内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:201

直近1年のオンライン診療利用患者は2%未満、利用意向も低い

 9,000人超を対象としたアンケート調査で、直近1年のオンライン診療利用者は2%未満であり、利用経験者における今後の利用意向は高いものの、全体の利用意向は非利用意向よりも低いことが明らかになった。マイボイスコム株式会社は、「オンラインでの医療相談・診察」に関するインターネット調査を行い、その結果を2022年10月28日に公表した。 ・直近1年間のオンライン診療利用経験は1.8%であった。10代・20代では約6%、30代では約3%であった。 ・オンライン診療を知っているが利用したことはない人は75.3%で、オンライン診療を知らない人は20.7%であった。 ・オンライン診療を受けたきっかけや理由は、「かかりつけ医がオンラインでの診療や相談を実施していた」が41.0%で最も多く、「発熱・咳など新型コロナ感染の疑いがあった」21.3%、「待ち時間・通院時間をかけたくない」20.2%、「遠方の医師の診察を受けるため」18.0%、「新型コロナ予防のため医療機関へ行くのを控えたい」16.3%と続いた。 ・オンライン診療を受けた医療機関の探し方は、「かかりつけの医療機関がオンライン診療をしていた」が57.3%で最も多く、「インターネットでの検索」22.%、「保健所や自治体などの紹介」10.7%、「インターネット広告」8.4%、「自治体のHP、広報誌など」6.7%と続いた。

老後の一人暮らしと認知症リスク

 米国・イリノイ大学シカゴ校のBenjamin A. Shaw氏らは、老後の一人暮らしと認知症発症との関連性を調査した。これまでの多くの研究では、単一の時点で得られた一人暮らしに関するデータを利用して検証されていたが、著者らは、高齢者の一人暮らしの状況を長期的に測定し、一人暮らしの期間が長いほど認知症発症リスクが高いかどうかを評価した。その結果、老後の一人暮らしは認知症の重大なリスク因子であるが、この影響はすぐに現れるわけではなく、時間とともに上昇する可能性があることが示唆された。The Journals of Gerontology誌オンライン版2022年9月30日号の報告。

コロナ軽症でも、高頻度に罹患後症状を発症/BMJ

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)による感染症の急性期後6~12ヵ月の時期における、患者の自己申告による罹患後症状(いわゆる後遺症、とくに疲労や神経認知障害)は、たとえ急性期の症状が軽症だった若年・中年の成人であってもかなりの負担となっており、全体的な健康状態や労働の作業能力への影響が大きいことが、ドイツ・ウルム大学のRaphael S. Peter氏らが実施した「EPILOC試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年10月13日号に掲載された。  EPILOC試験は、ドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州の4つの地域(人口計約270万人)で行われた住民ベースの研究で、2020年10月1日~2021年4月1日にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査でSARS-CoV-2陽性と判定された18~65歳の集団が解析の対象となった(バーデン・ビュルテンベルク州Ministry of Science and Artの助成を受けた)。

GRADE試験―比較効果研究(comparative effectiveness research)により示されたGLP-1受容体作動薬の優位性(解説:景山茂氏)

GRADE試験は著者らが述べているように比較効果研究(comparative effectiveness research)である。糖尿病治療薬については2008年の米国FDAのrecommendation以来、新規に開発される薬物については治験段階から心血管イベントに対する影響が検討されている。これらの成果として、近年はGLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬の臓器保護効果が検証された。しかし、これらはプラセボを対照とした試験が多く、必ずしも数多くある治療薬の中でどれがよいかを示すものではなく、また、それを目的として行われたわけでもない。

うつ病リスクに影響を及ぼす身体活動や睡眠時間

 うつ病リスク低下に対し、中程度~高度な身体活動(MVPA)のベネフィットは確立されてきているものの、睡眠、座位行動(SB)、軽度な身体活動(LIPA)に関するエビデンスは十分ではない。これらの行動は、行動学的および生物学的な相互関係を考慮せず検討されることも少なくない。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのJ. M. Blodgett氏らは、ある行動に費やした時間が、他の行動と比較し、どのようにうつ病リスクと関連しているかを調査した。その結果、あらゆる行動をMVPAに置き換えることで、うつ病リスクが低下することが明らかとなった。著者らは、「たとえ少しでも、MVPAに費やす時間の増加はうつ病の予防や軽減につながり、治療効果にプラスの影響を及ぼす可能性がある」と報告している。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2022年9月30日号の報告。  対象は、1970 British Cohort Study(英国の1970年出生コホート研究)より抽出した4,738例(2016年時、年齢46歳)。抑うつ状態の評価は、自己報告による受診および抗うつ薬の使用歴に基づき確認した。MVPA、LIPA、SB、睡眠の測定は、大腿部に装着した加速度計を用いて7日間連続で行った。さまざまな運動に費やされた時間構成とうつ病との関連を評価するため、コンポジショナルロジスティック回帰を用いた。

