内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:198

非専門医が使える「糖尿病治療のエッセンス」2022年版/日本糖尿病対策推進会議

 わが国の糖尿病患者数は、糖尿病が強く疑われる予備群を含め約2,000万人いるとされているが、糖尿病の未治療者や治療中断者が少なくない。  そこで、糖尿病診療のさらなる普及を目指し、日本糖尿病学会をはじめとする日本糖尿病対策推進会議は、糖尿病治療のポイントをとりまとめて作成した『糖尿病治療のエッセンス(2022年版)』を制作し、日本医師会のホ-ムページより公開した。今回の改訂で5回目となる。

セマグルチド、12~18歳でも優れた抗肥満効果/NEJM

 グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬セマグルチドは、成人の肥満治療薬として欧米で承認を得ている。オーストリア・Paracelsus医科大学のDaniel Weghuber氏らは「STEP TEENS試験」において、肥満症の青少年(12~18歳未満)に対する本薬の有用性を検討し、セマグルチド+生活様式への介入は生活様式への介入単独と比較して、68週の時点でBMI値の有意な低下をもたらし5%以上の体重減少の達成割合を有意に増加させたが、消化器系の有害事象の頻度が高かったことを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年11月2日号で報告された。

職場へのお土産の予算は?/医師1,000人アンケート

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し始めた頃、出張や旅行は自主的に制限され、また学術集会もオンラインで開催されるなど、外出への機会は失われ、お土産を買ったり、もらったりということは減少した。しかし、最近では、コロナワクチンの普及や治療薬の登場により、COVID-19以前の生活に戻りつつある。  出張や学術集会が再開されて気になるのは、残してきた家族や医局の同僚などへの「お土産」である。実際、医師がどの範囲の集団に、どの程度の予算でお土産を購入しているのか、今回会員医師1,000人にアンケート調査を行った。

降圧薬の服薬は朝でも夕でもどちらでもお好きな時間に〜降圧薬の時間薬理学を無視したトライアル(解説:桑島巖氏)

高血圧合併症を予防するためには、降圧薬の服薬は朝と夕のどちらがよいか? このテーマは高血圧患者を診療する医師にとってぜひ知りたい情報であろう。本研究はその問題に本格的に取り組んだ大規模臨床試験である。夕方服用のほうが朝服用よりも心血管合併症効果に、より有効であったとの報告もあるが、いずれも小規模だったり、方法論に問題があったりするなどで本格的大規模臨床試験による決着が望まれていた。その課題にあえて取り組んだ点では評価できる。しかし、プロトコールに大きな欠陥があるのは否めない。

「糖尿病」の名称変更、医師の6割が反対/医師1,000人アンケート

 これまで、病名とその患者の関係性を考えたことはあるだろうか? 近年、糖尿病患者が社会的にスティグマ(偏見)を持たれていることを受け、日本糖尿病協会のアドボカシー活動の1つとして、医療現場の言葉の見直しが検討されている。そのなかに、『糖尿病』という疾患名も含まれており、将来、疾患名が変更されるかもしれない。そこで、ケアネットは会員医師1,028人に対し、緊急のアンケート調査を実施した。

抗うつ薬と骨量減少との関連~メタ解析

 うつ病や抗うつ薬の使用は、骨粗鬆症のリスク因子の1つであるといわれている。しかし、抗うつ薬の骨への影響やうつ病患者の年齢と骨の健康状態の自然な低下に関する研究では、一貫した結果が得られていない。イタリア・Magna Graecia UniversityのMichele Mercurio氏らは、抗うつ薬と骨密度(BMD)の関連を調査した。その結果、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の使用がBMD減少と関連している可能性が示唆された。著者らは結果を踏まえ、抗うつ薬の使用と骨の脆弱性との潜在的な関連性に対する医師の意識を高め、骨の健康状態のモニタリング強化を目指すと述べている。Orthopedic Reviews誌2022年10月13日号の報告。

