内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:502

うつ病患者、身体症状から見つけて

 2017年5月17日、東京において塩野義製薬株式会社主催のプレスセミナーが開催され、「うつ傾向のある人の意識と行動に関するアンケート調査※1」の結果が、藤田保健衛生大学 精神神経医学 教授の内藤 宏氏より発表された。その後、患者の身近な相談医として日常診療にあたっている宮崎医院 院長の宮崎 仁氏を交え、うつ傾向のある患者とかかりつけ医のコミュニケーションについて語られた。

NSAIDで心筋梗塞リスクが増大?44万例の調査/BMJ

   NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)は急性心筋梗塞のリスクを増大させ、COX-2選択的阻害薬セレコキシブのリスクは従来型NSAIDと同等で、rofecoxib(米国で心血管系の副作用のため2004年に販売中止、日本では未発売)に比べて低いことが、カナダ・モントリオール大学のMichele Bally氏らの調査で明らかとなった。最初の1ヵ月が最もリスクが高く、用量が多いほど高リスクであることもわかった。研究の成果は、BMJ誌2017年5月9日号に掲載された。従来型およびCOX-2選択型NSAIDは、いずれも急性心筋梗塞のリスクを増大させることを示唆するエビデンスがあるが、用量や治療期間の影響、各薬剤のリスクの違いはよく知られていないという。

スタチンのノセボ効果が明らかに/Lancet

 スタチン治療の有害事象について、いわゆる「ノセボ効果」が認められることが明らかにされた。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAjay Gupta氏らが、ASCOT-脂質低下療法(LLA)試験の二重盲検試験期と非盲検延長試験期の有害事象について解析した結果、盲検下ではみられなかったが非盲検下において、すなわち患者も医師もスタチン療法が実施されていると認識している場合にのみ、筋肉関連有害事象が過剰に報告されたという。これまで、無作為化二重盲検比較試験ではスタチン療法と有害事象との関連は示唆されていなかったが、観察研究では盲検試験に比べてさまざまな有害事象の増加が報告されていた。Lancet誌オンライン版2017年5月2日号掲載の報告。

咽頭痛に対するステロイドの症状軽減効果(解説:小金丸 博 氏)-679

咽頭痛は、プライマリケアセッティングでみることの多い症候の1つである。咽頭炎の原因の多くはウイルス感染症であるものの、症状軽減効果や化膿性合併症の予防を期待して不必要な抗菌薬が投与されてしまうことも多い。あるsystematic reviewでは、咽頭痛に対してステロイドを単回投与することで24時間以内に症状を消失させることが示されたが、引用された試験はすべて抗菌薬とステロイドを併用したものであり、ステロイド単独の有効性を示した研究は存在しなかった。

MCI患者の進行を予測する、DLB進行型の特徴とは

 認知症の病理学的に特異な治療を有効に行うためには、正確にかつ早期に診断する必要がある。レビー小体型認知症(DLB)は、とくに前駆期においてアルツハイマー病(AD)と誤診されることが少なくない。英国・ロンドン大学のDilman Sadiq氏らは、軽度認知障害(MCI)患者を対象に、フォローアップ時におけるAD、DLBへの進行の有無による臨床的および神経心理学的プロファイルを比較した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2017年4月28日号の報告。

ヒドロクロロチアジド使用量と口唇がんリスクが相関

 利尿薬であるヒドロクロロチアジドの使用により口唇がんリスクが高まることを示唆する報告がある。この関連を検討した南デンマーク大学のAnton Pottegard氏らの症例対照研究において、ヒドロクロロチアジドの累積使用量と口唇がんリスクに強い相関が認められた。Journal of internal medicine誌オンライン版2017年5月8日号に掲載。

亜鉛欠乏症のあなどれない影響

 2017年4月26日、都内においてノーベルファーマ株式会社は、「見落とされがちな『亜鉛不足』の最新治療~日本初となる低亜鉛血症治療薬の登場~」と題してプレスセミナーを開催した。セミナーでは、2008年に承認された同社の酢酸亜鉛水和物(商品名:ノベルジン)が2017年3月に低亜鉛血症にも追加承認されたことから、小児に多い亜鉛欠乏症の概要を小児科専門医の視点から、そして、亜鉛が肝疾患に与える影響について消化器専門医の視点から講演が行われた。

高齢者でも朝食抜きが肥満に関連~平城京スタディ

 子供や若年者では朝食の欠食が肥満に関連することが報告されているが、高齢者での関連性の報告はほとんどない。今回、平城京スタディの横断研究で、高齢者においても朝食の欠食が肥満と有意に関連することが示された。食事の質の低さや身体活動の少なさが肥満につながっている可能性があるという。The journal of nutrition, health & aging誌2017年5月号に掲載。

低LDL-Cが認知症リスクを低減する可能性/BMJ

 PCSK9遺伝子およびHMGCR(HMG-CoA reductase)遺伝子のバリアントに起因するLDLコレステロール(LDL-C)の低下は、認知症やパーキンソン病の発症リスクを増加させず、LDL-C値の低下によりアルツハイマー型認知症のリスクが低減する可能性があることが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のMarianne Benn氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年4月24日号に掲載された。コレステロールは脳のニューロンを取り囲むミエリンの主成分であるため、低LDL-C値はアルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの神経疾患のリスクを増大させる可能性が指摘されている。

世界および日本において喫煙対策は急務である(解説:有馬 久富 氏)-678

 Global Burden of Disease Study 2015から喫煙に関する成績がLancet誌に報告された。その結果は、世界において男性の25%、女性の5%が喫煙しており、年間640万人が喫煙のために死亡しているというショッキングなものであった。死因別にみると、心血管病死亡の41%、悪性新生物による死亡の28%、呼吸器疾患による死亡の21%が、喫煙によるものであった。つまり、喫煙者がいなくなることにより、心血管病死亡が約4割、悪性新生物による死亡が約3割、呼吸器疾患による死亡が約2割減少し、年間640万人の死亡が回避できると期待される。