産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:64

予定帝王切開児は喘息や死亡リスクがわずかに高い/JAMA

 予定帝王切開分娩児は、経腟分娩児と比べて、5歳時点における入院またはサルブタモール吸入薬(商品名:サルタノールインヘラーほか)投与を要する喘息の絶対リスク、およびフォローアップ期間中(21歳時点)の全死因死亡の絶対リスクがわずかだが高いことが、英国・アバディーン大学のMairead Black氏らによる検討の結果、明らかにされた。予定帝王切開分娩は世界的に顕著な割合を占めており、予定・予定外を合わせると50%に達する国・地域もあることが報告されている。観察研究で、帝王切開分娩児は小児期の疾病リスクが高いことが示唆されているが、それらはキーとなる交絡因子が考慮されておらず、また予定帝王切開分娩児の、新生児期以降の死亡リスクに関する報告はなかったという。JAMA誌2015年12月1日号掲載の報告。

第1子と第2子妊娠間の体重増、死産・新生児死亡リスク増大/Lancet

 第1子妊娠から第2子妊娠の間に母親の体重が増加すると、死産や新生児死亡リスクが増大することが確認された。とくに死産リスクについては、体重増と線形増加の関連性が認められた。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のSven Cnattingius氏らが、約46万人の女性を対象に行った住民ベースのコホート試験の結果、明らかにした。著者は、「今回示された結果は、健康で過体重の女性について妊娠前の体重増を防止する必要があること、過体重女性では減量の促進が必要であることを強調するものである」と指摘している。Lancet誌オンライン版2015年12月2日号掲載の報告。

抗がん剤の副作用管理アプリ、卵巣がん治験で検証:アストラゼネカ

 アストラゼネカ(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ [Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、2015年12月7日、cediranib・オラパリブ併用治療中の再発プラチナ感受性高悪性度卵巣がん患者に対するデジタルサポートサービスを検証する計画を発表した。本サービスは、アストラゼネカと米国立がん研究所 (NCI) との連携のもと、Voluntis社(本社:仏国パリ、最高経営責任者(CEO):Pierre Leurent)がシステムを開発した。 本サービスは、臨床医および患者に対して、cediranib・オラパリブ併用治療の副作用である高血圧および下痢の管理を支援することを目的としており、ウェブポータルとスマートフォンのアプリにより提供される。

妊婦の週末の入院・出産は、平日よりハイリスク/BMJ

 英国で妊婦が週末に入院または出産した場合、平日の場合と比べて、母体および新生児の臨床的アウトカムを示す7つの指標のうち4つまでが劣っており、いわゆる“週末効果”が存在することが確認された。すべての妊婦が平日に出産した場合に比べると、年間で周産期死亡が770件、母体感染症が470件、過剰に発生していることが推定されたという。インペリアル・カレッジ・ロンドンのWilliam L. Palmer氏らが行った観察試験の結果、明らかにされた。BMJ誌オンライン版2015年11月24日号掲載の報告。

入院医療費が高額な医師ほど訴訟リスクは低い/BMJ

 同じ専門科の中で医療資源の使用(入院医療費)が高額の医師のほうが、低額の医師に比べ、翌年の医療過誤訴訟の発生リスクが低い傾向にあることが明らかにされた。産科婦人科については、帝王切開実施率が高い医師ほど、同訴訟リスクが低かった。米国・ハーバード大学医学校のAnupam B. Jena氏らが、約2万5,000人の医師について行った観察試験の結果、報告した。先行研究で、多くの医師が自衛的医療を行っていることが明らかになっていたが、医療資源の使用と医療過誤訴訟リスクとの関連については検討されていなかった。BMJ誌オンライン版2015年11月4日号掲載の報告より。

産後女性の精神症状軽減へ、ハーブティーの可能性

 出産後の女性において、睡眠の質を確保することは重要な問題である。カモミールは、催眠鎮静作用を有するといわれていることから、広く民間療法として使用されている。台湾・輔英科技大学のShao-Min Chang氏らは、カモミールが出産後女性の睡眠の質や疲労、うつ病に及ぼす影響を評価した。Journal of advanced nursing誌オンライン版2015年10月20日号の報告。

妊娠に伴ううつ病、効果的なメンタルヘルス活用法

 スクリーニングでうつ病と診断された妊娠中あるいは分娩後の女性について、スクリーニング単独の場合はメンタルヘルスの活用は22%にとどまったが、周産期外来部門への介入や、本人へのリソース提供を行うことで、周産期うつ女性のメンタルヘルス活用は、2~4倍増大するという。米国・マサチューセッツ大学医学部のNancy Byatt氏らがシステマティックレビューの結果、示した。Obstetrics & Gynecology誌オンライン版2015年11月号の掲載報告。

妊娠高血圧腎症と新生児の先天性心疾患リスク/JAMA

 妊娠高血圧腎症と新生児の先天性心疾患との関連について検証した結果、非重症の心疾患と顕著に関連していること、重症心疾患との関連は妊娠34週以前発症の場合にみられることなどが明らかにされた。カナダ・モントリオール大学のNathalie Auger氏らが、1989~2012年にケベック州の病院で誕生した新生児194万例超を対象とした住民ベースコホート研究の結果、報告した。妊娠高血圧腎症を呈した母親から生まれた新生児の先天性心疾患リスクは十分に解明されていない。今回の結果を踏まえて著者は、「先天性心疾患の絶対リスクは低かった」とまとめている。JAMA誌2015年10月20日号掲載の報告。