から9日以内の回復期患者血漿の輸血は対照血漿と比較して、入院に至る病態悪化のリスクを有意に低減し、安全性は劣らないことが、米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のDavid J. Sullivan氏らが実施した「CSSC-004試験」で確認された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年3月30日号に掲載された。  本研究は、COVID-19外来患者の重篤な合併症の予防における回復期患者血漿の有効性の評価を目的とする二重盲検無作為化対照比較試験であり、2020年6月3日~2021年10月1日の期間に、米国の23施設で参加者の登録が行われた(米国国防総省などの助成による)。

妊娠中のコロナワクチン接種、周産期アウトカムへの影響は?/JAMA

 妊娠中の女性に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンを接種しても、妊娠終了後の接種や非接種と比較して、母子における有害な周産期アウトカムのリスクの増加はほとんどみられないことが、カナダ・オタワ大学のDeshayne B. Fell氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2022年3月24日号に掲載された。  研究グループは、妊娠中のCOVID-19ワクチン接種の、周産期のアウトカムに及ぼす影響の評価を目的に、人口ベースの後ろ向きコホート研究を行った(カナダ公衆衛生庁の助成を受けた)。  解析には、カナダ・オンタリオ州のCOVID-19予防接種データベース(COVaxON)と連携させた出生レジストリ(Better Outcomes Registry & Network[BORN] Ontario)の2020年12月14日~2021年9月30日のデータが用いられた。

血友病の遺伝子治療、EUでは発売間近だが日本は出遅れた(解説:長尾梓氏)

単一遺伝子欠損で発症する血友病は遺伝子治療の有望なターゲットで、唯一のcureを目指せる治療として有望視され、現時点で少なくとも血友病AとBを合わせて14社が開発に乗り出している。遺伝子のサイズが小さくアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターに搭載しやすい血友病Bが先行して開発され、8年間の耐久性を示した製品もある(scAAV2/8-LP1-hFIXco, sponsor; St. Jude Children’s research Hospital/UCL)。サイズの大きい血友病A遺伝子治療は少し出遅れたが、その中ではBioMarin社の遺伝子治療(roctavian[valoctocogene roxaparvovec])が最も先行している。ロイター通信によると、BioMarin社のroctavianは2019年に3年間の第I/II相データと第III相データの中間解析に基づいてFDAおよびEMAに承認申請したものの、第I/II相データでは2年目に治療効果が低下傾向にあり、第III相のデータをさらに2年分追加することが要求された。つまり、FDAもEMAもdurabilityに懸念を示したわけである。

頭痛と認知症リスク~メタ解析

 頭痛とすべての原因による認知症、アルツハイマー型認知症、血管性認知症との関連を明らかにするため、中国・人民解放軍北部戦区総医院のHuiling Qu氏らが、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Frontiers in Aging Neuroscience誌2022年2月11日号の報告。  2021年10月8日までに公表されたコホート研究を、MeSH(medical subject headings)の用語およびキーワードを用いて、PubMed、Cochrane Library、Embase、Web of Scienceより検索した。統計分析には、ソフトウェアStata ver.14.0を用いた。p>0.1およびI2≦50%の場合には固定効果モデルを、I2>50%(不均一性が大きい)の場合にはランダム効果モデルを用いた。出版バイアスの評価には、ファンネルプロットおよびEgger検定を用いた。

ニボルマブ、尿路上皮がん術後補助療法と切除不能な進行、再発または転移性食道扁平上皮がん1次治療に対して欧州委員会より承認取得/BMS

 2022年4月5日、ブリストル マイヤーズ スクイブは、PD-L1発現レベル1%以上の根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がんの術後補助療法、切除不能な進行、再発または転移性食道扁平上皮がん(ESCC)の1次治療薬として、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)が欧州委員会より承認を受けたことを発表した。ESCCに関してはニボルマブとイピリムマブの併用療法、ニボルマブとフルオロピリミジン系およびプラチナ系薬剤を含む化学療法の併用療法の2つで承認を取得した。今回発表されたのは、CheckMate-274試験(尿路上皮がん)、CheckMate-648試験(ESCC)の結果に基づいたものである。

会員医師の昨年度の最多年収帯は?/1,000人アンケート

 ケアネットでは、3月10日(木)に会員医師1,000人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その結果、82%の医師が昨年度の年収額を1,000万円以上と回答し、その中で最も多い年収帯は2,000~2,500万円であった(全体の15%)。また、全体の58%の医師が1,000~2,000万円の年収帯に分布し、2,000~3,000万円は20%、3,000万円以上は4%であった。  最多年収帯を年代別にみると、35歳以下が1,000~1,200万円(21%)、36~45歳が1,200~1,400万円(17%)、46~55歳が1,600~1,800万円および2,000~2,500万円(ともに19%)、56~65歳および66歳以上が2,000~2,500万円(22%、14%)だった。

