内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:329

精製穀物の摂取量と死亡・心血管リスクが相関/BMJ

 精製した穀物の取り過ぎは、死亡および主要心血管イベントのリスク増加と関連することが、低・中所得国を含む世界21ヵ国で実施された前向きコホート研究「Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE)研究」の結果、明らかとなった。インド・St John's Research InstituteのSumathi Swaminathan氏らが報告した。これまで、全粒穀物について、摂取量が多いほど死亡および心血管疾患のリスクは低下することが知られていたが、精製穀物との明確な関連は観察されていなかった。著者は今回の結果から、「世界的に、精製穀物の消費量減少を検討する必要がある」とまとめている。BMJ誌2021年2月3日号掲載の報告。

コロナワクチン「コミナティ」使用時の具体的な注意点

 「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果として2月14日に特例承認されたファイザーの「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注)について、同日、本剤の使用に当たっての具体的な留意事項の通知が、厚生労働省から都道府県などの各衛生主管部(局)長宛に発出された。  本通知には、薬剤調製、接種時の具体的な注意点が記載されており、以下に一部抜粋する。

新型コロナウイルスワクチンを特例承認/厚生労働省・ファイザー

 厚生労働省は、2月14日にファイザー株式会社から製造販売承認が申請されていた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンについて、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の第14 条の3に基づく特例承認を行った。  特例承認とは同法の規定に基づき、「(1)疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要、(2)当該医薬品の使用以外に適切な方法がない、(3)海外で販売等が認められている」という要件を満たす医薬品につき、承認申請資料のうち臨床試験以外のものを承認後の提出としても良いなどとして特例的な承認をする制度。

コロナ禍の花粉症対策にも有用、「鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版」

 今年の花粉症シーズンはコロナ禍ということもあり、耳鼻咽喉科医だけではなく、多くの非専門医にも花粉症について再認識してもらうことが重要ではないだろうか。そこで、2020年7月に改訂第9版として発刊された『鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症―2020年版』の作成委員長を務めた岡野 光博氏(国際医療福祉大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学 教授)に本ガイドライン(GL)の改訂内容やコロナ禍で注意すべき点を伺った。

若年成人におけるノモフォビア(スマホ依存症)と不眠症や食物依存症との関連

 スマートフォンや携帯電話などの端末を使用することができないことに対して恐怖を抱く状態をノモフォビアという。バーレーン・Arabian Gulf UniversityのHaitham Jahrami氏らは、ノモフォビアと食物依存症および不眠症状との関連について調査を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2021年1月15日号の報告。  対象は、18~35歳のバーレーン若年成人654人(男性:304人、女性350人[女性の割合:54%])。基本的な人口統計学的および身体測定の特徴、ノモフォビア質問票(NMP-Q)、不眠症重症度質問票(ISI)、Yale食物依存症尺度(YFAS)を含む自己評価型の構造化されたオンライン質問票を用いて評価した。

妊娠および授乳中の女性に対する抗CGRPモノクローナル抗体の安全性プロファイル

 妊娠および授乳中の女性に対する抗CGRPモノクローナル抗体(erenumab、ガルカネズマブ、fremanezumab)の安全性プロファイルについて、スイス・Institute of Pharmacological Sciences of Southern SwitzerlandのRoberta Noseda氏らが、評価を行った。Cephalalgia誌オンライン版2021年1月12日号の報告。  個別症例の安全性報告を集積したWHOのグローバルデータベースであるVigiBaseより2019年12月31日時点のデータを収集した。  主な結果は以下のとおり。

中高年の心血管死亡率、景気動向との関連は?/JAMA

 米国の中高年層において、郡レベルの経済的繁栄の相対的増加と、心血管死亡率のわずかだが相対的減少とは有意に関連していることが示された。米国・ペンシルベニア大学のSameed Ahmed M. Khatana氏らが、2010~17年の死亡率に関する後ろ向き研究で明らかにした。米国における非高齢成人の心血管死亡率は、過去10年間でその低下が停滞しており、一部の集団では増加している。この背景には所得格差の拡大があると考えられているが、心血管死亡率と景気動向が関連するかどうかはこれまで不明であった。JAMA誌2021年2月2日号掲載の報告。

アジスロマイシン、COVID-19入院患者への効果は?/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者において、アジスロマイシンによる治療は生存期間および臨床転帰(侵襲的人工呼吸器装着または死亡)を改善しなかったことが、無作為化非盲検対照プラットフォーム試験「RECOVERY試験」の結果、明らかとなった。英国・オックスフォード大学のPeter W. Horby氏ら「RECOVERY試験」共同研究グループが報告した。アジスロマイシンは免疫調節作用を有していることから、COVID-19に対する治療として提案されてきたが、これまでの無作為化試験では、COVID-19の治療におけるマクロライド系抗菌薬の臨床的有益性は示されていなかった。結果を踏まえて著者は、「COVID-19入院患者に対するアジスロマイシンの使用は、明らかに抗菌薬の適応である患者に制限されるべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2021年2月2日号掲載の報告。

新型コロナ予防、マスク二重着用の有効性は?/CDC

 不織布マスク(サージカルマスク)の上から布マスクを着用することで密着度が高まり、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の予防により効果的である可能性が実験で示された。米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年2月10日に発表した。  不織布マスクや布マスクはN95マスクと比較すると密着性が低く、マスクの端、とくに左右両端から空気が漏れる可能性 がある。そこでCDCではシミュレーション実験により、不織布マスクの効果を改善するための2つの方法を評価した。1つは上から布マスクを重ねることで、もう1つはひもに結び目、タックを作る(余分な素材を顔の近くに折込んで平らにする)ことによる密着度の向上である。咳をした場合の状況をシミュレーションし、発生者と曝露者の各組合せが評価された。

日本人高齢者における新たな認知症診断予測因子~コホート研究

 高齢者の認知症を予防することは、公衆衛生上の重要な課題である。認知症の予測因子を早期に発見し、是正することは重要であるが、定期的に収集された医療データに基づく認知症の予測因子は、すべて明らかになっているわけではない。京都大学の中奥 由里子氏らは、定期的に収集したレセプトデータを用いて、認知症診断の潜在的な予測因子を調査した。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2021年1月13日号の報告。