神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

片頭痛に対する抗CGRPモノクローナル抗体の有効性と安全性~メタ解析

 片頭痛に対して、いくつかの抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)モノクローナル抗体が承認されているが、どの抗CGRPモノクローナル抗体が最適なのかについては、よくわかっていない。中国・四川大学のXing Wang氏らは、片頭痛成人患者に対するCGRPまたはCGRP受容体に作用する各モノクローナル抗体の有効性および安全性を比較するため、ランダム化比較試験のネットワークメタ解析を実施した。Frontiers in Pharmacology誌2021年3月25日号の報告。

聴覚・視力双方が低下すると認知症のリスク上昇?

 聴覚と視力の双方が低下していると、認知症のリスクが約2倍に上昇する可能性を示唆するデータが報告された。ただし聴覚または視力のいずれかのみが低下している場合、有意な影響は認められないという。江原大学校(韓国)のJin Hyeong Jhoo氏らの研究によるもので、詳細は「Neurology」に4月7日掲載された。  聴覚と視力の双方が低下している場合と、いずれか一方のみが低下している場合とで影響が異なるという研究結果について、Jhoo氏は、「理由は明らかでないが、機能低下がいずれか一方のみであれば通常、脳の働きの刺激となる社会的な接触の機会を維持でき、また双方が低下している人ほどには孤立したり落ち込んだりすることが少ないためではないか」と述べている。同氏によると、聴覚と視覚の障害は孤立やうつのリスクを高め、孤立やうつは認知症のリスクを高める可能性が先行研究から示されているという。

経口rimegepantに片頭痛の予防治療効果を確認/Lancet(解説:中川原譲二氏)-1387

経口カルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体拮抗薬rimegepantは、すでに急性期治療における有効性と安全性が確認されているが、著者らは新たに、片頭痛の予防治療におけるrimegepantの有効性を検討した。片頭痛の予防治療におけるrimegepantの有効性の評価を目的とする多施設二重盲検プラセボ対照無作為化第II/III相試験が、米国の92施設で行われた。対象は、1年以上持続する片頭痛を有する成人が登録された。被験者は、4週間の観察期の後、経口rimegepant 75mg、またはプラセボを隔日投与する群に無作為に割り付けられた(12週間の治療期)。

RAAS系阻害薬と認知症リスク~メタ解析

 イタリア・東ピエモンテ大学のLorenza Scotti氏らは、すべてのRAAS系阻害薬(ARB、ACE阻害薬)と認知症発症(任意の認知症、アルツハイマー病、血管性認知症)との関連を調査するため、メタ解析を実施した。Pharmacological Research誌2021年4月号の報告。  MEDLINEをシステマティックに検索し、2020年9月30日までに公表された観察研究の特定を行い、RAAS系阻害薬と認知症リスクとの関連を評価した。ARB、ACE阻害薬と他の降圧薬(対照群)による認知症発症リスクを調査または関連性の推定値と相対的な変動性を測定した研究を抽出した。研究数および研究間の不均一性に応じて、DerSimonian and Laird法またはHartung Knapp Sidik Jonkman法に従い、ランダム効果プール相対リスク(pRR)および95%信頼区間(CI)を算出した。同一研究からの関連推定値の相関を考慮し、線形混合メタ回帰モデルを用いて検討した。

片頭痛予防のための抗CGRPモノクローナル抗体による治療のベネフィット

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体モノクローナル抗体(抗CGRP抗体)は、反復性および慢性の片頭痛の予防に対するランダム化比較試験において有効性が示されているが、現在確立されている治療方法と直接比較した研究は行われていない。ギリシャ・General Hospital of AigioのKonstantina Drellia氏らは、反復性片頭痛の予防に対する抗CGRP抗体、トピラマート、プロプラノロールおよび慢性片頭痛の予防に対する抗CGRP抗体、トピラマート、onabotulinumtoxinAのベネフィット・リスク比の違いについて検討を行った。Cephalalgia誌オンライン版2021年2月10日号の報告。

