市中肺炎 治療成否の予測因子 市中肺炎治療の成否を決める簡便な臨床的予測因子は早期では「胸水の貯留」、晩期では「多葉性の肺炎」であることをスペイン・Parc Tauli大学研究所のIgnacio Martin-Loeches氏らが報告した。また、IL-6と治療不成功、IL-6およびPCTと晩期の治療不成功に相関関係が認められたことにも言及している。Respiratory Research誌オンライン版2014年7月5日号の掲載報告。
β遮断薬長期服用の乾癬発症リスク 米国・ブラウン大学のShaowei Wu氏らによる前向きコホート研究の結果、長期にわたる高血圧症は乾癬リスクを増大すること、またβ遮断薬の常用も乾癬リスクを増大する可能性があることを報告した。
飲酒と死亡率~約40万人の大規模前向き研究 国際がん研究機関(IARC、本部:フランス)のPietro Ferrari氏らは、「欧州がんと栄養前向き調査」(EPIC)により、飲酒と死亡率の関連を調節する因子の役割を調べ、死亡の絶対リスクを推定した。この欧州大規模コホートの結果、飲酒は、全死亡率、飲酒関連がんによる死亡、暴力による死傷と明らかな関連がみられたが、CVD/CHD死亡との関連はわずかであった。また、EPICにおける死亡の絶対リスクから、飲酒が全死亡率の重要な決定因子であることが示唆された。BMJ open誌2014年7月号の掲載報告。
うつ病と脳卒中リスクの関連、男性のほうが強い うつ病と脳卒中リスク増加との関連に人口統計学的および社会経済的要因が影響するかどうかについて、島根大学プロジェクト研究推進機構の濱野 強氏らが検討した。その結果、うつ病の脳卒中に対する影響は男性のほうが大きいことが示され、著者らは「男女における根本的なメカニズムを調べるためにさらなる研究が必要」としている。Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry誌オンライン版2014年6月26日号に掲載。
百日咳ブースターワクチン、思春期接種も必要?/BMJ 英国では2001年に、就学前の百日咳ブースターワクチン接種が導入され、導入前には長引く咳でプライマリ・ケアを受診した学齢児の37%で、百日咳が見つかっていた。しかし導入後もいまだに5人に1人(20%)の割合で百日咳が見つかることが、オックスフォード大学Kay Wang氏らによる5~15歳児を対象とした前向きコホート研究の結果、明らかにされた。著者は、「ワクチン接種を完了した小児においても臨床的に重大な咳が起きる可能性が示された」と述べ、「今回の結果は、思春期における百日咳ブースターワクチン接種の必要性を考えるべきであることを知らしめるものとなるだろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年6月24日号掲載の報告より。
喫煙する家族と暮らす女性は脳卒中リスクが増加~日本の大規模前向きコホート研究 大阪・愛知・宮城の三府県コホート研究グループでは、日本の大規模前向きコホート研究のデータを用いて、成人期の受動喫煙曝露と脳卒中およびそのサブタイプとの関連を検討した。その結果、成人期の家庭内受動喫煙曝露が非喫煙女性の脳卒中リスクの増加に関連していることが示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2014年6月28日号に掲載。
高血圧は全ての心血管疾患発症リスク:英国プライマリケア医登録研究(解説:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(219)より- 日本の「高血圧治療ガイドライン2014」では中年層の降圧目標が根拠が乏しいまま緩和されたが、それを再び見直す必要を思わせる英国プライマリ・ケア医登録追跡研究データである。
がんの痛みは我慢しない! 疼痛管理の現状と問題点を第一人者がレクチャー 6月24日、金原出版は、患者向けの解説書である『患者さんと家族のためのがんの痛み治療ガイド(第1版)』(特定非営利活動法人 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン委員会編)の出版を記念し、編者の1人である佐藤 哲観氏(弘前大学医学部附属病院 麻酔科 緩和ケア診療室)を講師に迎え、「がんの痛みはとれるんです!」と題するプレスセミナーを開催した。同書は、患者にがん性疼痛管理の内容を知ってもらうために制作されたものである。
血圧変動は心血管イベントや死亡率を予測するか:日本を含む国際研究 自由行動下血圧の血圧変動と死亡率や心血管イベントとの関連が議論されているが、血圧変動が高血圧患者における心血管イベントおよび死亡率を予測するかどうか、日本を含む国際研究において検討された。その結果、夜間の血圧変動が全死因死亡率、心血管疾患死亡率、心血管イベントの独立した予測因子であったことをイタリア・パドヴァ大学のPaolo Palatini氏らが報告した。Hypertension誌オンライン版2014年6月16日号に掲載。