脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:138

75歳以上も降圧目標120mmHgが至適:SPRINT試験サブ解析/JAMA

 75歳以上の非糖尿病高血圧患者について、目標収縮期血圧値を120mmHgとする強化降圧治療を行ったほうが、同140mmHgとした場合に比べ、心血管イベントや全死因死亡のリスクが、いずれも3割強低下することが示された。米国・ウェイクフォレスト大学医学部のJeff D. Williamson氏らが、2,636例を対象に行った多施設共同無作為化比較試験「SPRINT」の結果で、JAMA誌オンライン版2016年5月19日号で発表した。高齢の高血圧患者への至適治療は、議論の的となっていた。

脳梗塞/TIA再発予防にアスピリン早期投与が有効/Lancet

 一過性脳虚血発作(TIA)または軽度虚血性脳卒中(脳梗塞)後の早期再発リスクは、薬物療法によって低下し、とくにアスピリンが鍵となるとの結果を、英・オックスフォード大学のPeter M Rothwell氏らが、アスピリンの無作為化比較試験を統合し経時的解析を行い報告した。アスピリンは、脳梗塞の長期再発リスクを13%減少することが示され、TIAまたは脳梗塞の2次予防として推奨されている。しかしながら、重大な脳梗塞の再発リスクは急性期に高い。これまで、観察研究では早期から薬物療法を開始するほうが有用性は大きいことが示されていたが、アスピリンの効果は過小評価されていた。結果を踏まえて著者は、「従来考えられていたよりも、アスピリンを早期から開始することは有効であり、TIAが疑われる症状が現れた場合は自らアスピリンを服用するよう公衆衛生教育をしたほうがよい」とまとめている。Lancet誌オンライン版2016年5月18日号掲載の報告。

脳卒中/TIA患者へのticagrelor vs.アスピリン/NEJM

 虚血性脳卒中や一過性脳虚血発作(TIA)の患者に対し、P2Y12受容体拮抗薬ticagrelor(国内未承認)を90日間投与しても、脳卒中や心筋梗塞、死亡の発生リスクは、アスピリンを投与した場合と同等であることが示された。米国・テキサス大学のS.Claiborne Johnston氏らが、33ヵ国1万3,000例超を対象に行った国際多施設共同無作為化二重盲検対照試験SOCRATESで明らかにした。ticagrelorはアスピリンと比べて、急性脳虚血を呈した患者において脳卒中の再発および心血管イベントの予防に、より有効な抗血小板療法とされていた。NEJM誌オンライン版2016年5月10日号掲載の報告より。

心筋梗塞・脳梗塞の発症確率予測モデルを開発~JPHC研究

 わが国の多目的コホート(JPHC)研究から、研究開始時の健診成績・生活習慣からその後10年間の心筋梗塞および脳梗塞の発症確率予測モデルを開発した研究結果が発表された。健診結果から自分で心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを計算できるため、禁煙などの行動変化や生活習慣の変容を通した心血管疾患予防に役立つことが期待される。Circulation journal誌2016年5月25日号に掲載。

複合ピルの肺塞栓症リスク、低用量エストロゲンで低減/BMJ

 複合経口避妊薬は肺塞栓症のリスクを増大することが知られるが、エストロゲンの用量を低量(20μg)とすることで、同高用量(30~40μg)の場合と比べて、肺塞栓症、および虚血性脳卒中、心筋梗塞のリスクは低減することが示された。フランス全国健康保険組織公衆衛生研究部門のAlain Weill氏らが、フランス人女性500万例を対象としてコホート研究の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「エストロゲン20μg用量のレボノルゲストレルを組み合わせた経口避妊薬が、全体として肺塞栓症、動脈血栓塞栓症の低リスクと関連していた」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年5月10日号掲載の報告。

SAPIEN 3のTAVR、intermediate riskの高度AS症例における1年間の治療成績はSAVRに優る(解説:許 俊鋭 氏)-528

外科的AVR(SAVR)がintermediate riskと考えられる症例で、SAPIEN 3を用いたTAVRとSAVRの長期成績を比較した。SAVR症例は、PARTNER 2A試験の背景のpropensity scoreを一致させたSAVR症例と、1年の全死亡、脳卒中合併症率、再手術率、大動脈弁周囲逆流発生率を比較した。primary end pointは、全死亡、脳卒中合併症率、中等度~高度大動脈弁周囲逆流発生率の複合治療成績を比較した。

PARTNER 2試験:TAVRのintermediate riskの高度AS症例における2年間の治療成績はSAVRと同等(解説:許 俊鋭 氏)-527

第1世代のデバイス(SAPIEN)を用いたTAVRは、手術不能大動脈弁狭窄症(AS)および手術がhigh riskと考えられるASに対する治療として、すでに認知されてきた。その後、術者の習熟度が高まるとともにデバイスの改良がなされ、より治療成績が向上し、TAVRはlow riskあるいはintermediate risk 症例に適応が拡大しつつある。

虚血性脳卒中、血管内治療を行うほうが機能的転帰良好/BMJ

 虚血性脳卒中の患者に対し、発症から6~8時間内に血栓除去法などの血管内治療を行うほうがrt-PA静注療法を含む内科的治療のみを行った場合に比べ、発症90日以内の機能的アウトカムは良好である。ポルトガル・リスボン大学のFilipe Brogueira Rodrigues氏らが、10の無作為化比較試験を対象に行ったメタ解析の結果、明らかにした。結果を踏まえて著者は、「今回示されたエビデンスは、現行の介入リソースを再構築する必要性、および治療行為を変更する必要性を支持するものであった」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年4月18日号掲載の報告より。