日本語でわかる最新の海外医学論文|page:766

小児の神経線維腫症1型に有望なMEK阻害薬/NEJM

 神経線維腫症1型と手術不能な叢状神経線維腫の小児患者に対し、開発中の経口selumetinibを投与することで、約7割で腫瘍容積が2割以上減少することが示された。米国国立がん研究所のEva Dombi氏らが、第I相臨床試験の結果、明らかにした。神経線維腫症1型関連の叢状神経線維腫は、RASマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)シグナル伝達が活発であるのが特徴で、現状では有効な薬物療法はない。NEJM誌2016年12月29日号掲載の報告。

リスペリドンの功績は、プラセボ比較試験を解析

 リスペリドンは、ジェネリック医薬品が発売された初めての新世代抗精神病薬である。オーストラリア・ローガン病院のRanganath D Rattehalli氏らは、統合失調症治療におけるリスペリドンの臨床効果、安全性、コスト効果についてプラセボとの比較を行った。The Cochrane database of systematic reviews誌オンライン版2016年12月15日号の報告。

EGFR T790Mの血漿検査結果を提供:アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:デイヴィド・フレドリクソン、以下、アストラゼネカ)は、2017年1月5日より、タグリッソ 40mg/80mg(一般名:オシメルチニブメシル酸塩、以下、タグリッソ)のコンパニオン診断薬 コバスEGFR変異検出キットv2.0(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)を用いたT790M血漿検査結果の倫理提供(T790M血漿検査結果提供プログラム)を開始すると発表した。

研修医が行った緑内障手術の再手術・合併症の頻度

 緑内障手術を3年目の研修医が実施した場合、術後最初の90日以内における再手術率や合併症発生率はどのくらいなのか、米国・カリフォルニア大学のYen C Hsia氏らが、後ろ向き調査で調べた結果、再手術率は約4%で、受け入れられる結果であることが示された。また、手術法による再手術率および合併症発生率に差はなく、再手術を要した患者の臨床転帰も良好であったという。Journal of Glaucoma 誌オンライン版2016年12月20日号掲載の報告。

牛乳摂取と認知障害は関連するのか~メタ解析

 牛乳摂取と認知障害との関連性を調査したいくつかの疫学研究における結果は一致していない。今回、中国人民解放軍総合病院のLei Wu氏らが牛乳摂取量と認知障害の関連についてメタ解析を行ったところ、これらに有意な逆相関を認めたが、研究のさまざまなリミテーションにより関連性を立証することはできなかった。Nutrients誌2016年12月号に掲載。

5~18歳の脳震盪、7日以内の運動が回復を促進/JAMA

 急性脳震盪を発症した5~18歳の小児・年少者について、受傷後7日以内に運動を行ったほうが、行わなかった患者と比べて、28日時点の持続性脳震盪後症状(PPCS)を有するリスクが低いことが、カナダ・東オンタリオ研究センター小児病院(CHEO)のAnne M Grool氏らによる前向き多施設共同コホート研究の結果、示された。脳震盪治療ガイドラインでは、受傷直後は症状が治まるまで安静を支持しており、運動が回復を促進するという明白なエビデンスはなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「適切に設計した無作為化試験で、脳震盪後の運動のベネフィットを確認する必要がある」と提言している。JAMA誌2016年12月20日号掲載の報告。

乾癬へのMTX高用量皮下投与は有効か/Lancet

 中等度~重度の尋常性乾癬患者に対するメトトレキサート(MTX)の高用量皮下投与について、52週時点のリスクベネフィットは良好であることが、英国・マンチェスター大学のRichard B Warren氏らによる第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。中等度~重度の尋常性乾癬治療においてMTXは使用頻度の高い全身性薬物の1つだが、その使用に関する高度なエビデンスは少なく、また投与は経口に限られていた。研究グループは、高用量皮下投与の有効性評価を目的に本検討を行った。Lancet誌オンライン版2016年12月21日号掲載の報告。

ネット購入可とした薬剤の安全性懸念にどう対処するか?(後藤 信哉 氏:解説)-633

英国の医療システムは、米国よりも日本に近い。日本では、健康保険システムの支払いを受けるために医療機関は医療経済データベースの構築に寄与せざるを得ない。レセプト電算化により医療経済データベースはさらに充実すると想定される。しかし、「厚生労働省英文発表課」などがないので、蓄積された情報が広く英文論文として発表される仕組みがない。日本の医療は均質、かつ自動的に質が高いデータベースが構築されるのに世界の診療ガイドラインに影響を及ぼすことがない。

せん妄に対するリスペリドン vs. ハロペリドール vs.プラセボ

 せん妄症状に苦慮している患者に対し抗精神病薬が使用されているが、緩和ケアにおけるプラセボ対象試験では、その有効性は確立されていない。オーストラリア・フリンダーズ大学のMeera R Agar氏らは、緩和ケア患者のせん妄症状緩和に対するプラセボまたはリスペリドン、ハロペリドールの有効性を検討した。JAMA internal medicine誌2017年1月号の報告。