コロナ流行で糖尿病関連死が30%増加、とくに若年で顕著

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって、米国における2021年および2022年の糖尿病関連の死亡が、パンデミック以前と比べて30%以上増加したことを、中国・西安交通大学のFan Lv氏らが報告した。糖尿病は新型コロナ感染症の重症化の重大なリスク因子であるとともに、新型コロナウイルス感染は血糖コントロールの悪化につながることが報告されている。同氏らは、パンデミックによって糖尿病患者の治療の提供が混乱したことから、パンデミック中の糖尿病関連の死亡の傾向を調査した。eClinicalMedicine誌9月23日掲載の報告。

TSLPを標的とした重症喘息の新たな治療選択肢

 2022年10月24日、アストラゼネカは、都内にて「テゼスパイアによる重症喘息治療への貢献」をテーマにメディアセミナーを開催した。  現在の重症喘息治療における課題は複雑な炎症経路である。ウイルスやアレルゲン、ハウスダストなど環境因子の刺激により、気道上皮から上皮サイトカインが産生され、その結果、アレルギー性炎症や好酸球性炎症、気道のリモデリングなど、複数の経路から喘息が増悪すると考えられている。上皮サイトカインのなかでも、炎症カスケードの起点となっているのが胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)である。TSLPは、喘息の重症化や呼吸機能低下だけでなく、気道のリモデリングやステロイド反応性の低下、ウイルス感染に対する過剰な2型炎症にも関与していると考えられている。

双極性障害と心血管疾患の関連に対する性差の影響~UKバイオバンク横断分析

 心血管疾患(CVD)リスクに対して、双極性障害(BD)患者の性差による影響を検討した報告は、これまでほとんどなかった。カナダ・トロント大学のAbigail Ortiz氏らは、UKバイオバンクのデータを用いて、CVDとBDの関連性に対する性別固有の影響について検討を行った。その結果、CVDとBDの関連性に男女間で違いが認められた。このことから著者らは、CVDのリスク推定ツールに性別と精神疾患を組み込むことで、BD 患者のCVDスクリーニングや適時の治療を改善できるとしている。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2022年9月23日号の報告。  UKバイオバンクに登録されたBD患者293例、精神医学的に健康な対照者25万7,380例を対象に横断研究を実施した。7つのCVD(冠動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、心房細動、心不全、脳卒中、本態性高血圧)および4つの心血管バイオマーカー(動脈硬化指数、LDL、CRP、HbA1c)について男女間のオッズ比を比較した。

妊婦へのコロナワクチン接種をメタ解析、NICU入院や胎児死亡のリスク減

 妊娠中のCOVID-19ワクチン接種による周産期アウトカムへの影響について、有効性と安全性を評価するため、筑波大学附属病院 病院総合内科の渡邊 淳之氏ら日米研究グループによりシステマティックレビューとメタ解析が行われた。本研究の結果、ワクチン接種が新生児集中治療室(NICU)入院、子宮内胎児死亡、母親のSARS-CoV-2感染などのリスク低下と関連することや、在胎不当過小(SGA)、Apgarスコア低値、帝王切開分娩、産後出血、絨毛膜羊膜炎などといった分娩前後の有害事象のリスク上昇との関連がないことが示された。JAMA Pediatrics誌オンライン版2022年10月3日号に掲載の報告。

オミクロン感染7日目、3割が抗原検査陽性

 米国疾病対策予防センター(CDC)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染時の隔離期間について症状の有無にかかわらず5日間を推奨している。また日本では、症状のある人は発症日から7日間隔離、症状がない人は検査陽性となった日から7日間隔離で抗原検査陰性になれば5日間に短縮可能としている。今回、米国・スタンフォード大学のJessica Tsao氏らが、SARS-CoV-2陽性を示した学生スポーツ選手において、診断日から7日目の迅速抗原検査で27%が依然として陽性であったことを報告した。また、症状ありの感染者、オミクロンBA.2変異株感染者で陽性率が高かった。JAMA Network Open誌2022年10月18日号に報告。