インフルエンザワクチンの接種で脳卒中のリスクも低下?
インフルエンザシーズンが近づく中、インフルエンザワクチンの接種は、脳卒中リスクの低下という追加のメリットをもたらす可能性のあることが、スペインの研究で示された。約8万6,000人の中高年の男女を対象としたこの研究では、季節性インフルエンザのワクチンを接種した人は虚血性脳卒中を発症するリスクの低いことが示されたという。アルカラ大学(スペイン)のFrancisco Jose de Abajo氏らによる研究で、「Neurology」に9月7日発表された。
脳卒中の大部分を占めている虚血性脳卒中は、血栓による脳への血流低下が原因で起こる。今回の研究は、スペインのプライマリケアの2001年から2015年のデータベースに含まれる40~99歳の住民375万7,621人の医療記録に基づくもの。このうち1万4,322人が14年間の追跡期間中に初発虚血性脳卒中を発症していた。研究グループは、これらの虚血性脳卒中を発症した患者と、年齢と性別が同じだが脳卒中を発症していない患者(7万1,610人)を対照とした。脳卒中の発症から14日以上前に(対照でも同じ期間内に)インフルエンザワクチンを接種していたのは、虚血性脳卒中を発症した患者で41.1%、発症していない患者で40.5%であった。