内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:503

歯科治療で突然のむくみ!? 「遺伝性血管性浮腫」の危険性と予防

 2017年5月10日、都内にて「遺伝性血管性浮腫」をテーマにプレスセミナーが開催された(主催:CSLベーリング株式会社)。本セミナーは、今年3月に同社のベリナートP静注用500(一般名:乾燥濃縮人C1-インアクチベーター、以下ベリナート)が、「侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」に対する、適応追加承認を取得したことを受けて行われたものである。

便潜血陽性、大腸内視鏡検査はいつまでにすべきか/JAMA

 免疫学的便潜血検査(FIT)陽性患者に対するフォローアップ大腸内視鏡検査の実施時期を明らかにする検討が、米国・カイザーパーマネンテ北カリフォルニアの研究部門のDouglas A. Corley氏らにより行われた。その結果、8~30日に実施群と比べて10ヵ月以降実施群は、大腸がんリスクが有意に高く、診断時に進行大腸がん(Stage III、IV)であるケースが有意に多いことが示された。FITは大腸がんスクリーニングで用いられる一般的な検査法で、陽性の場合は大腸内視鏡検査のフォローアップを受けることが必要とされている。しかしフォローアップ実施までの期間にはばらつきがあり、そのことが腫瘍の進行と結び付いている可能性が示唆されていた。JAMA誌2017年4月25日号掲載の報告。

冠動脈カルシウムが認知症に関連

 米国の疫学研究であるMESA(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis)で、ベースライン時の冠動脈カルシウム(CAC)スコアが高いと、血管性危険因子、アポリポ蛋白E(APOE)-ε4、脳卒中発症に関係なく認知症リスクが有意に高かったことを、滋賀医科大学の藤吉 朗氏らが報告した。この結果は、血管損傷が認知症発症に関与するという仮説と一致する。Circulation: Cardiovascular Imaging誌2017年5月号に掲載。

冠動脈疾患発症および死亡の転帰に影響する独立危険因子としての体重変動(連続体重測定)の意義(解説:島田 俊夫 氏)-675

過体重、肥満がさまざまな病気の危険因子になることはよく知られた事実である。しかし、その一方で肥満パラドックスに関する報告もあり、肥満が病気の発症、死亡に対して保護的に働く可能性を示唆する論文も散見されるが、最近では選択バイアスと交絡因子とで説明可能であるとの考えが主流である。また、健常人では体重変動が独立した心血管疾患危険因子になることはすでに報告されているが、これまでの対象とは異なり本研究においては心血管疾患を有し、LDLコレステロールが130mg/dL未満の患者を対象に、体重変動が既存のリスクファクターとは独立した心血管疾患、死亡のリスクファクターになることをスタチンの効果を比較検討した臨床試験(TNT試験)の事後解析に基づく臨床研究の成果として、NEJM誌2017年4月6日号に掲載された米国・ニューヨーク大学医学部Sripal Bangalore氏らの論文にコメントする。

欧米化された食事でも死亡リスクは低下?~JPHC研究

 JPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study、主任研究者:津金昌一郎氏)において、日本人の食事パターンと全死因、がん、心血管疾患による死亡との関連を調査した結果、健康的な食事パターンと欧米化された食事パターンでは、全死因および心血管疾患の死亡リスクが低いことが示唆された。欧米化された食事パターンでの結果はこれまでの報告と矛盾するが、研究グループでは塩の摂取が少ないことや飽和脂肪酸の高摂取による寄与の可能性を考察している。PLOS ONE誌2017年4月26日号に掲載。

ワルファリン服用者の骨は脆い?(解説:後藤 信哉 氏)-676

ワルファリンは、ビタミンK依存性の凝固因子の機能的完成を阻害する抗凝固薬である。ワルファリン服用者にはビタミンKの摂取制限を指導する。ビタミンKは「ビタミン」であるため、摂取制限により「ビタミン」不足の症状が起こる場合がある。ビタミンKを必要とする生体反応として骨代謝は重要である。

1日30本以上の喫煙で急性骨髄性白血病リスクが2倍超

 喫煙が白血病発症に関連したリスクとなることは従来の研究で報告されているが、その多くは欧米におけるものであり、日本人を対象とした大規模な研究はほとんど行われておらず、その関連性は不明であった。今回、愛知県がんセンター研究所遺伝子医療研究部の松尾 恵太郎氏らの研究により、男性で1日30本以上の喫煙者は、非喫煙者に比べ急性骨髄性白血病(AML)リスクが2.2倍となることが明らかになった。Journal of Epidemiology誌4月8日号に掲載。

自転車通勤者は徒歩通勤者より全死因死亡リスクが低い/BMJ

 自転車通勤は心血管疾患(CVD)・がん・全死因死亡のリスク低下と、徒歩通勤はCVDのリスク低下とそれぞれ関連していることが、英国・グラスゴー大学のCarlos A Celis-Morales氏らによる、前向きコホート研究の結果、明らかにされた。徒歩通勤や自転車通勤は、日常の身体活動を高めることができる方法として推奨されている。先行研究のメタ解析(被験者17万3,146例)において、有害な心血管転帰のリスク低下と関連することが報告されていたが、同報告の結果は、心代謝性エンドポイント(高血圧、糖尿病、脳卒中、冠動脈心疾患、CVDなどの発生)の範囲が不均一で徒歩通勤か自転車通勤かの区別がなされておらず、限定的なものであった。BMJ誌2017年4月19日号掲載の報告。

血清尿酸値が糖尿病性網膜症リスクと相関~日本人男性

 奈良県立医科大学の石井 均氏らの研究グループによる大規模レジストリ研究で、男性の2型糖尿病患者では、血清尿酸値が高いほど糖尿病性網膜症の発症リスクが増加することがわかった。この研究で、血清尿酸値が男性2型糖尿病患者の糖尿病性網膜症の発症リスクを予測する有用なバイオマーカーである可能性が示唆された。Diabetes/metabolism research and reviews誌オンライン版2017年4月26日号に掲載。