認知症における抗精神病薬処方を合理化するための介入

 認知症介護施設の入居者に対する不適切な抗精神病薬投与は問題となっている。この問題に対処するため、施設スタッフの教育やトレーニング、アカデミック・ディテーリング、新たな入居者評価ツールで構成された「認知症に対する抗精神病薬処方の合理化(RAPID:Rationalising Antipsychotic Prescribing in Dementia)」による複合介入が開発された。アイルランド・ユニバーシティ・カレッジ・コークのKieran A. Walsh氏らは、認知症介護施設の環境下におけるRAPID複合介入の利用可能性および受容性を評価するため、本研究を実施した。また、向精神薬の処方、転倒、行動症状に関連する傾向についても併せて評価した。その結果、RAPID複合介入は広く利用可能であり、関係者の受容性も良好である可能性が示唆された。著者らは、今後の大規模研究で評価する前に、実装改善のためのプロトコール変更やさらなる調査が必要であるとしている。Exploratory Research in Clinical and Social Pharmacy誌2022年10月10日号の報告。

ファイザーBA.4/5対応2価ワクチンの第II/III相試験、1ヵ月後データ

 米国・Pfizerは11月4日付のプレスリリースで、同社のオミクロン株BA.4/5対応の新型コロナウイルス2価ワクチンについて、追加接種から1ヵ月後の第II/III相試験データを発表した。30μgの追加接種により、同社の起源株に対する1価ワクチンよりも強固な中和免疫反応が得られたことが確認され、安全性および忍容性プロファイルは両ワクチン間で同様だった。  今回の第II/III相試験では、同社のBA.4/5対応2価ワクチンの4回目の追加接種(30μg)について、接種前と接種から1ヵ月後の血清を採取して評価した。SARS-CoV-2感染の既往がある人とない人を均等に層別化し、18~55歳(n=38)および55歳以上(n=36)のサブセットを設定した。また、同社の起源株に対応した1価ワクチン30μgを4回目接種として投与された55歳以上(n=40)を対照群として、同様に均等な層別化をしながら無作為に抽出した。2価ワクチンを接種した被験者は、前回の追加接種が約10〜11ヵ月前であったのに対し、1価ワクチンを接種した被験者は、前回の追加接種が約7ヵ月前であったが、この差にもかかわらず、4回目接種前の抗体価は両者でほぼ同様だった。

医療者も実は…?糖尿病のスティグマを見直す/日糖協の活動

 近い将来、「糖尿病」という病名は使用されなくなるかもしれない。  日本糖尿病協会(以下、日糖協)は、都内開催のセミナーにて、「『糖尿病』という言葉を変える必要がある」と問題意識を明らかにした。現在、日糖協では「糖尿病にまつわる“ことば”を見直すプロジェクト」を推進しており、病名変更もその一環だ。  日糖協理事の山田 祐一郎氏(関西電力病院 副院長)は、「言葉を変える目的は、糖尿病に関するスティグマ(偏見)を減らすことにある。単なる言葉の入れ替えでは意味がない。医療従事者と糖尿病のある方とのコミュニケーションを変えることが重要だ」と述べた。

BA.4/5対応2価ワクチン後、年齢別の副反応発生状況/CDC

 12歳以上における、ファイザー社およびモデルナ社の2価ワクチンによるブースター接種後の安全性データを、米国疾病予防管理センター(CDC)のAnne M. Hause氏らがMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)11月4日号に報告した。  米国食品医薬品局(FDA)は2022年8月31日に、12歳以上へのBNT162b2(ファイザー)および18歳以上へのmRNA-1273(モデルナ)COVID-19ワクチンの2価製剤を承認。これらのワクチンにはSARS-CoV-2のオリジナル株およびBA.4/BA.5のスパイクタンパク質をコード化したmRNAが含まれる。10月23日までの間に、約2,260万回の2価ブースターワクチンが投与されている。今回、同期間中の2価ワクチン接種者における、v-safe(スマートフォンを用いたアクティブサーベイランスシステム。接種後1週間の局所および全身反応と健康への影響が報告される)およびVAERS(CDCとFDAが管理する、ワクチン接種後の有害事象をモニタリングするパッシブサーベイランスシステム)に報告された事象および健康影響評価のレビューが行われた。