脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:136

重症外傷患者への即時全身CTは有用か/Lancet

 重症外傷患者に対する即時の全身CTスキャン診断は、標準放射線精密検査を行った場合と比較して、院内死亡の低下には結び付かないことが、オランダ・アムステルダム大学医療センターのJoanne C Sierink氏らによる無作為化試験の結果、示された。先行研究において、外傷患者の初期評価における、全身CTスキャンの生存へのベネフィットが示唆されていた。ただし、レベル1のエビデンス報告はなかった。Lancet誌オンライン版2016年6月28日号掲載の報告。

新規医療機器の承認と安全性をめぐる議論、問題の本質とは/BMJ

 欧州連合(EU)で先に承認された医療機器は、米国で先に承認された医療機器と比べて、市販後の安全性に関する警告およびリコールの割合が高いことが、ハーバード大学リベラルアーツ学部のThomas J Hwang氏らによる検討の結果、示された。EUでは、医療機器の承認は民間の認証機関によって行われ、性能基準を満たし安全と見なされれば、同機関が有効性のエビデンスを求めることはほとんどない。そのためハイリスク医療機器についても、米国では食品医薬品局(FDA)が前向き臨床試験を求めるが、EUでは速やかに承認される。そうした中で、厳正な臨床試験が行われずに承認された埋設医療機器の安全性をめぐる議論が巻き起こったのを契機に、EUと米国で規制見直しを求める声が高まっているという。BMJ誌オンライン版2016年6月28日号掲載の報

ATACH-2とINTERACT2:脳出血の急性期に血圧をどう管理すべきか?(解説:有馬 久富 氏)-563

急性期脳出血に対する、積極的降圧療法の効果を検討したATACH-2試験の結果が、N Engl J Med誌に掲載された。ATACH-2は、無作為化オープン比較試験である。発症4.5時間以内で、収縮期血圧180mmHg以上の脳出血患者が、収縮期血圧110~139mmHgを目標とする積極的降圧療法群と、140~179mmHgを目標とする通常治療群に無作為に割り付けられた。

CYP2C19遺伝子異型がクロピドグレルの併用効果に影響/JAMA

 軽度の脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)を呈した患者で、CYP2C19機能欠失型対立遺伝子キャリアの患者は、クロピドグレルとアスピリンを併用しても、脳卒中の発症リスクはアスピリンのみの投与と同等であることが示された。中国・首都医科大学のYilong Wang氏らが、同国の患者2,933例を対象に行った無作為化比較試験の結果、明らかにした。これまで、CYP2C19遺伝子異型と臨床的アウトカムについてのデータは限定的であった。JAMA誌オンライン版2016年6月23日号掲載の報告。

9のタンパク質からなるCHD患者の心血管リスク予測スコア/JAMA

 安定冠動脈性心疾患(CHD)患者の心血管アウトカムを予測する、タンパク質ベースの新たなリスクスコアが開発された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のPeter Ganz氏らが手がけたもので、スコアは9つのタンパク質からなり、改訂フラミンガムリスクスコアと比べて4年以内の心筋梗塞・脳卒中・心不全・全死因死亡の予測に優れる。ただし、識別精度がまだ低く、さらなる検証が必要な段階ではあるという。JAMA誌2016年6月21日号掲載の報告。

世界における一過性脳虚血発作(TIA)の実態(解説:有馬 久富 氏)-558

一過性脳虚血発作(TIA)の大規模国際共同登録研究であるTIAregistry.orgより、1年追跡調査の結果がNew Engl J Med誌に掲載された。世界21ヵ国61施設から登録された4,789例のTIA患者を1年間追跡したところ、脳卒中の累積発症率は5.1%であり、その半数以上がTIA発症30日以内に発症していた。また、ABCD2スコア高値、頭部画像における複数の急性虚血病変、アテローム血栓性の機序によるTIAなどが脳卒中発症の有意な危険因子であった。

心房細動へのNOAC3剤とワルファリンの有用性を比較/BMJ

 すべての非ビタミンK阻害経口抗凝固薬(新規経口抗凝固薬;NOACs)は、日常診療において安全かつ有効なワルファリンの代替薬になりうる。デンマーク・オールボー大学病院のTorben Bjerregaard Larsen氏らが、デンマーク国内の大規模観察コホート研究の結果、報告した。NOACsとワルファリンとで虚血性脳卒中の発症に有意差はなく、死亡・出血・大出血はワルファリンに比しアピキサバン(商品名:エリキュース)およびダビガトラン(同:プラザキサ)で有意に低いことが示されたという。NOACsの使用は導入以来増加し続けているが、リアルワールドでNOACsの有効性と安全性をワルファリンと比較した研究は限られていた。BMJ誌オンライン版2016年6月16日号掲載の報告。

女性の片頭痛は心血管疾患イベントおよび死亡リスクを増大(解説:中川原 譲二 氏)-556

ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のTobias Kurth氏らは、約12万例の女性を対象とした20年以上に及ぶ前向きコホート研究を解析し、女性の片頭痛と心血管死を含む心血管疾患イベントとの間に一貫した関連が認められたことを報告した(BMJ誌オンライン版2016年5月31日号掲載の報告)。

抗凝固療法、ポリファーマシーによる影響は?/BMJ

 ポリファーマシー(多剤併用)による抗凝固療法への影響を調べるため、英国・ラドバウド大学ナイメーヘン医療センターのJeroen Jaspers Focks氏らは、ARISTOTLE試験の事後解析を行った。同試験は、心房細動患者を対象にアピキサバン vs.ワルファリンを検討したものである。解析の結果、被験者の4分の3が5剤以上のポリファーマシーを受けており、そうした患者では、併存疾患、薬物相互作用および死亡の有意な増大や、血栓塞栓症、出血性合併症の発症率が有意に高率であることが明らかになった。そのうえで、併用薬剤数に関係なく、アピキサバンのほうがワルファリンよりも有効性に優れることが認められ、安全性も大出血に対するベネフィットはアピキサバンのほうが大きかったが、併用薬剤数が多いほどワルファリンとの差は減少することが示されたという。BMJ誌オンライン版2016年6月15日号掲載の報告。

全粒穀物の摂取は、あらゆる死亡リスクを下げる/BMJ

 全粒穀物の摂取は、心血管疾患、がん、全死亡、呼吸器疾患・感染症・糖尿病・非心血管疾患または非がんによる死亡のリスク低下と関連していることを、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのDagfinn Aune氏らが、前向き研究のシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。全粒穀物の摂取量の多さと、2型糖尿病、心血管疾患および体重増加のリスク低下が関連することが示唆されていたが、慢性疾患や死亡リスクを低下させるための全粒穀物の摂取量や種類はよくわかっていなかった。著者は、「慢性疾患や早期死亡のリスクを減らすために全粒穀物を多く摂取する食事ガイドラインが推奨される」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。