消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

複数のがん種で診断後の運動量とがん死亡リスク低下が関連

 これまでの研究で、一部のがん種では身体活動ががんの発症や再発・死亡リスク低下と関連することが報告されている。しかし、乳がん、大腸がん、前立腺がん以外のがん種における身体活動とがん死亡に関するエビデンスは限られている。今回、米国がん協会のErika Rees-Punia氏らは、身体活動とがん死亡との関連が十分に検討されてこなかった7種のがん(膀胱がん、子宮体がん、腎がん、肺がん、口腔がん、卵巣がん、直腸がん)の患者を対象に、診断後の身体活動量、および診断前後の身体活動量の変化とがん死亡リスクとの関連を検討する観察研究を実施した。結果はJAMA Network Open誌2026年2月17日号に掲載された。

急性単純性虫垂炎、手術か抗菌薬か?APPAC 10年追跡(解説:寺田教彦氏)

虫垂切除術は、100年以上にわたり虫垂炎における唯一の治療法とされ、現在も虫垂炎の主要な治療法である。一方で、CTで合併症を伴わない急性単純性虫垂炎に限れば、抗菌薬による保存的治療が一定の成績を示す研究が蓄積し、近年のガイドラインでも「特定集団では選択肢になりうる」と整理されるようになった。2026年1月にJAMA誌に掲載された本論文で扱われているAPPAC試験は、フィンランドの6施設で実施した非盲検無作為化非劣性試験で、2009年11月から2012年6月に、18歳から60歳までの、CTで合併症がない急性単純性虫垂炎と診断された患者を虫垂切除群と抗菌薬治療群に無作為に割り付けた試験であり、今回は10年追跡解析を報告している。

PPIやNSAIDsの併用、ICIの有効性に影響せず

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)治療中、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの一般的な併用薬が治療効果に影響するとの報告があるが、その因果関係には議論がある。米国・ミシガン大学のDaria Brinzevich氏らは、米国退役軍人保健局(VHA)の全国データベースを用い、非小細胞肺がん(NSCLC)患者における一般的併用薬とICI治療成績の関連を検証した。Cancer誌オンライン版2025年12月15日号掲載の報告。  2005~23年に治療を受けたStageⅣのNSCLC患者のうち、1次または2次治療でICI(n=3,739)または化学療法(n=6,585)を受けた患者を対象とした。

高齢者の術後せん妄の予防に有効な薬物療法とは/BMJ

 術後せん妄の予防に鎮静薬デクスメデトミジンが有効であり、エビデンスの質は高くないもののコルチコステロイド、メラトニン受容体作動薬、parecoxib、経鼻インスリン、オランザピンにも潜在的な有益性があることが、英国・オックスフォード大学のMatthew Luney氏らの検討で示された。手術後に急激な意識障害や注意力の低下を来す術後せん妄は、認知症発症のリスクを高めるだけでなく、多大な医療コストの要因ともなっており、高齢化社会における重大な課題とされるが、有効な薬物療法は確立されていない。BMJ誌2026年2月12日号掲載の報告。

飲酒と大腸がん、リスクの高い頻度と量は?

 飲酒は大腸がんリスクの上昇と関連していることが示されているが、生涯飲酒に関する研究は限られている。米国国立がん研究所のCaitlin P. O'Connell氏らは、生涯飲酒と大腸腺腫および大腸がんの発症との関連性を推定することを目的とした研究を行った。Cancer誌2026年2月1日号掲載の報告。  前立腺がん、肺がん、大腸がん、卵巣がん検診の効果を評価するPLCO試験に参加した米国成人を対象とした。参加者はビール、ワイン、蒸留酒の摂取頻度について、4つの事前定義された年齢層(18~24歳、25~39歳、40~54歳、55歳以上)ごとに、10段階の頻度カテゴリー(飲酒経験なし~1日6杯以上)を用いて回答した。また、過去1年間のビール・ワイン・蒸留酒摂取量も報告した。参加者を「非飲酒者」「元飲酒者」「現飲酒者」に分類し、生涯平均飲酒量(週1杯未満、1~7杯未満、7~14杯未満、14杯以上)でも分類した。

がん研究、約10%が不正な「ペーパーミル製論文」か/BMJ

 ペーパーミル(論文工場)は、がん研究論文において深刻かつ拡大する問題であり、低インパクトファクターの雑誌に限った問題ではないことが、フランス・L'Institut AgroのBaptiste Scancar氏らが行った機械学習モデルの構築・検証およびスクリーニングの結果で示された。著者は、「ペーパーミルの問題に対処するためには、関係者全体でこの課題を共有し行動を起こすことが不可欠である」とまとめている。BMJ誌2026年1月29日号掲載の報告。

肝機能指標の正確な理解度は20%未満/ベーリンガーインゲルハイム

 日本ベーリンガーインゲルハイムは、2月の全国生活習慣病予防月間に合わせ、同社が行った「脂肪肝に関する認知・理解度調査」の結果を2026年2月16日に公表した。  脂肪肝は、わが国では2,000万例以上が罹患していると推定され、最も頻度の高い肝疾患とされている。また、日本人を含む東アジア人においては、遺伝的背景により肝臓に脂肪が蓄積しやすい体質の人が多いことが知られ、普通体重であっても脂肪肝に至るリスクが相対的に高いとされている。重症化すると肝硬変や肝がんになるリスクがあり、肝硬変に進行すると、再生能力の高い肝臓でも元に戻ることは難しく、日常生活にも大きな支障を及ぼす。さらに肥満症や2型糖尿病などの代謝疾患の合併や発症につながり、心血管疾患イベント(心筋梗塞、虚血性心疾患、心不全など)のリスク増大や、がんなどの重篤な疾患の要因になることも知られている。

肝線維化を有するMASH、efimosfermin月1回投与の安全性と忍容性を確認/Lancet

 ステージF2またはF3の肝線維化を有する代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)患者において、月1回皮下投与はプラセボと比較し、安全性および忍容性が良好であることが認められた。米国・Houston Methodist HospitalのMazen Noureddin氏らが、米国の34施設で実施した第II相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。MASHの有病率が増加しており、線維化および疾患進行を抑制する効果的で安全な治療戦略は重要なアンメットニーズである。efimosferminは月1回投与が可能な線維芽細胞増殖因子21(FGF21)アナログで、著者は「今回の結果は、MASH関連線維症の治療薬としてefimosferminのさらなる開発を支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年2月5日号掲載の報告。

飲んでないのに酔っぱらう? その原因は腸のまれな病気の可能性

 お酒を全く飲んでいないのに酔ったようになることがあるとしたら、それは「自家醸造症候群」という、腸内細菌が関与している珍しい病気のせいかもしれない。この病気の発症メカニズムの一端を解明した、米マサチューセッツ総合病院マス・ジェネラル・ブリガムのElizabeth Hohmann氏らの研究結果が、「Nature Microbiology」に1月8日掲載された。  食品中の炭水化物が消化の過程で腸内細菌の働きを受けると、ごくわずかなアルコール(エタノール)が生成されることがある。このような反応は誰にでも起こり得るが、生成されるエタノールは微量であるため酔うようなことはない。ところが、エタノールが大量に生成されてしまう自家醸造症候群という非常にまれな疾患があり、その患者は一切飲酒をしていないにもかかわらず酔いを呈することがある。