糖尿病患者の非HDL-C値低下に有効なスタチンは?/BMJ

 英国・マンチェスター大学のAlexander Hodkinson氏らはネットワークメタ解析の結果、中用量および高用量のロスバスタチン、ならびに高用量のシンバスタチンとアトルバスタチンが、糖尿病患者の非HDLコレステロール(非HDL-C)値を中等度低下させるのに最も有効であることを示した。糖尿病患者における心血管疾患の1次予防および2次予防の基本はLDL-C値の低下であるが、非HDL-C値に対するスタチンの有効性を比較したエビデンスは不足していた。著者は、「主要ターゲットとして非HDL-C値の低下を用いると心血管疾患の予測精度が向上する可能性があることから、今回の結果は、糖尿病患者において非HDL-C値の低下に最も有効なスタチンの種類と強度に関する指針に役立つと考えられる」とまとめている。BMJ誌2022年3月24日号掲載の報告。

新型コロナへのイベルメクチン、RCTの結果が明らかに/NEJM

 早期に診断された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者において、イベルメクチンで治療してもCOVID-19進行による入院の発生率や救急外来での観察期間延長は低下しないことが、ブラジル・Pontifical Catholic University of Minas GeraisのGilmar Reis氏らが実施した無作為化二重盲検プラセボ対照アダプティブプラットフォーム試験「TOGETHER試験」の結果、示された。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の急性症状を呈するCOVID-19外来患者に対するイベルメクチンの有効性は不明であった。NEJM誌オンライン版2022年3月30日号掲載の報告。

HPVワクチン積極的勧奨再開にあわせたイベント&患者説明用フライヤー

 HPVワクチンは2013年に定期接種の対象となったが、その後に相次いで副反応疑いの事例が報告されたため、厚労省は接種を個別に呼びかける「積極的勧奨」を中断していた。その後、ワクチンの有効性に関するエビデンスが蓄積し、さらにはワクチン接種後の多様な症状とワクチン接種の関係を否定する報告などを背景に、今年4月より9年振りに積極的勧奨が再開されている。  今回の勧奨再開によって、定期接種の対象となる小学校6年生~中学3年生相当年齢の女子に対し、自治体から接種の案内が送付されるようになる。無料接種が可能なのは2価・4価ワクチンで、9価ワクチンや男性の接種は自費となる。併せて、積極的勧奨中断で接種機会を逃した1997~2006年生まれの女性が無料で接種を受けられる「キャッチアップ接種」や、定期接種の対象期間を過ぎて自費で接種を受けた人へ接種費用を払い戻す制度も用意されている。

SB623、外傷性脳損傷の第II相試験で良好な結果/サンバイオ

 サンバイオおよび子会社SanBio, Inc.は、2022年4月5日、外傷性脳損傷患者を対象に、ヒト(同種)骨髄由来加工間葉系幹細胞SB623と偽手術を比較した第II相試験(STEMTRA試験)の1年間の最終解析結果を発表。SB623は主要評価項目を達成した。  同臨床試験では61例の対象患者の46例にSB623が投与され15例が対照群として偽手術を受けた。主要評価項目である24週時点のFugl-Meyer Motor Scale(FMMS)は、SB623群で有意に改量し、運動機能の改善が認められた(SB623投与群8.3点、対照群2.3点、p=0.04)。

乳がん術前・術後補助療法、乳がん死亡率とその他の死亡率への影響~系統的レビュー

 乳がん治療における術前補助療法や術後補助療法は、乳がんによる死亡率を低下させる可能性がある一方、乳がん以外による死亡率を増加させる可能性がある。今回、英国・オックスフォード大学のAmanda J. Kerr氏らが系統的レビューを実施したところ、ほとんどの比較試験で、がんによる死亡率または再発率が10〜25%減少し、乳がん以外による死亡率の増加はみられなかったが、アントラサイクリンでの化学療法と放射線療法については乳がん以外による全死亡率が増加していた。Cancer Treatment Reviews誌オンライン版2022年3月4日号に掲載。

デュルバルマブのStageIII肺がん維持療法、逐次化学放射線療法後でも有望な結果(PACIFIC-6)/ELCC2022

 StageIII非小細胞肺がん(NSCLC)の逐次化学放射線療法(SCRT)後のデュルバルマブ維持療法を評価する第II相PACIFIC-6試験の結果が、欧州肺癌学会議ELCC2022)で発表された。SCRT後のデュルバルマブ維持療法は、同時化学放射線療法(CCRT)後と同様の安全性プロファイルを示した。  切除不能なStageIII NSCLCでは、CCRTが標準治療である。しかし、高齢またはフレイルな患者などCCRTに耐えられない可能性のある患者には、SCRTが代替とされる。