神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:157

抗てんかん薬、神経膠腫術後患者の言語記憶を改善

 抗てんかん薬投与を受ける悪性度の高い神経膠腫(high-grade glioma、HGG)の患者について、認知機能の低下などさまざまな有害事象が報告されている。しかし従来薬、新薬ともに抗てんかん薬の認知機能への影響について、これまで大部分が不明であった。オランダ・VU University Medical CenterのMarjolein de Groot氏らは、HGG術後患者に対する抗てんかん薬の認知機能への影響を調べた。Neuro Oncology誌オンライン版2012年12月11日号の掲載報告。

レベチラセタムは末梢性の鎮痛・抗浮腫作用を示す

 セルビア・ベオグラード大学のRadica M. Stepanovic-Petrovic氏らは、ラット炎症性疼痛モデルを用いて、レベチラセタムの末梢局所における鎮痛・抗浮腫作用とその作用機序について検討した。その結果、レベチラセタムはオピオイド受容体、アドレナリン受容体、アデノシン受容体、5-HT受容体を介して末梢性の鎮痛作用を示すことが明らかになった。Anesthesia & Analgesia誌2012年12月号(オンライン版2012年11月9日号)の掲載報告。

アレムツズマブ、再発寛解型多発性硬化症の再発を抑制:CARE-MS I試験/Lancet

 活動性の早期再発寛解型多発性硬化症(RRMS)の治療において、アレムツズマブ(alemtuzumab:国内未承認)はインターフェロンβ1aに比べ再発を有意に抑制するが、障害の集積の抑制効果には差がないことが、米国・クリーブランド・クリニックのJeffrey A Cohen氏らが行ったCARE-MS I試験で示された。ヒト化抗CD52モノクローナル抗体であるアレムツズマブは、血中のTリンパ球およびBリンパ球を枯渇させ、結果としてその再生を促すことで効力を発揮すると考えられる。未治療RRMSを対象とした第II相試験では、その疾患活動性の抑制効果が確認されている。Lancet誌2012年11月24日号(オンライン版2012年11月1日号)掲載の報告。

認知症ケアでプライマリケア・リエゾンに求められる3つのポイント

 英国・ウスター大学のKay de Vries氏らは、認知症ケアでプライマリ・ケア・リエゾン(primary care liaison)に求められるコンピテンシーについて文献等レビューと協議などを行い、主として「カウンセリング」「スクリーニング」「健康教育・促進」の3領域が同定されたと報告した。Primary Health Care Research & Development誌オンライン版2010年11月6日号の掲載報告。

てんかん患者のうつ病有病率は高い

 てんかんはうつ病と有意に関連しており、うつ病はてんかんを持つ人(PWE)において高頻度に認められることが、カナダ・カルガリー大学のKirsten M Fiest氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。著者は、「この所見は、PWEでのうつ病の適切な診断と治療の重要性を強調するものである」と結論している。Neurology誌オンライン版2012年11月21日号の掲載報告。

認知症の原因疾患のひとつ「シェーグレン症候群」その関連は?

 認知症の原因疾患のひとつであるシェーグレン症候群(SS)は、外分泌腺が関与する自己免疫疾患で、目が乾く、口が乾燥するなどといった症状が認められる。高齢者の1.9~3.0%が発症すると言われており、20%の患者で認知症などの中枢神経系疾患を合併する。星ヶ丘厚生年金病院 吉川 健治氏らは、メモリークリニックを受診している患者におけるSSの有病率と影響を明らかにしようと試みた。Journal of the neurological sciences誌オンライン版2012年11月15日号の報告。

片頭痛と脳病変進行、女性の深部白質病変を除き有意な関連みられず/JAMA

 片頭痛を有する男女のMRI所見を9年前のものと比べて比較した結果、女性では深部白質病変の発生が高率にみられたが、その他のMRIで確認されていた脳病変の進行は有意にはみられなかったことが、また男性ではあらゆるMRI既往脳病変の進行との関連がみられなかったことが報告された。オランダ・ライデン大学医療センターのInge H. Palm-Meinders氏らが、先行研究で片頭痛とMRI脳虚血病変との関連が示されていたことを踏まえて行った検討で、結果について著者は、「脳血管の構造的変化に果たす片頭痛の役割について疑問を呈する所見となった」と述べている。JAMA誌2012年11月14日号掲載報告より。

認知症の進行予防にビタミンEは有効か?

 アルツハイマー型認知症(AD)および軽度認知障害(MCI)進行予防としてのビタミンEについて、ベネフィットがあるという確実なエビデンスはみつからなかったと、英国・サセックス大学のNicolas Farina氏らが報告した。結果を受けて著者は、「今後の試験では、ADにおけるビタミンEの評価をα‐トコフェロールに限定しないで行うべきかもしれない」と提言している。本研究は、ビタミンEにはフリーラジカルを消失する抗酸化作用があり、一方でフリーラジカルがADなど病理学的な認知障害プロセスに寄与するとのエビデンスがあることを踏まえて行われた。Cochrane database of systematic reviews 2012年11月14日掲載の報告。