内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:291

2種類のコロナワクチン、副反応疑いの報告状況/厚労省

 厚生労働省は、7月7日に今までに報告された新型コロナワクチンの副反応疑い報告など、ワクチン接種後の副反応(副作用)に関する情報をまとめたレポートを「新型コロナワクチンの副反応疑い報告について」として公開した。  レポートは、ワクチンの接種後に生じうる副反応を疑う事例について、医療機関などに報告を求め、収集したものを同省の審議会に報告し、専門家による評価を行ったもの。  いずれのワクチンも、これまで通り安全性において重大な懸念は認められないと評価された。なお、ワクチンにより接種対象者の年齢や接種会場などの属性が大きく異なるため、両ワクチンの単純な比較は困難であり、注意が必要。

認知症またはMCIの高齢者に対するVR介入~メタ解析

 バーチャルリアリティ(VR)介入は、脳卒中やパーキンソン病などの神経疾患の患者にとって、革新的かつ効果的なリハビリテーションツールとして期待されている。中国・南京医科大学のShizhe Zhu氏らは、軽度認知障害(MCI)または認知症の高齢者における認知機能や運動機能に対するVR介入の有効性を評価するため、メタ解析を実施した。Frontiers in Aging Neuroscience誌2021年5月5日号の報告。  2020年4月までに公表された関連文献を、7つのデータベースよりシステマティックに検索した。60歳以上のMCIまたは認知症の患者を対象としてVR介入の検討を行ったランダム化比較試験を含めた。主要アウトカムは、全体的な認知機能、包括的な認知機能、注意、実行機能、記憶、視空間認知能力を含む認知機能とした。副次的アウトカムは、全体的な運動機能、バランス、歩行を含む運動能力とした。不均一性の潜在的な因子を特定するため、研究の特徴に基づいてサブグループ解析を行った。

新規GIP/GLP-1受容体作動薬、セマグルチドに対し優越性を示す/NEJM

 2型糖尿病患者において、tirzepatideはセマグルチドに対しベースラインから40週までのHbA1c低下が有意に優れていることが認められた。米国・National Research InstituteのJuan P. Frias氏らが、第III相無作為化非盲検試験「SURPASS-2試験」の結果を報告した。tirzepatideは、新規2型糖尿病治療薬として開発中のデュアル・グルコース依存性インスリン刺激性ポリペプチド(GIP)/グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬で、第III相国際臨床開発プログラムであるSURPASSプログラムにおいて、有効性と安全性が検討されている。そのうちSURPASS-2試験では、選択的GLP-1受容体作動薬セマグルチドの承認されている最高用量との比較が行われた。NEJM誌オンライン版2021年6月25日号掲載の報告。

エンパグリフロジン、HFpEFに初の有効性を確認/EMPEROR-Preserved試験

 SGLT2阻害薬エンパグリフロジンが、左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)患者を対象とした第III相EMPEROR-Preserved試験において、主要評価項目(心不全による心血管死または入院いずれかの最初のイベントまでの期間)を達成し、糖尿病の有無にかかわらず、HFpEF患者の心血管死または心不全による入院の複合リスクを有意に減少させたことを、ドイツ・べーリンガーインゲルハイムと米国・イーライリリーが、7月6日、プレスリリースで発表した。本試験の結果は、2021年8月の欧州心臓病学会(ESC)年次学術集会で発表される予定。

ファイザー/モデルナワクチンに心筋炎・心膜炎の注意喚起/使用上の注意改訂

 新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARSCoV-2))であるコミナティ筋注(ファイザー)とCOVID-19ワクチンモデルナ筋注(武田薬品工業)について、使用上の注意の「重要な基本的注意」の項に心筋炎および心膜炎に関する注意喚起を追記するよう、7月7日付けで改訂指示が発出された。  今回の改訂指示は、国内ではこれらのワクチンとの因果関係が否定できない心筋炎および心膜炎の副反応疑い報告はないものの、以下の状況を考慮し、専門委員の意見も踏まえ、改訂することが適切と判断されたことによる。 ・海外において、因果関係は不明であるが、これらのワクチンの接種後に心筋炎および心膜炎が報告されていること ・海外において、心筋炎および心膜炎の注意喚起がなされていること ・国内においても、因果関係は不明であるが、症例集積が認められること ・心筋炎、心膜炎が疑われる症状が認められた場合には医師の診察を受ける旨をあらかじめ被接種者に指導することが、早期発見および重症化への対処の上で重要であると考えること ・接種対象者の拡大に伴うAYA世代への接種数増加が予想されること

タンパク質の効果的な摂取方法とは?

