日本語でわかる最新の海外医学論文|page:300

妊娠糖尿病、インスリン使用で周産期合併症が増加/BMJ

 妊娠糖尿病の妊婦は正常血糖値妊婦と比較して、インスリンを使用していない場合は、帝王切開による分娩や早産児・巨大児が多く、インスリンを使用している場合は、母親のアウトカムに差はないものの、新生児の在胎不当過大や黄疸、呼吸窮迫症候群などの周産期合併症の割合が有意に高いことが、中国・中南大学のWenrui Ye氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月25日号で報告された。  研究グループは、妊娠糖尿病と妊娠有害アウトカムとの関連を、最小限の交絡因子を調整したうえで評価する目的で、系統的レビューとメタ解析を行った(中国国家自然科学基金などの助成を受けた)。

有害事象報告のための可視化への動きが始まった(解説:折笠秀樹氏)

臨床試験の有害事象はおよそ、群ごとに各事象の頻度と割合を示しているだけです。最後の表で示されていることが多いので、しっかり見ている人は少ないかもしれません。もっと注目してもらおうと、可視化(Visualization)への動きが高まっています。英国の大学に所属する統計家を主に、コンセンサス会議が行われました。28種類の可視化を検討して、その中で10個を推奨することになったようです。その多くはよく知られたものでした。棒グラフ、帯グラフ、折れ線グラフ、散布図、ドット・プロット、カプラン・マイヤープロットはよく見掛けます。それ以外にバイオリン・プロットとカーネル密度プロットが推奨されましたが、最近医学雑誌で見掛けたことがあります。統計ソフトのStata、R、SASなどでも描けるようになったみたいです。

母親の育児ストレスと子供のADHDとの関連~日本の出生コホート研究

 注意欠如多動症(ADHD)は幼児期に発症し、その後、生涯にわたり影響を及ぼす疾患であるが、早期診断や介入により、臨床アウトカムの最適化を図ることができる。長期的または過度な育児ストレスは、ADHDなどの発達障害に先行してみられる乳児の行動の差異に影響している可能性があることから、幼少期の定期的評価には潜在的な価値があると考えられる。東京都医学総合研究所の遠藤 香織氏らは、母親の育児ストレスが子供のADHDリスクのマーカーとして利用可能かを明らかにするため、出産後1~36ヵ月間の母親の育児ストレスとその子供の青年期初期におけるADHDとの関連について、定期的に収集した自己報告を用いて調査を行った。その結果、出産後9~10ヵ月、18ヵ月、36ヵ月での育児ストレスと12歳時点での子供のADHD症状との関連が認められ、自己報告による育児ストレスのデータはADHDリスクの初期指標として有用である可能性が示唆された。このことから著者らは、ADHDの早期発見と介入を促進するためにも、幼少期の健康診断、育児ストレスの評価、家族のニーズに合わせた支援を行う必要があることを報告している。Frontiers in Psychiatry誌2022年4月28日号の報告。

セムブリックスは新規作用機序の慢性骨髄性白血病治療薬/ノバルティス ファーマ

 ノバルティス ファーマは2022年5月25日、前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病に対する治療薬、セムブリックス錠20mg、同40 mg(一般名:アシミニブ塩酸塩)を発売したことを発表した。  慢性骨髄性白血病(CML)は、分子標的薬であるチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により、通院での治療が可能な慢性疾患になったとも言われている。しかし、TKI治療を受けている患者の約半数が、現在のTKI治療に抵抗性となる、または副作用により使用が継続出来なくなる不耐容などの理由により、治療変更を余儀なくされていた。  今回発売されたセムブリックスは、ABLミリストイルポケットを特異的に標的とするSTAMP阻害作用という、従来のTKIとは異なる作用機序を有している。2剤以上のTKI治療歴のあるCML患者の抵抗性に対処し、白血病細胞の過剰産生とも関連するBCR-ABL1遺伝子の変異を克服できる可能性があるともされている。

コロナ罹患後症状を大規模調査、成人の2割以上が発症/CDC

 米国疾病対策センター(CDC)が実施したコロナ罹患後症状(post-COVID、いわゆる後遺症)についての約200万人の大規模調査によると、急性肺塞栓症や呼吸器症状の発症リスクが2倍となり、18~64歳の5人に1人、65歳以上の4人に1人が、コロナ罹患後症状と考えられる症状を1つ以上発症しているという。研究結果は、CDCのMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)2022年5月27日号に掲載されている。

