内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:331

血液によるCOVID-19重症化リスクの判定補助キットが保険適用/シスメックス

 シスメックスは2月4日、SARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助する新規の体外診断用医薬品として、インターフェロン-λ3(IFN-λ3)キット「HISCLTM IFN-λ3試薬」が2月3日に保険適用を受けたことを発表した。同キットと全自動免疫測定装置を用いて血清中のIFN-λ3を測定することで、SARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助するための情報を提供する。  シスメックスは国立国際医療研究センターとの共同研究を通じ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化リスクの経過観察に有用なバイオマーカーとして、IFN-λ3を特定した。IFN-λ3は重症化の症状が認められる数日前に急激に血液中の濃度が上昇することが確認されており、重症化の予測や経過観察補助としての臨床有用性が報告されている1,2)。同製品は、2020年12月22日にSARS-CoV-2陽性患者における重症化リスク判定を補助する新規の体外診断用医薬品として、製造販売承認を取得している3)。

新型コロナ、20歳未満は感染しにくいが感染させやすい

 新型コロナウイルスの家庭内感染の調査から、20歳未満の若年者は高齢者より感染しにくいが、いったん感染すると人にうつしやすいことが、中国・武漢疾病予防管理センターのFang Li氏らの後ろ向き研究で示唆された。また感染力は、症状発現前の感染者、症状発現後の感染者、無症状のままだった感染者の順で高かった。Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2021年1月19日号に掲載。

恫喝や暴言も、医療者への風評被害の実態/日医

 日本医師会・城守 国斗常任理事が、3日の記者会見で「新型コロナウイルス感染症に関する風評被害の緊急調査」について、結果を公表した。これは、昨年11月に開催された都道府県医師会長会議で問題提起され、各地域の被害状況について全47都道府県医師会が調査したもの。  風評被害を受けた対象としては、総回答数698件のうち「医師以外の医療従事者」に対する被害が277件(40%)と最も多かった。次いで「医療機関」が268件(38%)、「医師または医療従事者の家族」が112件(16%)、「医師」が21件(3%)、「その他」が20件(3%)という内訳だった。「医師以外の医療従事者」に対する風評被害は、主に看護師に対するものが多かったという。

日本におけるCOVID-19第2波によるうつ病リスク

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる社会的混乱は今も続いており、これが国民の社会的抑制につながっている。北里大学の深瀬 裕子氏らは、COVID-19によるメンタルヘルス関連のリスク因子を明らかにし、具体的な対処方法について検討を行った。BMC Psychiatry誌2021年1月12日号の報告。  日本でCOVID-19の第2波が起こっていた2020年7月に、Webベースの調査を実施した。人口統計、こころとからだの質問票(PHQ-9)、怒りの状態、怒りのコントロール、コーピング尺度(Brief COPE)を測定した。設定変数によるPHQ-9スコアの多変量ロジスティック回帰分析を行った。

1回接種のコロナワクチンの有効率66%/J&J

 米国ジョンソン・エンド・ジョンソンは、現地時間の1月29日に第3相ENSEMBLE臨床試験から得られたトップライン有効性・安全性データを発表し、同社の医薬部門であるヤンセンで開発中のCOVID-19単回投与ワクチン候補(以下「ワクチン候補」という)が、すべての主要評価項目および主な副次評価項目を満たしたと発表した。  第3相ENSEMBLE試験は、18歳以上の成人を対象に、1回接種ワクチンの安全性と有効性をプラセボと比較して評価するために設計された無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床試験。被験者の45%が女性、55%が男性であり、参加者の41%は、重症化するリスク増加に関連する併存疾患を有していた(肥満が28.5%、2型糖尿病が7.3%、高血圧が10.3%、HIVが2.8%)。