先天奇形の出産は長期死亡率を高めるか/JAMA

 先天奇形を有さない児を出産した母親と比べて、先天奇形を有する児を出産した母親の長期死亡率は、わずかだが統計的に有意に高いことが、カナダ・トロント大学のEyal Cohen氏らが行った、デンマーク住民ベースのコホート研究で明らかにされた。ただし、著者は「今回の結果について臨床的重要性は不明である」と述べている。先天奇形のある児の出産は、女性にとって深刻なライフイベントだが、そうした女性の長期的な健康への影響についてはほとんど知られていない。JAMA誌2016年12月20日号掲載の報告。

米国の認知症有病率が低下、その要因は

 高齢化は、認知症者数の増加につながる。しかし、米国や他の高所得国における近年の研究では、認知症の年齢別リスクが過去25年間で減少している可能性があることが示唆されている。認知症の有病率やリスクの現在および今後の人口動向を明らかにすることは、患者、家族、国家プログラムにおいて重要な意味を持つ。米国・ミシガン大学のKenneth M Langa氏らは、2000年と2012年の米国における認知症有病率の比較を行った。JAMA internal medicine誌2017年1月号の報告。

増加する訪日外国人!対応に欠かせない医療通訳の真の役割とは

 多言語遠隔医療通訳サービスを全国の医療機関に提供している一般社団法人JIGHは、2016年12月に都内で日本語・中国語医療通訳者向けの研修会を開催した。2016年に訪日外国人旅行者数は初めて年間2,000万人を突破したが、政府はこれを2020年に4,000万人、2030年に6,000万人に増やす目標を掲げている。それに伴い医療機関でも訪日外国人へ対応する機会が今後増えることが予想され、体制を整えることが求められている。

新生児期の飼い犬との触れ合いがアトピーのリスク低下に関与

 デンマーク・コペンハーゲン大学のSunna Thorsteinsdottir氏らは、コペンハーゲン小児喘息前向きコホート研究(Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood:COPSAC)から2つの独立した出生コホートを用い、生後3年間における室内犬への曝露がアトピー性皮膚炎発症に影響を及ぼすかどうかを検討した。その結果、新生児の室内犬への曝露はアトピー性皮膚炎のリスク減少と強く関連しており、その関連は飼犬頭数に依存的であることを明らかにした。著者は、「機序は不明だが、今回の結果は胎児のときの曝露量がアトピー性皮膚炎のリスクに影響を及ぼす可能性を提起するもので、疾患の経過について早期における環境要因の重要性を強調するものである」とまとめている。Allergy誌2016年12月号(オンライン版2016年8月9日号)掲載の報告。

てんかん重積状態への低体温療法は有益か/NEJM

 痙攣性てんかん重積状態の患者に対し、標準治療に加えて低体温療法を行うことで神経保護効果が得られるのか。フランス・ベルサイユ総合病院のStephane Legriel氏らが多施設共同非盲険無作為化試験を行った結果は、90日アウトカムについて有意な差は認められないというものであった。低体温療法の抗てんかん作用および神経保護効果は、動物モデル試験で認められ、ヒトにおいても超難治性てんかん重積患者にアジュバント療法として用いられている。さらに、これまで脳梗塞や脳出血、脳外傷といったてんかん重積状態の基礎的疾患において、神経保護治療としての検証が行われているが、結果は概して否定的なものであった。NEJM誌2016年12月22日号掲載の報告。

統合失調症はがんになりにくいといわれていたが

 ほぼ一世紀の間、統合失調症患者におけるがんの罹患率は、一般人より低いといわれてきた。しかし、ここ10年間で、がんと統合失調症との関係は明確ではなくなってきている。台湾・台北市病院のL Y Chen氏らは、若者や中年の統合失調症患者におけるがんリスクを調査した。Epidemiology and psychiatric sciences誌オンライン版2016年11月21日号の報告。

2歳未満の中耳炎、抗菌薬投与期間を短縮できるか/NEJM

 生後6~23ヵ月の急性中耳炎乳幼児において、抗菌薬の投与期間を短縮した場合の予後は標準治療と比較して良好とはいえず、有害事象の発現率低下や抗菌薬耐性の出現率低下も認められなかった。米国・ピッツバーグ大学医療センターのAlejandro Hoberman氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照第IIb相試験の結果を報告した。急性中耳炎の小児で抗菌薬の投与期間を制限することは、抗菌薬耐性リスクを低下させ得る戦略と考えられているが、これまで臨床試験でその効果は確認されていなかった。NEJM誌2016年12月22日号掲載の報告。