コロナ感染率、ワクチン2回接種vs.感染後1回接種/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染歴がある人では、ワクチン接種の有無や感染前後での接種にかかわらず、再感染予防効果は最後の免疫獲得イベントからの経過時間が長くなるほど低下したが、この予防効果は、未感染でワクチンを2回接種し同じ時間が経過した場合での予防効果より高く、感染後のワクチン1回接種は再感染予防効果を増強することが、イスラエル・テクニオン-イスラエル工科大学のYair Goldberg氏らの研究で示された。SARS-CoV-2感染は、再感染に対する自然免疫を獲得することが知られる。最近の研究では、BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)による免疫効果の減衰が示されたが、自然免疫ならびに感染後のワクチン接種で得られるハイブリッド免疫の減衰に関しては不明であった。NEJM誌オンライン版2022年5月25日号掲載の報告。

活性型ビタミンD3、2型DMの発症予防に無効か/BMJ

 活性型ビタミンD3製剤エルデカルシトールは、前糖尿病から2型糖尿病への発症予防効果は認められなかったものの、インスリン分泌が不十分な人に対する有益性を示唆する結果が得られた。産業医科大学病院の河原哲也氏らが、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Diabetes Prevention with active Vitamin D study:DPVD試験」の結果を報告した。観察研究では、ビタミンD欠乏がインスリン抵抗性および将来的な糖尿病のリスク増加と関連することが示されている。一方、ビタミンD補充については、2型糖尿病予防を目的とした無作為化比較試験では一貫した結果は認められていないが、先行研究でビタミンD欠乏症を伴う前糖尿病者に対して有益であることが示唆されていた。BMJ誌2022年5月25日号掲載の報告。

高リスクIgA腎症に対する経口ステロイドの効果と有害事象を勘案した治療法(解説:浦信行氏)

IgA腎症の治療法として、ステロイド剤はRA系阻害薬と並んで基本的治療法の一つである。一部の例外的報告を除いて腎障害進行抑制効果や尿蛋白低減効果は有意であるが、その治療法にはかなりのバリエーションがあり、0.8~1.0 mg/kg/日程度の高用量、その半量程度の低用量、さらにステロイドパルス療法や隔日投与法などがあるが、高用量以外はいずれも有害事象の発症抑制を意図したものである。本研究は多施設二重盲検RCTであり、当初高用量群とプラセボ群との比較であったが、実薬群で有害事象が多かったため観察期間の中央値が2.1年で中止となった。この時点で二重盲検が外れたことでデータの解析に多少のバイアスが掛かる結果となった。ただし、低用量による試験再開の結果でも、同様の臨床効果が得られたことから、その臨床的意義は低くはない。加えて有害事象は実薬群でプラセボ群より多かったとはいえ、高用量群の3分の1以下に留まっていることを考慮すれば、結果的に低用量群の優位性も示した結果となった。この結果は今後のステロイドによる治療に大きな示唆を与えるもので、低用量、隔日投与、パルス療法の意義も同方向にある。

慢性腎臓病の啓発活動を共同展開/日本腎臓病協会・バイエル薬品

 2022年6月1日、日本腎臓病協会とバイエル薬品が、慢性腎臓病(CKD)の早期診断および治療介入の啓発活動を通じて、国民の健康寿命延伸に寄与することを目的に、腎臓病対策の普及啓発に関する包括連携協定を締結したことを公表した。  CKDは全世界的に増え続けており、現在、日本には成人の約8人に1人にあたる、約1,330万人のCKD患者がいるといわれている1)。さらに、CKDでは心臓病や脳卒中などの心血管疾患になりやすいことが明らかになっており、CKD治療による心血管疾患予防が大きな課題となっている。

「がんゲノム医療の現状と未来」国際WEBカンファレンス開催/日本乳がん情報ネットワーク

 日本乳がん情報ネットワーク(JCCNB)では2022年6月25日、「Cancer genome medicineの現状と将来展望」と題した国際WEBカンファレンスを開催する。米国臨床腫瘍学会(ASCO)CEOのClifford A. Hudis氏による基調講演のほか、NCCN(National Comprehensive Cancer Network)のWilliam Gradisher氏による「NCCN ガイドラインの最新情報」などのミニレクチャー、米国・欧州・アジア・オセアニアを繋いだライブでのパネルディスカッションが予定されている。 <JCCNB Conference 2022 開催概要> 主催:日本乳がん情報ネットワーク(JCCNB) テーマ:Cancer genome medicine の現状と将来展望 開催日:2022 年6月 25 日(土)17:00~21:30 会議形式:WEB配信(録画・ライブ) 参加費:10,000円

ADHD児の不注意重症度と野菜や果物など食事の質との関係

 注意欠如多動症(ADHD)は、米国の小児においては有病率が8~10%といわれる神経発達障害である。ADHDの症状には不注意や多動性/衝動性が認められるが、反抗挑戦性障害および重篤気分調節症などの情動調節不全(ED)症状も頻発する。ADHDの病因は多因子的と考えられ、その症状の重症度は食事療法と関連しているといわれている。米国・オハイオ州立大学のLisa M. Robinette氏らは、小児コホート研究において、食事の質とADHDおよびED症状との関連を調査した。その結果、ADHDやEDを有する子供では、果物や野菜の摂取が少ないと、より深刻な不注意症状が出現する可能性が示唆された。Nutritional Neuroscience誌オンライン版2022年5月10日号の報告。