 昨年、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」において、65歳以上のタンパク質目標摂取量が総エネルギー量の15~20%に改定された(以前は、18歳以上の全年代で13~20%)。  これを受け、6月28日に一般社団法人Jミルク主催のメディアミルクセミナーが開催され、藤田 聡氏(立命館大学 スポーツ健康科学部 教授)が「タンパク質の“質“と効果的な摂取法」をテーマに講演を行った。  加齢と共にアミノ酸から合成される筋肉量が減少する。十分な運動を行った場合でも加齢に伴う筋肉量の低下を防ぐことは難しい。筋肉量の低下は、内臓脂肪の増加やインスリン抵抗性に関与し糖尿病のリスクとなることが報告されている。また、筋肉量の低下は心疾患や死亡のリスクを高めるとの報告もある。

中国製不活化ワクチン、3~17歳に良好な安全性と免疫応答

 新型コロナワクチンの成人に対する接種が世界的に広がっているが、小児に対する有用性を検証することを目的とした臨床試験も進んでいる。中国において3~17歳の小児および青年を対象とした研究の結果が発表された。The Lancet Infectious Diseases誌オンライン版6月28日号掲載の報告。  中国・河北省にある疾病対策センターで、3~17歳の健康な小児および青年を対象に、中国Sinovac Biotech社の不活化ワクチン「CoronaVac」(WHO緊急使用リストおよび33ヵ国で承認済み)の二重盲検無作為化比較第I/II相試験を行った。

日本人反復性片頭痛患者に対するガルカネズマブの治療満足度~第II相試験

 京都・立岡神経内科の立岡 良久氏らは、反復性片頭痛の予防に対しガルカネズマブ(GMB)を投与された日本人患者の治療満足度(4~14ヵ月間の1ヵ月当たりの片頭痛日数)について、評価を行った。Neurology and Therapy誌2021年6月号の報告。  この第II相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験では、日本の医療機関40施設において、18~65歳の片頭痛患者が登録された。対象患者は、プラセボ群230例、GMB皮下注120mg(GMB120群)115例、GMB皮下注240mg(GMB240群)114例にランダムに割り付けられ、6ヵ月間の投与を行った。治療に対する印象は、患者による重症度の改善度(PGI-S)、患者による全般印象度の改善度(PGI-I)、薬剤に対する患者の満足度質問票(PSMQ-M)を用いて評価した。PGI-Sはベースライン時および1~6ヵ月、PGI-Iは1~6ヵ月、PSMQ-Mは1および6ヵ月目に評価を行った。GMB群とプラセボ群におけるPGI-Iスコアの違い、PGI-Sスコアのベースラインからの変化、PGI-IとPSMQ-Mのポジティブな反応を評価するため、分析を行った。

抗精神病薬で治療された統合失調症患者における非アルコール性脂肪性肝疾患リスク

 統合失調症患者のメタボリックシンドローム有病率は、一般集団よりも高いことはよく知られているが、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の有病率については、あまり知られていない。下総精神医療センターの是木 明宏氏らは、抗精神病薬で治療された統合失調症患者におけるNAFLDリスクについて、調査を行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2021年6月4日号の報告。  腹部エコー検査を実施した統合失調症および統合失調感情障害患者253例の医療記録を分析した。

COVID-19ワクチンの血栓性合併症にIgGは有効なのか?(解説:後藤信哉氏)

COVID-19 pandemicは持続している。ワクチンは切り札と理解されているが、ウイルスベクターのワクチンでは血栓イベントの合併がまれとはいえ発症する。血栓性合併症に対して抗凝固療法とIgGbの併用が推奨されている。カナダではウイルスベクターワクチンChAdOx1 nCoV-19を、ワクチンによる血栓症が少ないとされた55歳以上に使用した。それでも63~72歳の症例に血栓イベントが発症した。血栓イベントは2例が下肢動脈血栓症、1例が脳静脈洞血栓症であった。3例ともヘパリンと血小板第4因子に対する抗体(いわゆるHIT抗体)を認めた。IgG投与によりHIT抗体は減少した。