内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:267

モデルナ製とファイザー製、それぞれの心筋炎・心膜炎リスク因子/BMJ

 英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAnders Husby氏らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン接種と心筋炎/心膜炎との関連を調査する目的で、デンマーク住民を対象にコホート研究を行った。その結果、ワクチン未接種者と比較して、mRNA-1273(Moderna製)ワクチンは心筋炎/心膜炎の有意なリスク増加と関連しており、とくに12~39歳でリスクが高いこと、BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)ワクチンは女性においてのみ有意なリスク増加が認められたことが示された。ただし、絶対発症率は若年層でも低いことから、著者は「今回の知見の解釈には、SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種の利点を考慮すべきであり、少数のサブグループ内でのワクチン接種後の心筋炎/心膜炎のリスクを評価するには、より大規模な国際的研究が必要である」と述べている。BMJ誌2021年12月16日号掲載の報告。

オメガ3サプリメントにうつ病予防効果はあるのか?/JAMA

 米国の50歳以上のうつ病リスクを有する集団において、海洋由来オメガ3脂肪酸(オメガ3)サプリメントの長期投与によりプラセボと比較し、うつ病または抑うつ症状の新規発症や再発リスクがわずかではあるが統計学的に有意に増加した一方で、気分スコアには差がないという複雑な結果となった。米国・マサチューセッツ総合病院のOlivia I. Okereke氏らが「VITAL-DEP試験」の結果を報告した。オメガ3サプリメントは、うつ病の治療に用いられているが、一般成人のうつ病予防効果は不明であった。著者は、「今回の知見は、一般成人においてうつ病予防にオメガ3サプリメントの使用は支持されないことを示している」と結論づけている。なお、本研究は、米国の成人(男性50歳以上、女性55歳以上)2万5,871人を対象に、ビタミンD3とオメガ3脂肪酸の心血管疾患およびがんの一次予防効果を評価する無作為化臨床試験「VITAL試験」の補助的な試験で、ビタミンD3の結果はすでに報告されている。JAMA誌2021年12月21日号掲載の報告。

片頭痛に対する抗CGRP抗体の有効性と忍容性

 反復性および慢性片頭痛の予防には、いくつかの薬剤が利用可能である。どの治療を、どのタイミングで選択するかを決定することは簡単ではなく、一般的な有効性、忍容性、重篤な有害事象の可能性、併存疾患、コストなどさまざまな因子に基づいて検討される。ベルギー・ブリュッセル自由大学のFenne Vandervorst氏らは、新たに片頭痛予防の選択肢の1つとして加わったカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)またはその受容体に対するモノクローナル抗体の有効性、忍容性について検討を行った。The Journal of Headache and Pain誌2021年10月25日号の報告。

今後25年間の日本における認知症有病率の予測

敦賀市立看護大学の中堀 伸枝氏らは、富山県認知症高齢者実態調査の認知症有病率データと人口予測データを用いて、日本における認知症有病率の将来予測を行った。BMC Geriatrics誌2021年10月26日号の報告。  まず、1985、90、96、2001、14年の富山県認知症高齢者実態調査のデータを用いて、性別・年齢別の認知症推定将来有病率を算出した。次に、2020~45年の47都道府県それぞれの65歳以上の推定将来人口に性別年齢を掛け合わせ、合計することで認知症患者数を算出した。認知症の推定将来有病率は、算出された認知症患者数を47都道府県それぞれの65歳以上の推定将来人口で除することで算出した。また、2020~45年の47都道府県それぞれの認知症推定将来有病率は、日本地図上に表示し、4段階で色分けした。

ノババックスワクチン、安全性と有効性を確認/NEJM

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのNVX-CoV2373(Novavax製)は、COVID-19の予防に関して安全かつ有効であることを、米国・NovavaxのLisa M. Dunkle氏らが、米国およびメキシコで行われた第III相無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。NVX-CoV2373は、英国と南アフリカで行われた第IIb・III相の試験において臨床的効果が示されていたが、北米ではまだ検討が行われていなかった。NVX-CoV2373は、サポニンベースのアジュバントを添加した遺伝子組換えスパイク蛋白ナノ粒子ワクチンで、冷蔵保管(2~8℃)が可能であることから、世界的なワクチン不足に資するワクチンと目されている。NEJM誌オンライン版2021年12月15日号掲載の報告。