無症候性高度頸動脈狭窄症、外科的介入なしの脳梗塞発症率は?/JAMA

 外科的介入を受けなかった無症候性高度頸動脈狭窄症患者において、頸動脈病変に関連した同側の急性虚血性脳卒中の推定発生率は5年間で4.7%であることが、米国・カイザーパーマネンテ北カリフォルニア(KPNC)のRobert W. Chang氏らによる後ろ向きコホート研究で示された。近年、医療が進歩しており、また、内科的治療と外科的治療の最新の比較データがないため、無症候性高度頸動脈狭窄症の最適な管理方法は不確かである。著者は、「今回の知見は、無症候性高度頸動脈狭窄症患者に対する外科的治療と内科的治療に関する意思決定に役立つだろう」とまとめている。JAMA誌2022年5月24日号掲載の報告。  研究グループは、KPNC(医療センター/病院21施設、会員450万人以上の統合医療システム)のデータを用い、2008~12年の間に無症候性高度頸動脈狭窄症(Society of Radiologists in Ultrasound Consensus基準、またはNASCET法で70~99%狭窄)と診断された患者で、同側の頸動脈インターベンション(頸動脈内膜切除術または頸動脈ステント留置)歴ならびに過去6ヵ月以内の脳卒中または一過性脳虚血発作既往歴がない成人患者を対象に、2019年12月31日まで追跡した。  主要評価項目は、頸動脈病変に関連した同側の急性虚血性脳卒中(脳梗塞)の発生であった。死亡、KPNC会員脱退または同側の頸動脈インターベンション実施があった時点で打ち切りとした。  2008~12年に頸動脈狭窄症のスクリーニングを受けた9万4,822例のうち、3,737例(平均[±SD]年齢73.8±9.5歳、男性57.4%)、標的動脈4,230本が適格基準を満たした。

4回目のコロナワクチン、感染予防の持続期間は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の4回接種は、3回接種と比較して新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染予防とCOVID-19重症化予防の両方の有効性が認められたが、感染予防効果は比較的早期に減弱することが示唆された。イスラエル・Maccabi Healthcare ServicesのSivan Gazit氏らが、後ろ向き診断陰性デザインによる症例対照研究の結果を報告した。BMJ誌2022年5月24日号掲載の報告。  研究グループは、イスラエルの健康保険組織Maccabi Healthcare Services(MHS、250万人が加入)のデータベースを用い、同国でオミクロン株が優勢であった2022年1月10日(初めて4回目接種が行われた日の7日後)から2022年3月13日までのデータを解析した。  解析対象は、SARS-CoV-2感染歴がなく2022年1月3日から4回目接種を受ける資格を有していた(すなわち、3回目接種から4ヵ月以上経過)60歳以上のMHS会員で、追跡期間中に少なくとも1回のPCR検査を受けた9万7,499例であった。COVID-19の既往歴を完全に把握できない可能性のある2020年3月以降にMHSに加入した人は除外された。

モビコール配合内用剤HD新発売、モビコール配合内用剤LDとの違いは?

 EAファーマ、エーザイ、持田製薬は2022年5月20日、慢性便秘症治療薬「モビコール配合内用剤HD」(以下、モビコールHD)を新発売したことを発表した。  モビコールHDは、慢性便秘症治療薬「モビコール配合内用剤LD」(以下、モビコールLD)の2倍量が1包に包装されている高用量製剤だ。そのためモビコールLDを2包単位で使用する患者にとって、アルミ袋の開封操作の手間や経済的負担の軽減、廃棄物の削減が期待できる。  モビコールLDおよびモビコールHD(両規格あわせて以下、本剤)は、2歳以上の小児、成人で使用可能である。モビコールLDおよびモビコールHDの主成分のポリエチレングリコール(マクロゴール4000)が浸透圧効果により腸管内の水分量を増加させ、その結果、便中水分量が増加することで便が軟化、便容積が増大する。

選択的NK1受容体拮抗型制吐剤、アロカリス点滴静注235mg新発売/大鵬薬品

 大鵬薬品工業は、2022年5月30日に選択的NK1受容体拮抗型制吐剤である「アロカリス点滴静注235mg」の販売を開始した。  本剤は、抗悪性腫瘍剤投与後の悪心、嘔吐の予防を目的に開発された選択的NK1受容体拮抗型制吐剤であり、活性本体であるネツピタントに変換されるリン酸化プロドラッグ製剤(注射剤)である。高度催吐性抗悪性腫瘍剤(シスプラチン)投与患者を対象に、パロノセトロンおよびデキサメタゾン併用下で、本剤とホスアプレピタントの有効性および安全性を比較した第III相試験(CONSOLE)の結果に基づき、2022年3月に製造販売承認を取得している。

