産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:63

女性の不妊に関わる遺伝子変異が判明/NEJM

 βチューブリン遺伝子(TUBB)8の変異が、微小管の形成や動態、卵母細胞の減数分裂と紡錘体形成ならびに卵母細胞の成熟を妨害し、優性遺伝的に女性の不妊症を引き起こすことを、中国・復旦大学Ruizhi Feng氏らが、不妊症の女性を含む24家族のDNA解析の結果、明らかにした。受精は、第二減数分裂中期で停止している成熟した卵母細胞に精子細胞が侵入することで開始するが、ヒト卵母細胞の成熟停止の原因となる遺伝的異常は明らかにされていなかった。NEJM誌2016年1月21日号掲載の報告。

「妊娠、抗てんかん薬」検索結果は患者に役立つか?

 女性てんかん患者(WWE)は、インターネットなどの多くのソースから妊娠関連の重要な情報を入手していることを調査が示している。イスラエル・ヘブライ大学のTal Lavi-Blau氏らは、妊娠、授乳中における4種類の抗てんかん薬使用について、Google検索により提供されているWebサイトのタイプを評価した。Epilepsy & behavior誌オンライン版2016年1月12日号の報告。

卵アレルギーと弱毒生インフルエンザワクチン(解説:小金丸 博 氏)-475

インフルエンザワクチンの製造には、インフルエンザウイルスを鶏卵に接種し培養する工程があるため、ワクチンにはオバルブミンなど卵の成分が含まれる。そのため、卵アレルギーのある人にインフルエンザワクチンを接種すると、重大な副反応が起こる可能性があると広く認識されている。近年、オバルブミン含有量の少ない不活化インフルエンザワクチンは、卵アレルギーのある患者に安全に接種できるとの報告があるが、経鼻的に投与される弱毒生インフルエンザワクチン(LAIV)の安全性に関しては、十分なデータがなかった。

ジャガイモ摂取量が多いほど妊娠糖尿病になりやすい?/BMJ

 妊娠前のジャガイモ摂取量が妊娠糖尿病(GDM)のリスクと有意に関係していることを、米国立衛生研究所のWei Bao氏らが10年にわたる前向きコホート研究の結果、報告した。ジャガイモを他の野菜・豆・全粒粉食品に置き換えると、GDM発症リスクが低下する可能性もあるという。これまで、ジャガイモ摂取量とGDMとの関連性については明らかにされていなかった。ジャガイモは、米国人のための食生活指針では、健康的な食物として野菜の中に分類されている。しかし、急速に吸収されるデンプンを多量に含むため、糖代謝に悪影響を及ぼすことが先行研究で示唆されていた。BMJ誌オンライン版2016年1月12日号の掲載報告。

妊娠前後のピル、胎児の先天異常リスクを増大せず/BMJ

 妊娠前3ヵ月~妊娠初期に経口避妊薬を服用していても、重大先天異常のリスク増大は認められなかったことが、米・ハーバード大学公衆衛生院のBrittany M Charlton氏らによるデンマーク各種全国レジストリを用いた前向き観察コホート研究の結果、明らかとなった。経口避妊薬使用者の約9%は服用1年目で妊娠するとされる。その多くは妊娠を計画し経口避妊薬の服用を中止してから数回の月経周期での妊娠であるが、胎児への外因性ホルモンの影響と先天異常との関連については明らかとはなっていない。BMJ誌オンライン版2016年1月6日号掲載の報告。

妊婦のフルコナゾール内服、自然流産のリスク増加/JAMA

 妊娠7~22週にカンジダ症の治療薬として経口フルコナゾールを服用した妊婦は、服用しなかった妊婦、またはアゾール外用薬を使用した妊婦に比べ、いずれも自然流産リスクが約5~6割増大することが判明した。一方で死産リスクについては、有意な増大は認められなかった。デンマークStatens Serum InstitutのDitte Molgaard-Nielsen氏らが、140万例超の妊婦コホートを対象に行った試験で明らかにした。JAMA誌2016年1月5日号掲載の報告。

双子のがん発症、家族性リスクと強い関連/JAMA

 北欧の双生児を長期に追跡した研究で、すべてのがんおよび特異的がん(前立腺、メラノーマ、乳がん、卵巣、子宮がんなど)において、過剰な家族性リスクが有意に認められることを、米国・ハーバード公衆衛生大学院のLorelei A. Mucci氏らが報告した。住民集団ベースの研究で、家族性がんリスクは、がんリスク予測の基本要素とされている。著者は、「がんの遺伝性リスクに関する本情報は、患者教育やがんリスクカウンセリングに役立つだろう」とまとめている。JAMA誌2016年1月5日号掲載の報告。

乳がん術後化学療法中のLHRHa、卵巣機能を長期保護/JAMA

 年齢中央値39歳の早期乳がん患者の術後化学療法中に、黄体形成ホルモン放出ホルモンアナログ(LHRHa)製剤のtriptorelin併用は、化学療法単独と比べて妊娠率について統計的に有意な差はなかったが長期的な卵巣機能の回復率が高いことが、イタリア・IRCCS AOU San Martino-ISTのMatteo Lambertini氏らによる無作為化試験の結果、示された。無増悪生存(DFS)については、試験の検出力に限界があったとしたうえで、統計的有意差は認められなかったと報告している。化学療法中のLHRHa併用は卵巣機能保護戦略として信頼性が高いが、長期的な卵巣機能への影響、および妊娠に関するデータは不足していた。また、併用療法に関する安全性への懸念もあり論争の的となっていた。JAMA誌2015年12月22・29日号掲載の報告。