緑豊かな環境は脳卒中の発症リスク低下と関連、AHAニュース

 近隣に緑が豊富であればあるほど、脳卒中の発症リスクは低下するという研究結果が報告された。米マイアミ大学ミラー医学部のWilliam Aitken氏らによるこの研究結果は、国際脳卒中学会(ISC 2021、3月17〜19日、オンライン開催)で発表された。Aitken氏は、「自然環境が健康に影響を与えることを示すエビデンスは数多くあるが、われわれは、とりわけ脳卒中に与える影響について検討したかった。この研究結果は、住んでいる場所がその人の健康に影響を与えることを示す、新たなエビデンスとなるものだ」と話している。

魚を食べると認知症になりにくい?―JPHC研究

 日本人一般住民を15年間追跡した研究から、魚介類の摂取量が多いことが認知症リスクの低下につながる可能性が示された。国立がん研究センターなどによる多目的コホート研究(JPHC研究)によるもので、詳細は「Journal of Alzheimer's Disease」に2月2日掲載された。  これまでの研究から、認知症の3分の1はそのリスク要因を取り除くことで予防できる可能性が報告されており、また、魚介類の摂取が認知症リスク低下と関連しているとの報告もある。しかし、主に欧米で行われた研究報告のメタ解析では、魚介類摂取による明確な認知症抑制効果は示されなかった。その理由として、それらの研究は追跡期間が短いために、長期間かけて徐々に進行する認知機能低下の差異を把握できなかった可能性や、欧米人の魚介類摂取量は日本人に比べて少ないことが関係していると考えられている。

口の中の健康状態が悪いと認知症医療費がかさむ―三重県での調査

 歯の本数や歯周病の重症度が認知症の医療費と有意に関連することが、日本人対象の研究から明らかになった。愛知学院大学歯学部口腔衛生学講座の嶋崎義浩氏らが、三重県在住高齢者の医療データを解析した結果であり、詳細は「American Journal of Alzheimer's Disease and Other Dementias」に2月25日掲載された。  認知症は世界的に増加しており、医療・福祉財政の負担が問題になりつつある。一方、口腔健康状態が認知症リスクと関連することが、近年注目されている。しかし、医療費の視点から両者の関係を検討した研究は見られない。

コリンエステラーゼ阻害薬で治療した認知症高齢者における抗精神病薬の使用~コホート研究

 認知症に関連する行動症状のマネジメントのために抗精神病薬が用いられるが、各コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)と抗精神病薬使用開始との関連に関するエビデンスは不足している。米国・ヒューストン大学のSanika Rege氏らは、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンで治療された認知症高齢者における抗精神病薬使用開始リスクの比較を行った。Drugs & Aging誌オンライン版2021年3月25日号の報告。  パートA、B、Dを含む2013~15年のメディケアクレームデータを用いて、レトロスペクティブに検討を行った。対象は、認知症と診断された65歳以上の地域在住高齢者。ChEIの新規使用患者を特定し、抗精神病薬の使用開始について最大180日間フォローした。ChEIはドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、抗精神病薬は定型および非定型抗精神病薬を含めた。ドネペジルは、最も一般的に使用されている薬剤であり、アセチルコリンエステラーゼのみに作用することから、参照カテゴリーとして用いた。他のリスク因子で調整した後、3種類のChEIにおける抗精神病薬使用開始リスクと開始までの期間を比較するため、多変量Cox比例ハザード解析を用いた。

レベチラセタムは、全般/分類不能てんかんの第一選択薬か/Lancet

 全般てんかんおよび分類不能てんかんの治療において、レベチラセタムにはバルプロ酸に匹敵する臨床効果はなく、質調整生存年(QALY)に基づく費用対効果もバルプロ酸のほうが良好であることが、英国・リバプール大学のAnthony Marson氏らが実施した「SANAD II試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2021年4月10日号で報告された。  研究グループは、新たに診断された全般てんかんおよび分類不能てんかんの治療におけるレベチラセタムの長期的な臨床的有効性と費用対効果を、バルプロ酸と比較する目的で、非盲検無作為化第IV相非劣性試験を行った(英国国立健康研究所[NIHR]医療技術評価プログラムの助成による)。