統合失調症患者のクロザピン中止後の臨床アウトカム~システマティックレビュー

 治療抵抗性統合失調症に対するクロザピン治療は、ゴールデンスタンダードである。しかし、クロザピン治療でも約60%の患者は治療反応が得られず、クロザピン治療中止後の臨床アウトカムについては明らかになっていない。東京・大泉病院の三浦 元太郎氏らは、クロザピン治療中止後のアウトカムを明らかにするため、システマティックレビューを実施した。その結果、クロザピン治療中止後に臨床アウトカムは悪化しており、その後の治療として、クロザピン再投与やオランザピン治療が検討されていることを報告した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2022年5月5日号の報告。

オミクロン株優勢下、小児~青少年でも追加接種が必要か/JAMA

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のオミクロン変異株が優勢な時期に、年齢5~15歳の小児・青少年では、BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の2回接種後の推定有効率は高くなく(約60%)、その後2ヵ月後までに急速な低下が認められたが、12~15歳では3回目の追加接種により上昇に転じたことが、米国・疾病予防管理センター(CDC)のKatherine E. Fleming-Dutra氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2022年5月13日号で報告された。  研究グループは、オミクロン変異株優勢期の小児および青少年における症候性SARS-CoV-2感染症とBNT162b2ワクチン接種との関連を評価し、当ワクチンの有効率を推定する目的で、検査陰性者を対照とする症例対照研究を行った(米国・CDCの助成を受けた)。

オミクロン含む2価ワクチン、秋までに国内提供予定/モデルナ

 2022年5月27日、モデルナ・ジャパンはメディアセミナー「mRNAワクチンの革新と使命~最新エビデンスとパイプラインから~」を開催した。  セミナーでは、モデルナ チーフメディカル・オフィサー(CMO、最高医療責任者)ポール・バートン氏が、開発中の2価ワクチンや今後のmRNAワクチンの展望について説明した。  SARS-CoV-2が急速に変化し新しい変異株が出現するなか、ワクチンの感染予防効果が経時的に減弱することを踏まえると、定期的なワクチン追加接種による効果の回復が望まれる。バートン氏は、モデルナの既存ワクチン・スパイクバックスの4回目接種による予防効果を示したうえで、より広い免疫を確保できる可能性があるワクチンとして、開発中の2価ワクチンを紹介した。

米国における片頭痛治療開始患者に対するフレマネズマブの有効性

 成人の片頭痛予防に承認されている、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を選択的標的としたヒト化モノクローナル抗体(IgG2Δa)フレマネズマブの有効性および忍容性は、ランダム化二重盲検比較プラセボ対照試験で実証されている。リアルワールドでのデータはこれら臨床試験のデータを支持しており、フレマネズマブの臨床的ベネフィットは明らかになっている。オランダ・Teva PharmaceuticalsのMaurice T. Driessen氏らは、実臨床診療に従って治療された成人片頭痛患者の臨床アウトカム改善に対するフレマネズマブの有効性を評価するため、チャートレビューを実施した。その結果、実臨床において、投与レジメンや過去の片頭痛予防治療の失敗数にかかわらず、最大6ヵ月間のフレマネズマブ治療の有効性が確認されたことを報告した。The Journal of Headache and Pain誌2022年4月11日号の報告。

日本人統合失調症患者におけるQOLと臨床的要因の関係

 徳島・城南病院のYoshimune Ishii氏らは、統合失調症入院患者におけるQOLと臨床的要因の関係を明らかにするため検討を行った。その結果、抑うつ症状の治療が統合失調症入院患者の主観的QOLの改善に影響を及ぼす可能性が示唆された。The Journal of Medical Investigation誌2022年1.2号の報告。  対象は、統合失調症入院患者50例(平均年齢:56.48±11.93歳)。主観的QOLの評価には、統合失調症QOL尺度日本語版(JSQLS)および主観的ウェルビーイング評価尺度短縮版-日本語版(SWNS-J)を用い、認知機能の評価には、ミニメンタルステート検査(MMSE)-日本語版を用いた。うつ症状の重症度、精神症状、薬物誘発性錐体外路症状の評価には、それぞれ、カルガリー統合失調症用抑うつ症状評価尺度日本語版(JCDSS)、簡易精神症状評価尺度(BPRS)、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)を用いた。JSQLSおよびSWNS-Jに影響を及ぼす因子を特定するため、段階的回帰分析を実施した。