認知症になりやすい人の職業は 認知症や認知機能障害は、高齢者において有病率の高い疾患である。そのため、これらに関連する潜在的に修正可能なリスク因子を確認することが重要である。認知症のリスク因子として、生涯を通して従事した職業が関連している可能性がある。スペイン・サラゴサ大学のAna Cristina Gracia Rebled氏らは、高齢者における生涯従事した主な職業と認知症や認知機能障害との関連を分析した。Revista espanola de salud pública誌2016年6月21日号の報告。
刺身や焼き魚は高尿酸血症になりやすい? わが国の成人において、生の魚や焼き魚の摂取量が高尿酸血症リスクの増加に関連するが、煮魚やフライでは関連がみられないことが、東北大学の永富 良一氏らのグループによる3年間の追跡調査において示された。Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases誌オンライン版2016年5月28日号に掲載。
高齢者の「噛む力」と死亡リスク 70歳時の最大咬合力は、日本人高齢男性における全死因死亡率と独立して関連することが、新潟大学の岩崎 正則氏らによる研究で明らかになった。この研究データは、口腔機能と高齢者の健康との関連についての追加エビデンスになりうる。Journal of oral rehabilitation誌オンライン版2016年4月15日号の報告。
アルコールの入手のしやすさと心疾患発生の関連/BMJ 法的なアルコール入手環境の違いという観点から心疾患との関連を検討した、米国・カリフォルニア大学のJonathan W Dukes氏らの研究成果が発表された。入手がしやすい地域の住民では心房細動が有意に多く、心筋梗塞およびうっ血性心不全は有意に少なかった。しかし規制が緩和されると短期間でうっ血性心不全のリスクの増大がみられたという。アルコールと心疾患の関連は複雑で相反する結果が報告されている。これまでの関連を検討した観察研究は、アルコール摂取について自己申告に基づいたもので、交絡因子がアウトカムに関連していた可能性があり、研究グループは、1州におけるアルコール販売規制の郡ごとの違いに着目して観察コホート研究を行った。BMJ誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。
太り過ぎの期間が10年増えるとがんリスクが1.4倍 欧米の8つのコホート研究の約33万人について、高齢者のがん発症リスクにおける過体重の期間・程度の影響について検討したところ、長期間の過体重が有意にがん発症と関連することを、国際がん研究機関(IARC、本部:フランス・リヨン)のMelina Arnold氏らが報告した。European journal of epidemiology誌オンライン版2016年6月14日号に掲載。
心血管疾患1次予防のためのスクリーニング、効果が高いのは/BMJ 心血管疾患の1次予防を目的としたスクリーニング・プログラムとしては、喫煙者や不健康な食事摂取をしている集団に絞ると同時に、最も心血管疾患リスクの高いことで知られる貧困層にのみ実施することで、心血管疾患の発症や心血管死の予防効果が最も高くなる。英国・リバプール大学のChris Kypridemos氏らが、英国の実態を基に行ったミクロシミュレーション試験の結果、明らかにした。検討したプログラムは、英国の「National Health Service Health Checks」で、普遍的スクリーニングと代替実行可能な戦略について比較した。BMJ誌オンライン版2016年6月8日号掲載の報告。
リアルワールドの成績はどう読み解くべき? 無作為化比較試験(RCT)の結果を基に承認された薬剤が、実臨床でも開発試験と同様の成績が得られるかを確認するためのリアルワールド・エビデンス。その特性や限界、結果を読み解く際の注意点について、井上 博氏(富山県済生会富山病院 院長/富山大学名誉教授)が、6月8日都内にて、バイエル薬品株式会社主催の会合で講演した。
“テレヘルス”は第4の医療になりうるか/BMJ 心血管疾患高リスクの患者に対しデジタル医療技術を駆使した“テレヘルス(telehealth)”による介入は効果があるのか。英国・ブリストル大学のChris Salisbury氏らが、プラグマティックな多施設共同無作為化試験を行った結果、エビデンスベースに基づくテレヘルスでも臨床的効果は小さく、平均リスクの全体的改善には結び付かなかったことが示された。ただし、一部の心血管リスク因子や健康行動、またケアサポート・アクセスの患者認識について改善が認められたという。慢性疾患の増大で、低コストでケア提供を拡大するための新たな医療供給や自己管理サポートの方法が必要とされている。政策立案者の間では、テレヘルスの利用拡大が有効な策になると楽観視されているが、テレヘルス介入効果のエビデンスはあいまいで、リアルワールドでの効果のエビデンスはほとんど示されていないのが現状だという。BMJ誌オンライン版2016年6月1日号掲載の報告。
視覚・聴覚とも障害があると認知障害になりやすい? 認知障害は視覚・聴覚の両方の障害のある人で最も多くみられ、この二重の感覚障害と認知障害のある人では死亡率が高いことが、人間環境大学(愛知県)の三徳 和子氏らの集団ベースのコホート研究で示された。BMC geriatrics誌2016年5月27日号に掲載。