脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:136

ラクナ梗塞患者の二次予防目的とした血圧目標値は<130mmHgが有益:SPS3/Lancet

 ラクナ梗塞を最近(180日以内)発症した患者に対し、収縮期血圧目標値130mmHg未満とする血圧コントロールは「有益であり支持される」ことを、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のOscar R Benavente氏らがSecondary Prevention of Small Subcortical Strokes(SPS3)試験の結果、発表した。SPS3試験は米国NIH-NINDSの資金提供の下、ラクナ梗塞患者の二次予防を目的に、抗血小板療法および今回発表した血圧管理についてそれぞれ2つのアームを検討した国際共同オープンラベル無作為化試験で、抗血小板療法については先に発表されている。血圧管理は、血圧を下げることは脳卒中予防に結びつくが、脳卒中再発予防の至適目標値は不明であったことから、高値群(130~149mmHg)と低値群(<130mmHg)を設定し、再発への影響を調べたものであった。Lancet誌オンライン版2013年5月29日号掲載の報告より。

地中海食は脳卒中・認知障害・うつ病を予防できるか?

 近年、地中海食と脳卒中や認知症など脳疾患との関連を調査した研究結果がしばしば報告されている。アテネ大学(ギリシャ)のTheodora Psaltopoulou氏らは、地中海食の遵守度と、脳卒中やうつ病、認知障害、パーキンソン病の発症リスクの関連を調査したすべての研究をメタアナリシスによって定量的に評価し、Annals of Neurology誌オンライン版2013年5月30日号に報告した。

皮膚筋炎は心血管および脳血管イベントリスク増大に関連

 皮膚筋炎が、心血管および脳血管イベントリスクの増大に関連しているとの示唆が得られたことを、台湾・国泰総合医院のY.-T. Lai氏らが住民ベースの長期追跡調査の結果、報告した。慢性炎症性自己免疫疾患が心血管リスク増大と関連していることは知られるが、脳血管リスクとの関連についてはほとんど知られていなかった。British Journal of Dermatology誌2013年5月号の掲載報告。

脳卒中およびTIAのリスク評価に有効な新アルゴリズム「Q Strokeスコア」/BMJ

 英国・パーク大学のJulia Hippisley-Cox氏らは、脳卒中やTIA非既往の一般集団の同リスクを推定するための新たなアルゴリズム「Q Strokeスコア」を開発した。同スコアは、プライマリ・ケアで用いることを目的としたもので、従来のCHADS2などと比較検証した結果、より有効であることを報告した。特に抗凝固療法が必要となる可能性がある心房細動を有する患者においてリスクスコアを改善することが示された。今後は、プライマリ・ケアでの使用に値するのか費用対効果の検証が必要であるとまとめている。BMJ誌オンライン版2013年5月2日号掲載の報告より。

脳卒中既往例は、10~20年後の死亡率が非常に高い(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(96)より-

 一過性脳虚血発作(TIA)を含めた脳卒中急性期を30日以上生存しえた例の、長期予後を検討した追跡観察研究である。発症時期は18~50歳であり、高齢発症の脳卒中症例は除かれている。脳卒中の原因の中ではアテローム血栓、あるいはその疑いがもっとも多く、次いで心原性塞栓、ラクナ梗塞とつづく。リスク因子としては喫煙、高血圧が多い。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(87)〕 クリプトコッカス髄膜炎に対する抗真菌薬の併用療法は単独療法より有効か?

 クリプトコッカス髄膜炎は、進行したHIV感染症患者でよくみられる日和見感染症である。HIV感染症に合併したクリプトコッカス髄膜炎の治療は、導入療法、地固め療法、維持(あるいは抑制)療法の3段階に分けられる。米国感染症学会のガイドラインでは、導入療法としてアムホテリシンBとフルシトシンの併用療法を第一選択と位置付けている。この治療法は、アムホテリシンB単独投与と比べ、髄液の無菌化に要する時間を短縮させることがわかっていたものの、死亡率を低減させるかどうかについては明らかになっていなかった。

クリプトコッカス髄膜炎に対する抗真菌薬併用療法の有効性を確認/NEJM

 クリプトコッカス髄膜炎に対し、治療ガイドラインではアムホテリシンBデオキシコール酸(商品名:ファンギゾンほか)とフルシトシン(同:アンコチル)による抗真菌薬併用療法が推奨されている。しかしアムホテリシンB単独療法と比べて同療法による死亡率の低下は示されなかった。その後の検討で、高用量アムホテリシンBおよび高用量フルコナゾールの各単独療法の有効性は示され、ベトナム・オックスフォード大学臨床研究ユニットのJeremy N. Day氏らは、未検討であった高用量アムホテリシンB+フルシトシンあるいは高用量フルコナゾール(商品名:ジフルカンほか)との併用療法の有効性について無作為化オープンラベル試験を行った。その結果、高用量アムホテリシンB+フルシトシンの併用療法による生存改善は認められたが、高用量アムホテリシンB+高用量フルコナゾールについては有効性が認められなかったことを報告した。NEJM誌2013年4月4日号掲載の報告より。

18~50歳成人の脳卒中後20年累積死亡率、一般成人の予測死亡率の2.6~3.9倍/JAMA

 18~50歳成人の脳卒中後20年間の累積死亡率は、一般成人の予測死亡率よりもかなり高いことが明らかになった。オランダ・ナイメーヘン・ラットバウト大学医療センターのLoes C. A. Rutten-Jacobs氏らが報告した。これまで同年代成人の初発脳卒中後の死亡率についての報告は不十分で、一般的には脳梗塞に限られたものであったという。脳卒中は主に高齢者で発生するが、約10%は50歳未満の若・中年者で発生している。JAMA誌2013年3月20日号掲載の報告より。

脳梗塞再発予防のための卵円孔開存閉鎖術vs.薬物療法/NEJM

 これまで有効性が明らかとなっていなかった、原因不明の脳梗塞を起こした成人患者に対する再発予防目的の卵円孔開存閉鎖術について、薬物療法と比較した無作為化試験の結果が報告された。intention-to-treat解析では閉鎖術の有意なベネフィットは認められなかったが、事前に規定したper-protocolコホートなどでは有意差が認められたという。米国・コロラド・デンバー大学/コロラド大学病院のJohn D. Carroll氏らが、980例を対象とした前向き多施設共同無作為化オープンラベル試験の結果、報告した。NEJM誌2013年3月21日号掲載の報告より。

結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の治療に新たな選択肢

 結節性硬化症は、遺伝子(TSC1、TSC2)の異常により、全身に良性の腫瘍が形成され、それに伴い、さまざまな症状が引き起こされる遺伝性の希少疾患である。胎児期から成人まで、年齢に応じて特徴的な腫瘍がさまざまな部位に発生するため、それぞれの腫瘍に対してすべて1つの科で診療することはできず、小児から成人に至る過程で発生する腎血管筋脂肪腫などを見逃す可能性がある。その現状と課題について、ノバルティス ファーマ メディアフォーラム(2013年2月26日開催)にて、大阪大学泌尿器科 教授 野々村 祝夫氏が講演した。その内容をレポートする。