内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:579

メディカルフードのセラミン、痛みと炎症を改善

 セラミン(Theramine、アミノ酸混合物68405-1:AAB)は、米国において医師の処方によってのみ使用することができるメディカルフードで、神経伝達物質前駆体(アミノ酸)からの神経伝達物質合成が増加する。開発者である米国・ターゲットメディカルファーマ社のWilliam E Shell氏らは、セラミンが慢性腰痛の著明改善と炎症の軽減をもたらすことを無作為化二重盲検比較試験により明らかにした。血中における神経伝達物質の増加と腰痛改善との関連が示唆されるという。American Journal of Therapeutics誌オンライン版2014年9月18日号の掲載報告。

認知症の精神症状、さらなる評価が必要

 認知症をめぐる精神神経症状は、介護者のストレス、および施設入所を決定付ける主要因子である。しかし、その有病率、また薬物療法や介護者ストレス、さらにプライマリケア資源利用との関連については、ほぼ不明である。ドイツ・ロストック大学のStefan J. Teipel氏らは、プライマリケア介入試験から抽出したサンプルで、それらを明らかにする検討を行った。結果、プライマリケアの介入デザインにおいて、さらなる精神神経症状への介入を強調する所見が得られたことを報告した。International Psychogeriatrics誌オンライン版2014年9月23日号の掲載報告。

世界中で急拡大 「デング熱」の最新知見

 今夏、日本国内で、海外渡航歴がないにもかかわらずデング熱を発症した患者が発見された。日本国内での感染は1940年代前半の流行以来、実に約70年ぶりであり、患者数は158人に上った(2014年10月14日現在)。全世界では、現在25億人以上がデング熱流行地で生活している。そして、年間5,000万人以上がデング熱を発症しており、近年急速な広がりをみせている。

糖尿病患者への意思決定支援ツールの効果/BMJ

 患者指向の治療意思決定支援(デシジョンエイド)の有用性について、相当量を投じても同ツールの使用で期待される患者のエンパワメント改善には結び付かないことが、オランダ・フローニンゲン大学医療センターのPetra Denig氏らによる、プラグマティック無作為化試験の結果、明らかにされた。原因として、大半の患者が、同ツールを完全には使いこなしていないことが判明したという。デシジョンエイドは、治療管理における患者と医師の意思疎通を助け、患者指向型の治療ゴール設定を促進することが可能とされる。本検討では複数の疾患を抱える糖尿病患者についての有用性を検討した。BMJ誌オンライン版2014年9月25日号掲載の報告より。

中国、日本は他国より疼痛有病率・治療率が低い

 米国・Kantar Healthが実施したNational Health and Wellness Survey(NHWS)によると、新興国と先進国のいずれにおいても、疼痛はQOLや機能、活動、労働生産性などすべての健康状態の評価項目に影響していることが明らかになった。また、新興国の中国、先進国の日本はともに、他の国よりも疼痛有病率と治療率が低いことも報告された。

慢性膝痛に鍼・レーザー鍼治療は有効か/JAMA

 50歳以上の中等度~重度の慢性膝痛患者に対する鍼治療やレーザー鍼治療は、疼痛の緩和や身体機能の改善に有効ではないことが、オーストラリア・メルボルン大学のRana S. Hinman氏らの検討で示された。慢性膝痛はプライマリケア医を受診する高齢者に最も高頻度にみられる疼痛であり、典型的には骨関節炎に起因し身体機能を低下させる。鍼治療は慢性膝痛の最も一般的に用いられる代替治療で、使用機会は増加傾向にあるという。従来の鍼だけでなく、経穴への非侵襲的な低出力レーザー鍼治療の有用性を示すエビデンスがある。JAMA誌2014年10月1日号掲載の報告。

ADVANCE-ON試験:一定期間の降圧治療の有無でも、長期的な心血管イベント発症に影響(解説:桑島 巌 氏)-260

2型糖尿病合併高血圧患者で、大血管障害を予防するためには、血糖管理に加えて、厳格な血圧管理が非常に重要であることは、UKPDS38という有名な臨床試験で証明されていた。しかし、厳格血圧コントロールといっても平均144/82mmHg、通常血圧管理群154/87mmHgという高いレベルでの比較だった。

レビー小体型認知症(DLB)、アルツハイマー型(AD)との違いは?

 2014年9月19日、アルツハイマー型認知症(AD)治療薬アリセプト(一般名:ドネペジル)について、レビー小体型認知症(DLB)の効能・効果が承認された。都内で10月8日に開催されたエーザイ株式会社によるプレスセミナーでは、横浜市立大学名誉教授の小阪 憲司氏と、関東中央病院 神経内科部長の織茂 智之氏が講演した。世界で初めてDLB例を報告し、DLB家族を支える会の顧問でもある小阪氏は、「DLBは最もBPSD(行動・心理症状)を起こしやすい認知症であり、患者さんの苦しみも強く介護者の苦労も多い」と述べ、患者さんや介護者のQOLを高めるため、早期診断・早期治療の重要性を強調した。DLBは誤診されやすく、診断にはDLBの特徴を知ることが必要である。本稿では、織茂氏の講演からDLBの特徴を中心に紹介する。