内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:552

1回の健診で26年後の心疾患やがんを予測可能?

 1回の健康診断の結果から、26年後の心血管疾患やがん、糖尿病を予測することは可能だろうか。スウェーデン・Habo健康管理センターのLars-Goran Persson氏らは、ベースライン時33~42歳の若年男性のコホートにおいて、1回の健康診断で得られた生活習慣および生物学的リスクマーカーの結果と26年後の心血管疾患やがんの罹患率・死亡率、糖尿病の罹患率との関連を検討した。その結果、1回の検査で確認されたリスク因子(とくに喫煙、BMI、血清コレステロール)により、26年後における心血管疾患、がん、糖尿病を予測できる可能性が報告された。BMJ Open誌2015年5月6日号に掲載。

禁煙プログラム、成功報酬型が効果的/NEJM

 禁煙継続のためのインセンティブプログラムは、デポジット方式(預託金+報酬型)よりもリワード方式(成功報酬型)のほうが多くの人に受け入れられ、禁煙継続率が高い。また、集団指導のほうが個人指導よりも禁煙率は高率であったが有意な差はなかったことが、米国・ペンシルベニア大学のScott D. Halpern氏らによる無作為化試験の結果、報告された。インセンティブプログラムは、種々の健康行動を促進するために取り入れられているが、効果的な方法については明らかにされていない。禁煙プログラムについては、これまでデポジット方式とリワード方式を比較したことがなく、また集団指導のほうが競争心をあおり効果的だと考えられてきたという。NEJM誌オンライン版2015年5月13日号掲載の報告より。

長期血圧変動性とCKD発症リスク~日本人5万人の調査

 非糖尿病者における長期血圧変動性が、他の血圧パラメータ(平均血圧、血圧への累積曝露など)と代謝プロファイルの変化に関係なく、慢性腎臓病(CKD)の新規発症リスクと関連しているかどうかは、いまだ不明である。今回、米国・ノースウェスタン大学の矢野裕一朗氏らは、糖尿病およびCKDではない中高年の日本人約5万人の調査データから、3年間の長期血圧変動性が、追跡期間中の血圧の曝露(平均もしくは累積)や代謝プロファイルの変化に関係なく、CKDの新規発症リスクと関連していたことを報告した。Hypertension誌オンライン版2015年5月18日号に掲載。

慢性疼痛は健康状態だけでなく経済的損失にも関与~日本人のデータ

 日本人の10~20%は慢性疼痛を有しており、慢性疼痛は健康状態の悪化と関連することが知られている。大阪大学大学院 医学系研究科医療経済産業政策学寄附講座 教授の田倉 智之氏らは、日本人において慢性疼痛が及ぼす経済的影響について調査した。結果、慢性疼痛は健康状態のみならず労働生産性、日常生活活動障害、医療資源の使用および経済的負担と有意に関連していることを明らかにし、「治療率の向上と集学的なアプローチが生活の質を改善し経済的負担を減らす可能性がある」と報告した。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2015年5月12日号の掲載報告。

握力検査で心血管疾患リスクを予測/Lancet

 握力検査は、全死因死亡や心血管死、心血管疾患の簡便で安価なリスク層別化法であることが、カナダ・マクマスター大学のDarryl P Leong氏らPURE試験の研究グループの検討で示された。握力検査による筋力低下と死亡リスク増大の関連が多くの研究で示唆され、そのメカニズムは不明であるものの、死亡リスクの層別化の迅速で安価な方法として注目を集めている。一方、筋力測定の予後因子としての意義に関する既存のエビデンスは高所得国に限られ、全死因や原因別の死亡に焦点が絞られているという。Lancet誌オンライン版2015年5月12日号掲載の報告より。

女性もBMI高いと大腸がんリスク増加

 男性ではBMIが高いと大腸がんリスクが増加することが明らかだが、女性でははっきりしていない。米国・ベイラー医科大学のAaron P Thrift氏らは、BMIと大腸がんの因果関係を、観察研究ではなくメンデルランダム化研究により推定した。その結果、女性において高BMIが大腸がんリスク増加に関連していたことを報告した。また、男性において腹部肥満が全身肥満より重要な危険因子かどうか、さらなる調査が必要と述べている。Cancer epidemiology, biomarkers & prevention誌オンライン版2015年5月14日号に掲載。

食品中の残留PCBは高血圧リスク

 ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、食物連鎖を通じて生体内に取り込まれて蓄積する、残留性有機汚染物質である。PCBへの曝露が高血圧の発症と関連することが、異なるソースのエビデンスにより示唆されている。しかしながら、成人におけるこの潜在的関連性について検討した前向き研究は、これまでなかった。スペイン・ナバーラ大学のCarolina Donat-Vargas氏らは、PCBの食品由来摂取量と高血圧発症について、大規模な前向きコホート研究を行った。Hypertension誌2015年4月号(オンライン版2015年2月2日号)の掲載報告。