内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:399

COVID-19、空気・環境表面・PPEからの感染リスクは?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における医療機関内での感染が懸念されているが、環境汚染の程度と感染リスクの関係は明らかになっていない。シンガポール国立感染症センターのSean Wei Xiang氏らは、患者が隔離されている部屋と控え室、診察にあたった試験担当医師のPPE(個人用保護具)からサンプルを収集、その汚染程度を調査した結果をJAMA誌オンライン版2020年3月4日号のリサーチレターに報告した。  2020年1月24日~2月4日、COVID-19患者3例が隔離されている部屋と浴室において、1例は定期清掃前、2例は定期清掃後にサンプルを採取した。部屋の接触頻度の多い部分は5,000ppmのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムで清拭(1日2回)、床は1,000ppmのジクロロイソシアヌル酸ナトリウムで清拭した(1日1回)。2週間の隔離期間のうち採取を実施したのは5日間だった。

COVID-19、PCR検査検体採取の実際/日本臨床微生物学会

 2020年3月5日、日本臨床微生物学会は「COVID-19緊急Webセミナー」を行った(司会は舘田 一博氏[東邦大学医学部 微生物・感染症学講座 教授]・大塚喜人氏[亀田総合病院 臨床検査部 部長])。  Web配信形式で行われた本セミナーは、臨床検査に関わる医療従事者(医師、臨床検査技師、看護師等)を対象として、PCR検査の検体採取時の注意点、保管・輸送方法、検査結果の解釈等について周知を図る目的で開催された(準備ができ次第、 学会サイトで動画公開予定)。

COVID-19、入院時の発熱例は4割程度/NEJM

 発生から当初2ヵ月間に新型コロナウイルスへの感染が確認された1,099例の臨床的特徴を調べたところ、入院時に発熱が認められたのは43.8%にとどまり、また胸部CT検査で異常所見が認められたのは56.4%と、熱症状や肺の異常所見が認められない患者が多かったという。中国・広州医科大学のWei-jie Guan氏らによる調査報告で、NEJM誌オンライン版2020年2月28日号で発表された。なお本報告は3月3日に内容が更新されている。  研究グループは、2020年1月29日までに中国本土30の省・自治区等の病院552ヵ所に入院した、新型コロナウイルスへの感染が検査で確認された1,099例について、その臨床的特徴を調査した。

視力と認知症との関係

 視力の低下と認知症リスクとの関連を調査した縦断的エビデンスの結果は一致していない。香港中文大学のAllen T. C. Lee氏らは、誤分類、逆因果関係、健康上の問題や行動による交絡因子に関連するバイアスとは無関係に、高齢者の大規模なコミュニティーコホートにおける視力低下と認知症発症率との関連を調査した。The Journals of Gerontology誌Series Aオンライン版2020年2月11日号の報告。  ベースライン時に認知症でない地域在住高齢者1万5,576例を対象に、認知症発症について6年間フォローアップを行った。認知症診断は、ICD-10または臨床的認知症尺度(CDR)1~3に従って実施した。ベースラインおよびフォローアップ時の視力評価には、スネレン視力表を用いた。人口統計(年齢、性別、教育、社会経済的地位)、身体的および精神医学的併存疾患(心血管リスク、眼科的状態、聴覚障害、運動不足、うつ病)、ライフスタイル(喫煙、食事、身体活動、知的活動、社会活動)についても評価した。

新型コロナウイルス感染症、気になる他診療所の動向は?-会員医師アンケート

 連日、ニュースで大きく取り上げられている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。医師の皆さまは「診療所でどこまで対応するべきなのか」「ほかの施設では検査を希望する患者はいたのか?」など、さまざまな疑問をお持ちではないだろうか。ケアネットでは2020年3月5日(木)、病床を有していない診療所で働く会員医師103名に「新型コロナウイルス感染症、自施設での対応策や困っていること」についてアンケートを行った。アンケートでは、「COVID-19の検査を希望した患者数」「COVID-19を考慮し、患者と医療者のそれぞれを守るために日常診療で実施している対応や対策」「COVID-19の影響で日常診療において困っていることや、知りたいこと」について聞いた。

COVID-19の予防ワクチンの開発始動

 3月4日、アンジェス株式会社は、大阪大学と新型コロナウイルス(COVID-19)の予防ワクチン共同開発のプレス発表会を行い、ワクチン開発の経緯、今後の見通しなどを説明した。  セミナーでは、同社代表取締役社長の山田 英氏が今回の大阪大学との開発事業について、過去にDNAプラスミド製品を上市した実績から開発を行うこととなった経緯を説明した。なお、ワクチンの構築・製造は、タカラバイオ株式会社が担当する。  つぎに森下 竜一氏(大阪大学大学院医学研究科臨床遺伝子治療学 教授)が、「新型コロナウィルス 予防ワクチンの開発について」をテーマに、開発されるワクチンの仕組みや完成までの見通しを解説した

忽那氏によるCOVID-19最新総説が公開/中外医学社

 中外医学社は2020年3月9日より、忽那 賢志氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター)が執筆した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最新総説を「J-IDEO」の号外としてnoteに無料でweb公開している。  これには疫学、伝播様式、臨床症状をはじめ、検査・診断や治療などがエビデンスを基にわかりやすくまとめられている。たとえば、病原体の項には過去のコロナウイルス感染症との致死率や感染力などをまとめた表が、治療の項では治療薬候補の現状を示した表が盛り込まれている。簡潔にまとめられているため、COVID-19の理解について整理したい方にお薦めである。

二日酔いにロキソプロフェンは本当に効くのか~日本人医師のRCT

 二日酔い症状の緩和にロキソプロフェンナトリウム(以下、ロキソプロフェン)が効くという言説。医療関係者ならば耳にしたことがあるかもしれないが、医学的に妥当なのだろうか。  今回、原 正彦氏(日本臨床研究学会 代表理事)が、二日酔いの症状緩和に対するロキソプロフェンの有効性を、医師を被験者としたランダム化二重盲検プラセボ対照試験で検証したところ、頭痛を緩和する一方で全身倦怠感と吐き気は改善しないことが示された。Alcohol誌オンライン版で2020年3月3日に報告。

COVID-19重症患者に特徴的なCT所見と症状

 中国・重慶医科大学附属第二医院のKunhua Li氏らの調査により、重症または重体のCOVID-19肺炎では、臨床症状、臨床検査値、CT重症度スコアに有意な差があることがわかった。多くの因子が疾患の重症度に関連しており、重症度の判断と予後の評価に役立つとしている。Investigative Radiology誌オンライン版2020年2月29日号に掲載。  著者らは、COVID-19肺炎患者83例(重症または重体が25例、それ以外が58例)について、胸部CT画像所見と臨床データを比較し、重症度に関連する危険因子を検討した。

高血圧患者以外でもナトリウム摂取量削減に応じて血圧低下/BMJ

 食事からのナトリウム(塩分)摂取量の削減による血圧の低下には、強力な用量反応関係がみられ、降圧効果は高齢者や非白人、血圧が高い集団で大きいことが、オーストラリア・シドニー大学のLiping Huang氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2020年2月25日号に掲載された。ナトリウム摂取量が多いほど血圧が上昇することは、広範なエビデンスによって示されている。一方、高血圧患者では、血圧に及ぼすナトリウム摂取量削減の効果は明らかだが、他の集団での効果は不確実であり、介入期間の影響も十分には解明されていないという。