内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:214

冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン、11年ぶりに改訂/日本循環器学会

 『2023年改訂版 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン』が第87回日本循環器学会年次集会の開催に合わせ発刊され、委員会セッション(ガイドライン部会)において、藤吉 朗氏(和歌山県立医科大学医学部衛生学講座 教授)が各章の改訂点や課題について発表した。  本ガイドライン(以下、本GL)は日本高血圧学会、日本糖尿病学会、日本動脈硬化学会をはじめとする全11学会の協力のもと、これまでの『虚血性心疾患の一次予防GL(2012年改訂版)』を引き継ぐ形で作成された。

日本人の認知症リスクに対する喫煙、肥満、高血圧、糖尿病の影響

 心血管リスク因子が認知症発症に及ぼす年齢や性別の影響は、十分に評価されていない。大阪大学の田中 麻理氏らは、喫煙、肥満、高血圧、糖尿病が認知症リスクに及ぼす影響を調査した。その結果、認知症を予防するためには、男性では喫煙、高血圧、女性では喫煙、高血圧、糖尿病の心血管リスク因子のマネジメントが必要となる可能性が示唆された。Environmental Health and Preventive Medicine誌2023年号の報告。対象は、ベースライン時(2008~13年)に認知症を発症していない40~74歳の日本人2万5,029人(男性:1万134人、女性:1万4,895人)。

動脈硬化は睡眠が不規則な人ほど発症する可能性が高かった

 睡眠不足や不規則な睡眠というのは心血管疾患や2型糖尿病などの発症に関連しているが、アテローム性動脈硬化との関連性についてはあまり知られていない。そこで、米国・ヴァンダービルト大学のKelsie M. Full氏らは睡眠時間や就寝タイミングとアテローム性動脈硬化との関連性を調査し、45歳以上の場合に睡眠不足や不規則な睡眠であるとアテローム性動脈硬化の発症リスクを高めることを示唆した。Journal of the American Heart Association誌2023年2月21日号掲載の報告。

「QOL」という言葉にある医師と患者のギャップ

 3月16日(木)に、「医学系研究をわかりやすく伝えるための手引き」シンポジウムがオンラインで開催される。シンポジウムに先立って、本プロジェクトの主任研究員である井出 博生氏と山田 恵子氏が、成果の一端を2週にわたって報告する。第2回は山田氏が、「QOL」という言葉を例に医師と患者の間にある認識のギャップについて解説する。  QOL(Quality of life)。医師のみなさんは、普段から当たり前に使っている言葉の一つだと思います。しかし、真に意味するところは、患者さんに正しく伝わっているでしょうか。

2022年11月以降の中国・北京における新型コロナウイルス流行株の特徴(解説:寺田教彦氏)

本研究は2022年1月から12月までに収集された新型コロナウイルスサンプルについて、次世代シーケンサーを用いた遺伝子解析結果を報告している。本研究結果からは、2022年11月14日以降の中国・北京における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時の主流はBA.5.2とBF.7で、新規亜種は検出されなかったことが報告された(「北京では22年11月以降、新たな変異株は認められず/Lancet」、原著論文Pan Y, et al. Lancet. 2023;401:664-672.)。

レムデシビル、コロナ入院患者の死亡リスクを低減/ギリアド

 ギリアド・サイエンシズ(日本)は3月6日付のプレスリリースにて、入院後2日以内の抗ウイルス薬レムデシビル(商品名:ベクルリー)投与により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院患者において、重症度にかかわらず死亡率および再入院率が低下したことを示すデータが、50万人超のリアルワールド試験から得られたことを発表した。死亡率の低下は、免疫不全者の集団においても認められた。米国本社が2月21日に英語で発表したものの邦訳版。本結果は2月19~22日に米国・シアトルで開催された第30回レトロウイルス・日和見感染症会議(Conference on Retroviruses and Opportunistic Infections)にて発表された。

3月13日以降のマスク、濃厚接触者は7日間着用を推奨/厚労省

 厚生労働省は2023年3月7日、自治体・医療機関向けの事務連絡「B.1.1.529系統(オミクロン株)が主流である間の当該株の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施について」を一部改正した。2023年2月10日に発表された「マスク着用の考え方の見直し等について」に基づき、2023年3月13日よりマスクの着用は、個人の判断を基本とすることとなるが、濃厚接触者については7日間のマスク着用が推奨されることとなった。

尿路感染症疑い高齢者への抗菌薬、医師への適正使用支援で6割減/BMJ

 尿路感染症が疑われる70歳以上のフレイル高齢者について、医療者に対して適切な抗菌薬使用決定ツールの提供や教育セッションなどの多面的抗菌薬管理介入を行うことで、合併症や入院の発生率などを上げずに、安全に抗菌薬投与を低減できることが示された。オランダ・アムステルダム自由大学のEsther A. R. Hartman氏らが、ポーランドやオランダなど4ヵ国の診療所などで行ったプラグマティックなクラスター無作為化試験の結果を報告した。ガイドラインでは限定的な抗菌薬使用が推奨されているが、高齢患者においては、処方決定の複雑さや異質性のため推奨使用の実施には困難を伴うとされていた。BMJ誌2023年2月22日号掲載の報告。

コロナへのイベルメクチン、最大用量でも効果認められず/JAMA

 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者へのイベルメクチン治療について、最大目標用量600μg/kgの6日間投与はプラセボ投与と比較して、持続的回復までの期間を改善しなかった。米国・デューク大学のSusanna Naggie氏らが、約1,200例を対象に行った無作為化二重盲検プラセボ対照プラットフォーム試験「ACTIV-6試験」の結果を報告した。著者は、「結果は、軽症~中等症のCOVID-19患者へのイベルメクチン使用を支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2023年2月20日号掲載の報告。

2023年度コロナワクチン接種スケジュールを発表/厚労省

 厚生労働省は3月7日、新型コロナワクチンの2023年4月以降の接種についてスケジュールの方針を発表した。2023年度も、すべての国民に自己負担なしで新型コロナワクチンを接種できる「特例臨時接種」が延長される。  12歳以上については、重症化リスクの高い高齢者(65歳以上)や基礎疾患を有する人、および医療従事者は、5月8日からオミクロン株対応2価ワクチン接種を開始する。年2回の接種が可能となる。高齢者は春~夏に1回、秋~冬に1回の接種が推奨されている。いずれの対象者も、最終接種からの接種間隔は少なくとも3ヵ月以上となる。