大規模屋内ライブ、包括的介入でコロナ感染予防は可能か~無作為化比較試験

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)蔓延防止のため、2020年は多くの屋内で集まるイベントが禁止された。フランスにおけるSPRING研究(Study on Prevention of SARS-CoV-2 Transmission During a Large Indoor Gathering Event)グループでは、大規模な屋内集会イベントで、開催前3日以内の抗原検査、医療用マスクの着用、十分な換気などの包括的な予防的介入を実施した場合、参加者と非参加者の感染率が同等かどうかを非劣性試験で検証した。その結果、イベント参加とSARS-CoV-2感染リスクに関連は認められなかったことをThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2021年11月26日号で報告した。

心血管疾患2次予防にインフルエンザワクチンは必要か

 急性冠症候群の治療期間中における早期のインフルエンザワクチン接種によって、12ヵ月後の心血管イベント転帰改善が示唆された。本研究は、スウェーデン・Orebro UniversityのOle Frobert氏らにより欧州心臓病学会(ESC 2021)にて報告された。Circulation誌2021年11月2日号に掲載。  実施された国際多施設共同二重盲検ランダム化比較試験(IAMI trial)は、2016年10月1日~20年3月1日の4シーズンに8ヵ国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ラトビア、英国、チェコ、バングラデシュ、オーストラリア)30施設で参加者を登録。急性心筋梗塞(MI)または高リスクの冠動脈疾患患者を対象に、入院から72時間以内にインフルエンザワクチンまたはプラセボを接種する群に1:1でランダムに割り付けた。  なお、過去12ヵ月間にインフルエンザワクチン接種を受けた者、入院したシーズン中にワクチン接種を受ける意思がある者は除外された。

「頭痛の診療ガイドライン」8年ぶり改訂、ポイントは

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とした新規薬剤の片頭痛予防薬としての相次ぐ承認、2018年の「国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)」の発表等、頭痛診療における重要な変化を反映する形で、8年ぶりの改訂となった「頭痛の診療ガイドライン 2021」が10月に刊行された。ガイドライン作成委員会委員長を務めた荒木 信夫氏(よみうりランド慶友病院 委員長)に、改訂のポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。  本ガイドラインは前回の「慢性頭痛の診療ガイドライン 2013」をもとに改訂が行われているが、二次性頭痛の項目を加え、その記載を大幅に拡充したことから、タイトルは従来の「慢性頭痛」から「頭痛」に変更されている。

COVID-19パンデミック時の不眠症状とそれに関連する因子

 ノルウェー・オスロ大学のOyvind Halsoy氏らは、COVID-19パンデミック中の不眠症状に関連する因子について、調査を行った。Frontiers in Psychiatry誌2021年11月5日号の報告。  ノルウェーの成人4,921人を対象に、2020年3月31日~4月7日および2020年6月22日~7月13日の2つの期間において調査依頼を実施した。1回目の調査で関連するリスク因子や心理的相関を、2回目の調査で不眠症状を測定し、時間経過に伴う関連を含めた調査を行った。不眠症状の測定には、Bergen Insomnia Scale(BIS)を用いた。  主な結果は以下のとおり。

モデルナワクチン2回接種、変異株ごとの有効性/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンmRNA-1273(Moderna製)の2回接種は、デルタ変異株、ミュー変異株を含む新たに出現した変異株に対して有効性を示し、とくにCOVID-19による入院に対して高い効果が認められることが、米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニア(KPSC、統合型ヘルスケアシスム)のKatia J. Bruxvoort氏らにより報告された。KPSCメンバーの接種者を対象としたtest negativeケースコントロール試験の結果で、これまでmRNA-1273ワクチンの特異的変異株に対する有効性を検討した試験はほとんどなく、今回の試験を行ったという。mRNAベースのCOVID-19ワクチンについてはデルタ変異株への有効性が低く、保護効果の減弱が報告されていた。BMJ誌2021年12月15日号掲載の報告。