新型コロナ抗体薬、第III相試験で最大8割の予防効果/リリー

 米国・イーライリリーは1月21日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として開発したモノクローナル抗体薬bamlanivimab(LY-CoV555)の第III相試験(BLAZE-2)において、感染リスクを大幅に減少させることが確認されたと発表した。bamlanivimabは、成人および小児(12歳以上、体重が少なくとも40kg)における軽症~中等症COVID-19治療薬として、米国FDAが2020年11月より緊急使用を許可している。  BLAZE-2は、高齢者施設の入居者およびスタッフ965例(入居者:299例、スタッフ666例)を対象に実施。

COVID-19、陽性者の3分の1以上が無症状

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において、無症状の感染者が一定数いることは知られているが、実際にその割合はどのくらいなのか。米国Scripps ResearchのDaniel P. Oran氏らがこれまでに発表されたCOVID-19関連論文のシステマティックレビューを行った結果、少なくとも3分の1が無症状であることがわかったという。Annals of Internal Medicine誌2021年1月22日オンライン版の報告。  著者らは、2020年11月17日までに発表されたCOVID-19に関する論文を検索し、1万人以上の被験者、被験者のランダムな選択等の条件から適格な論文を選択したうえで、検査を受けた人数、陽性者数、有症状者・無症状者数を記録。

日本人高齢者の趣味の種類や数と認知症リスクとの関係

 認知症予防は、超高齢化社会を迎える現代社会において重要な問題である。これまでの研究では、趣味(とくにガーデニング、旅行、スポーツ)を有する高齢者では、認知症リスクが低いことが示唆されている。しかし、趣味の種類や数の違いが認知症予防に影響を及ぼすかは、よくわかっていない。千葉大学のLing Ling氏らは、趣味の種類および数と認知症発症との関連を調査した。日本公衆衛生雑誌2020年号の報告。  2010~16年に日本老年学的評価研究(JAGES)が実施したプロスペクティブコホート研究より、年齢、性別が明らかな65歳以上の要介護認定を受けていない高齢者5万6,624人を調査した。

オンライン血圧管理で、良好な収縮期血圧コントロール/BMJ

 コントロール不良の高血圧患者において、デジタル技術を用いた介入による「家庭オンライン血圧管理・評価(Home and Online Management and Evaluation of Blood Pressure:HOME BP)」は通常治療と比較して、1年後の収縮期血圧のコントロールが良好で、費用の増分も低いことが、英国・オックスフォード大学のRichard J. McManus氏らが実施した「HOME BP試験」で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2021年1月19日号に掲載された。これまでの自己モニタリングと自己管理の試験では、血圧低下に関する有効性が示されているが、効果を得るには比較的高価な技術や時間がかかる一連の訓練を必要とすることが多い。また、デジタル介入の短期試験では、血圧コントロールの改善の可能性が示唆されているが、広く実施するための十分なエビデンスは得られていないという。

新型コロナ対応、現状の打開に何が必要か~東京都医師会尾崎会長インタビュー

 1都3県を皮切りに各地で2度目の緊急事態宣言が発令され、医療体制がひっ迫した状況が続いている。患者の急増で病床は不足。自宅・宿泊療養者のケアや回復後の転院調整などについて課題が指摘され、ワクチン接種への体制整備も求められる中、東京都医師会としてその役割をどのように捉え、どのような対策をとっていくのか。尾崎 治夫会長に聞いた。  連日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する情報が報道される中で、「民間病院がコロナ患者をほとんど受け入れていない」「医療崩壊というが1年あれば準備できたのではないか」などの意見もみられるようになった。「第1波のときから一貫して発信しているのは、日本の医療体制はCOVID-19のような感染症に対応できるようには作られていない。対応するには患者数の増加速度をできるだけゆるやかにして乗り越えていくしかないということ」と尾崎会長。コロナ前の東京都の指定感染症医療機関は15医療機関、118床。保健所も含め、無症状や軽症が多く感染力も強くて市中に急速に拡がって行くCOVID-19のような感染症に対応できる仕組みにはなっていなかった。