内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:402

日本人の海藻摂取と脳・心血管リスク

 海藻に含まれるミネラルやビタミン、可溶性食物繊維、フラボノイドは、心血管疾患予防に役立つが、海藻摂取と心血管疾患リスクとの関連は明らかになっていない。今回、わが国の多目的コホート(JPHC)研究で、筑波大学の村井 詩子氏らが海藻摂取と脳卒中および虚血性心疾患リスクとの関連を調査したところ、虚血性心疾患リスクとの逆相関が認められた。一方、脳卒中とは有意な関連はみられなかった。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2019年9月13日号に掲載。

うつ病と糖尿病合併に関する調査結果

 うつ病と糖尿病合併との関連を明らかにするため、オーストリア・ウィーン医科大学のGernot Fugger氏ら欧州リサーチコンソーシアムの治療抵抗性うつ病研究グループ(GSRD)は、多施設共同研究を実施した。Progress in Neuro-Psychopharmacology & Biological Psychiatry誌2019年8月30日号の報告。  DSM-IVでうつ病と診断された患者1,410例の2012~16年の人口統計および臨床情報を、横断的に検索した。糖尿病合併の有無により患者特性の比較には、記述統計、共分散分析(ANCOVA)、二項ロジスティック回帰分析を用いた。

インフルエンザ予防効果、N95マスクvs.医療用マスク/JAMA

 外来医療従事者(HCP)におけるN95マスクと医療用マスク装着によるインフルエンザ予防効果を調べた結果、インフルエンザの罹患率について有意差は認められなかったことが示された。米国疾病予防管理センター(CDC)のLewis J. Radonovich Jr氏らが、米国の7医療センター・137外来部門で行ったクラスター無作為化プログマティック効果比較試験の結果で、JAMA誌2019年9月3日号で発表した。両マスクの効果については結論が出ていなかった。

ベンゾジアゼピン使用と転倒リスク

 ベンゾジアゼピン(BZD)は、とくに高齢者において副作用と関連している。アイルランド・ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのLouise Marron氏らは、地域在住の50歳以上の成人を対象に、BZD使用と転倒との関連および、この関連に対する睡眠の質の影響について調査を行った。QJM誌オンライン版2019年8月19日号の報告。  アイルランドの老化に関する縦断的研究であるTILDA studyのwave 1データを用いて、断面分析を行った。対象者は、BZDの使用者または非使用者に分類され、昨年転倒したかどうか、転倒の原因は不明かどうかについて回答した。睡眠の質は、睡眠障害、日中の眠気、早朝覚醒についての自己報告により評価した。BZD使用と転倒リスクとの関連についてロジスティック回帰で評価し、この関連に対する睡眠の質の影響は、BZD使用と睡眠の質の変数に基づいて分類することで評価した。

内臓脂肪を減らす「スマート和食」、そのメカニズムとは

「和食(Washoku)」が、日本の伝統的な食文化として、ユネスコの無形文化遺産に登録されたのは2013年。その健康効果には世界的に注目が集まっているが、ヒトの内臓脂肪蓄積に与える影響やメカニズムについては不明である。  今回、坂根 直樹氏(京都医療センター 臨床研究センター 予防医学研究室長)、高瀬 秀人氏(花王株式会社 生物科学研究所)らの研究グループは、日本の伝統に基づく食事が、内臓脂肪面積あるいはGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)分泌に及ぼす効果を調査した。Nutrition journal誌2019年9月2日号の報告。

糖尿病と認知症リスク~メタ解析

 糖尿病と認知機能障害や認知症リスクとの関連については、明らかになっていない点が残っている。中国・青島大学のMei Xue氏らは、これらの関連について、さまざまな側面から検討を行った。Ageing Research Reviews誌オンライン版2019年8月17日号の報告。  2019年6月までのプロスペクティブ研究をPubMedより検索した。相対リスク(RR)の推定には、変量効果モデルを用いた。それぞれのメタ解析の信頼性を評価し、メタ回帰分析およびサブグループ解析を実施した。

不眠症患者の疲労に関連する因子

 不眠症患者では一般的に疲労が認められるが、臨床症状との関連についてはあまり知られていない。韓国・成均館大学校のSeog Ju Kim氏らは、不眠症患者の疲労と臨床症状との関連について調査を行った。Journal of Psychiatric Research誌2019年10月号の報告。  スタンフォード大学睡眠医学センターを受診した患者を対象に、不眠重症度指数(ISI)、不眠症状アンケート(ISQ)、疲労重症度尺度(FSS)、エプワース眠気尺度(ESS)、こころとからだの質問票(PHQ-9)を実施した。

痛くなってからでは遅い帯状疱疹

 帯状疱疹は、60歳以降が好発年齢といわれており、強い痛みと残存する神経痛が患者のQOLに大きな影響を及ぼす。水痘として感染したウイルスによるが、一度感染してしまったウイルスを排除する術は今のところなく、ワクチンで予防することが高齢での発症・重症化を防ぐ唯一の手段となる。  2019年8月27日、武田薬品工業が「帯状疱疹の診療・予防の最新動向」をテーマに、都内にてセミナーを開催した。最新の帯状疱疹診療にはどのようなポイントがあるのだろうか。

2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症リスクとの関連

 大地震は極度のストレスを引き起こし、認知機能に悪影響を及ぼす可能性がある。新潟大学の中村 和利氏らは、2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年8月19日号の報告。  本研究は、10~12年フォローアップを行ったレトロスペクティブコホート研究である。対象者は、2004年新潟県中越地震後に年次健康診断を行った40歳以上の小千谷市民(2005年6,012人、2006年5,424人、2007年5,687人)。Kessler Psychological Distress Scale(K10)を用いて心理的苦痛を評価し、K10スコアが10以上を心理的苦痛ありと定義した。

日本人NAFLD患者の種々のがん予測に亜鉛測定が有用

 血清亜鉛(Zn)濃度の低下は肝性脳症や味覚異常など、さまざまな疾患に影響することが報告されている。しかしながら、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)患者における関連はほとんど報告されていない。今回、名古屋大学消化器内科学の伊藤 隆徳氏らは、血清中のZn濃度と総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比(BTR:molar ratio of total branched-chain amino acid to tyrosine)が、NAFLD患者の予後と関係することを明らかにした。著者らは、「血清中のBTRおよびZn濃度が、それぞれNAFLD患者の肝細胞がん(HCC)および他臓器がんの発生予測に有用」とコメントしている。Nutrition&Cancer誌オンライン版2019年8月21日号掲載の報告。